【とある少年の卒業】

ぼくは、道にある黄色い線を踏んで歩くのを卒業する。
横断歩道の白いラインだけを踏んで歩くのを卒業する。
片手で花を摘みながら歩くのを卒業する。
夢を見る日々から卒業する。

友人たちは、あいまいに微笑んだ。
期待していた将来なんてそんなもんだ。
ぼくは善人ではないし、誰も完璧ではなかった。花は手折ってはいけなかった。
みんなで、真剣な話をした。でもそれは、本当は、ぼくたちにとってはどうでもいい話だったのかもしれない。

老いていくように、友達はぼくを置いていったし、夢はぼくを追いかけなかった。
そんな春に、ぼくはぼくの古い習慣から卒業するのだ。

誰かに届いていたぼくの声は、もうその人には届かなくなったし、他の誰かに届いたのかもしれないし、もう誰にも届かないかもしれない。
もはや潮時なのだ。さようなら。

高校生のぼくを殺したり、中学生のぼくを殺したり、そうして、別の何かになったりして、夢を見失って、がんばって大人になるのだ。がんばって。
がんばるんだ。

慣性の法則。
慣性の法則で、ぼくの涙はうしろへ流れた。
涙と夢は、そこに立ち止まっている。






気がつくとぼくは、高校に来ていた。

おいてきた日々はそこにある。
でも友達はもういない。
下校の時間だ。
これから、ひーくんの家に行くんだ。
青色のネクタイ。
ドーナツを買って帰った。
バス停で、バスを待っていた。
マフラーを巻いて。



ぼくは、卒業するんだなあと、思った。
制服を着るのも、これで最後か。
老いていったぼくが、
足跡を残して。
また彼らと交わる日を待っている。

うつむくと、アリがいて、つぶした。
そういう日もあったな。

もう誰も、覚えていないけど。



気がつくと、誰もいなかったので、ぼくは、黄色の線から降りた。
すると、今まで見えていなかった人たちが見えた。
思っていたよりも、人は、ごみごみといる。知らなかったんだ。
すれ違ったサラリーマンが、すれ違いざまに僕に言った。
卒業おめでとう。





また気がつくと、ぼくはもう、制服を着ていなかった。
ドーナツもない。
一緒にバスを待っていた友達は死んだ。
そういうこともあるんだ。
現実なんてそんなもんだ。
いつまでも夢じゃないんだ。

さようならの時間だ。
ぼくを待っているにんげんは、あとどれくらいいるのか。
だけどもう、卒業するんだ。
いつまでも、少年ではいられなかった。
そんな月夜だ。
星がきれいだ。

川端くんと、内臓の密接性

川端くんはいつもの通り、内臓を拾った。
川端くんは、ライトだ。川端くんは明るい。
川端くんは、肝臓は拾わない。川端くんは沈黙の臓器。
川端くんは、お菓子だ。川端くんは甘い。
川端くんは、カエルだ。川端くんは生まれない。
川端くんは、サドルだ。川端くんは自転車操業。

川端くんは、どっちにも行かない。川端くんは、大ちゃんのために、うみに行くよ。
川端くんは、今日も溺れている。
川端くんは、全身がふやける。
川端くんは、天使。
川端くんは、いっかいまわってぷー。
川端くんは、お前を呪うよ。
川端くんは、憎い。
川端くんは、見てるよ。
川端くんは、罪悪感に満ちている。
川端くんは、笑った。
川端くんは、仕方が無い。
川端くんは、お家に帰った。

確かなもの

確かな感動を感じたくて、街に出た。
出会いは素晴らしい、なんて、平凡な言葉だけど、ぼくも、単純に、出会いは素晴らしいと思っている。
だけども、同時に、ぼくは出会うことが嫌いだ。
ひとと、うまくコミュニケーションがとれないということと、出会った途端に、いずれ訪れる別れのことを考えるからだ。
この人とは、どれほど長く親しくしていられるのだろうか。
おおかた、ぼくがコミュニケーション下手であるために、ほんの少ししゃべっておしまい、となるのだ。
本当はもっと親しくなりたくても
なりたくても!面倒臭いな、ていう気持ちの方が強い。
ひとと親しくなるには、たくさんの我慢と、たくさんの妥協と、たくさんの譲歩が必要で、たくさん努力しなくてはならない。
その大変さの向こう側に、孤独な心が救われるような楽しさや、満足さや、充実感が得られるのだ。
ぼくはそういった、楽しさや、満足さや、充実感を得る前に、面倒臭いな、と思って、すぐに、出会ったひととさよならをする。
さよならをする時は、それなりに少し寂しくはある。しかし、さよならの寂しさの向こう側には、何もないのだ。
基本的に、さよならには特典がない。ただ、面倒臭いのが無くなるだけだ。

街には出会いがあふれている。
親しくなろうと思えば、誰とでも親しくなれるのだ。ただ、もちろん、面倒臭い。突然女子供に話しかけたら通報の可能性だってあるわけだ。
そういう、面倒臭さや、危険を顧みずに、
「やあ、こんにちは、調子はどう」
とあいさつをしたところに、限りなく低い確率で、
「まあまあだよ、はじめまして」
と返してくれるにんげんと出会ったときの、確かな感動を、ぼくは求めているのだ。

