ほろよいで

忘れたくないから

書いておこう



待ち合わせより

遅れて到着した

緊張して

ドア開けられないーと思ってたら

ちょっと近づいただけで

ドアは勝手にあいて

いやでも顔と顔が

目と目が合う

あ、、笑

まーくんがにこやかにおじぎして

わたしもあわてておじぎをする

久しぶり、に会えた

うれしい




会えてうれしいんだなぁ、わたし

今日はこれからなにを

話すのかなぁ、なんて

すごく客観的におもっていた






おとなり失礼しますと

座ろうとしたら

すかさず、はいって

まーくんはちいさな紙袋を渡してくれた



え?

こ、これは?

見るからにプレゼントだけど

なんの、、?

白地に黒字ではっきり書いてある

えっと、

C、H、A、N、、、

…ん?

これは、

しゃねる、です?

ちょっと

飲み込めないのですが

これはしゃねるの紙袋にはいった、

何ですか?

素で聞いたら

いやー中身もちゃんと入ってますよ笑

ってまーくんが言う


え、うそでしょ?

え、なんで?

え、え?

パニック

だってあんなにいいもの貰ったんで、

っていうまーくんに

え、たしかにホワイトデー

頑張って作ったけど!

あれがこれになるの???と

まったく飲み込めてないわたし


すてきなホワイトデーを

はやめにくれたのか、と

びっくりした




あけてもいいですか?

いいですよ、

はい、、とあけてみたら

可愛いたまご型のハンドクリームが出現

とても、お、しゃれすぎて

てんぱりながら触る

なんだこれ、すごい!

わたし、とうとう

シャネルなんてもらえる

お年頃になったんですね

感激して

さめやらぬ感動と興奮と幸福を

ことばにできないことばで

いっぱい伝えたとおもう



まーくんはずっと笑ってて

どこか恥ずかしそうで

めっちゃくちゃかわいかったし

(なんだよ〜〜)

いろんないみで悶えた。




カンパイして

すこし話して、飲んで、食べて。

ねえ、これつけてみてもいいかなって

箱の中身をとりだした



それから一滴だけ手の甲につけて

香りをたしかめた



ああ、すごい

大人のすてきなかおりがする

今まで年甲斐もなく

ジルとかジェラピケとか

無理のある若い女の子の香りしか

身につけたことなかったわたしは

はじめて纏う女のひとみたいな香りに

ちょっと酔いしれてしまいそうだった



まーくんって

優しい上に紳士なんだなぁ

すごいなあ

何者なんだろう




ぶっちゃけわたし

ホワイトデーに物を貰ったのは

生まれてこのかた

いちどもありませんで


お菓子でのお返しすら

たぶん2.3回しかもらったことない

わりとさみしい人生だったので



春一番みたいな風が

とつぜんぶわっと吹き込んで

さみしいとおもっていたこころが

一気にあたたかくなった




それから

もうすぐ誕生日だったんですねって言われて

あれ、なんで知ってるの?と思いながら

でも、聞けなくて

おめでとうございますって

言われたっけな、言われたような

1、2杯で酔ってしまって

ちゃんと覚えてない

もしかして誕生日プレゼントとして

くれたのかなと

翌日になって思って、わからなくなった

けど聞けない

なんか勘違いだったら気まずいなぁって





何かをしてくれるひとには

何かで返したいなっておもう

思えば

はじめて渡したかもしれない

付き合ってもいない

わりと出逢ってまもないひとに

苦手中の苦手なお菓子づくりを

めちゃくちゃ頑張って

それなりにきれいにラッピングして

勇気をだして、渡した

バレンタインデー当日

あれは

わたしなりの無償の愛だ




それに対して

ちゃんと色々考えて

お返しをくれたのなら

優しいひとなのかな、まーくん



まだお互いあまり知らないけど

会うたびに

いいひとなんだなって

安心をもらう

これからのことは

どうなるかわからないけど

すきとか、よくわからないけど




3月7日は

シャネル記念日

わたしのなかで

こっそりそう名付けよう



そんな

そんな

おもいがけない

冬の終わりみたいな

しあわせなよるだった