そういった感動を欲しがるのだが、やはり、面倒臭さや危険などは無視できないわけで、ぼくは、ひとに声を掛けることもせずに街をさまよう。
そこで、ひと以外のものをじっと見つめると、ものや動物は単純なもので、あまり面倒臭くないので、「そんなにじっと私を見て何の用なのよ」と答えてくれる。
ぼくは、そうやって返事をくれる花や風や川が好きなわけだよ。
花や風や川に対しては、いつか別れる時がくるだなんていちいち考えもしない。話しかける必要もない。ただ見ていればいいのだ。それだけでも、新しい何かに出会えたという感動は、確かなものとしてぼくの手の内に入るわけだ。

しかし、それさえも、面倒だと思うことがある。とても気持ちにゆとりのないときだ。そんなときは、出会いであふれる街には到底出られない。
無理に車を走らせて、涙するだけだ。

花をきれいだと思う心もない、そんな時期は。

うーん、ねむい。

つまりぼくは、彼の書く詩が好きってことなんですけど


50音から始まる歌詞バトン


50音から始まる自分の好きな歌詞・フレーズを書いてこうというバトンです。

<例> あ→歩こう 歩こう わたしは 元気(さんぽ)
い→今わたしの願い事が 叶うならば翼がほしい(翼をください)

曲の歌詞であれば、歌い出しでもサビでもその他どこでも構いません。
歌詞と一緒に曲名と歌手名も書くとさらにいいかもしれません。
暇な方、音楽が好きな方はどうぞ!
※"を"と"ん"は省略してあります。


あ→雨上がりのブルー濡れた太陽いつもの目眩(the pillows/サードアイ)
い→彩られては花盛り 少しあっては雨ふらし(UNISON SQUARE GARDEN/23:25)
う→うつむいて空を忘れたけど…覚えてる限りで一番の光を探す(the pillows/Come, On Ghost)
え→
お→お前も連れてくぜ 聞こえてるかい(THE PREDATORS/LIVE DRIVE)

か→悲しみを全部引き受けたって大丈夫 手加減なんていらない(the pillows/ラストダイナソー)
き→君は生きているんだよ(the pillows/WALKIN' ON THE SPIRAL)
く→くたばれ人間ども(the pillows/smile)
け→現実はそんなに悲しいものかしら コンビニに売ってるのに(UNISON SQUARE GARDEN/ガリレオのショーケース)
こ→この世の果てまで投げ捨てに行こう(the pillows/この世の果てまで)

さ→サヨナラ バイバイ これも自由(the pillows/その未来は今)
し→
す→救われないロッカーに愛の手を(the pillows/ターミナルヘブンズロック)
せ→
そ→そして闇の中で笑った喜劇のように(the pillows/ファントムペイン)

た→大地踏みしめどこまでも行こう 目指したあの夢をつかむまで(風といっしょに/小林幸子)
ち→千切れたプライドはルーツを逆走中(the pillows/primer beat)
つ→
て→テキーラでぶっ飛んで 笑って泣いて笑って(the pillows/That's a wonderful world)
と→特別じゃない 終わってゆくんだな(the pillows/白い夏と緑の自転車赤い髪と黒いギター)

な→Now why don't you get a job?(the ofspring/Why don't you get a job)
に→
ぬ→
ね→
の→Nobody comes to help you for ever (the pillows/sad sad kiddie)

は→拍手と罵倒の風を 怪物のような腕でかき分けて家へ帰るが眠れない(the pillows/Monster C.C)
ひ→瞳の奥の闇を覗きたい(the pillows/Kim deal)
ふ→降り注いだ強い光 僕の影は僕の形してた(the pillows/Good Dream)
へ→Hey, I'm gonna get you too Another one bites the dust(Queen/Another One Bites The Dust)
ほ→僕は必ず落ちぶれるけど(the pillows/日々のうた)

ま→麻酔が効かなくて診察台で叫ぶ(the pillows/Ritalin202)
み→
む→
め→
も→もうすぐだろう 目の前だろう ひとりじゃない ひとりじゃない(the pillows/スケアクロウ)

や→
ゆ→
よ→

ら→
り→
る→
れ→歴史には価値のない化石のひとつになるのさ(the pillows/ストレンジカメレオン)
ろ→

わ→わからなくなった自由ってなんだっけ 僕が逃げ込んだこの王国なのか(the pillows/プライベートキングダム)


お疲れさまでした!

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穴がたくさん空いてるけどこんな感じで。
とりあえずぼくは、山中さわおの書く詩が好きなんです。

どうでもいいこと

どうでもいいこと
歌の持つ青
無くしたネックレス
眠れない今日、そして明日
猫の額
からまらない兄弟
おいしいご飯
偽物のギター
人前でご飯を食べること
傷ついた心
直接的な言葉
本物の音楽
うるさい女
昨日のぼく

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こんにちはお日柄も良く、やしちです。
此処は、
『部屋の部屋』
というサイトのブログです。
創作散文詩、小説など置いてます。
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(旧サイト、ガラケー向け→『ETC』
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