指輪をくれたひとは

指輪をくれた日から

一度も会っていない

まさかですよね




約束は2回してたけど

彼の都合で会えなくなった

わたしも

それほど会いたくなかったけれど

彼は一体どうして

わたしに指輪をくれたのだろう

連絡してくれるのが

すごく頻繁だった

そんなにしてこなくてもいいのにってくらい

がんばってしてくれたとおもう

好きかはわからなくても

それはうれしかった

マメだよねって言ったら

連絡は怠りません、

なんて言っていたひと

なのにすぐ

返事が翌日だったり

なかったりするようになった

わたしがそれほど連絡したいような

雰囲気じゃなかったから

空気を読んでくれたのかなって思ったら

意外とそうでもなくて

好きも、ゆびわも、

気まぐれだったのかなって

ほんとうに

ただ謎が残るようなひとだった




好きな人でもできたのか

ほんとに体調が悪かったのか

わからないままだけど

付き合ってる感もさらさらないので

お別れしよっかと

私から話した



そしたら急に会いたい、なんて

会った方が元気が出るようなきがする、なんて

どの口が言うのだろう



体壊さないようにしてねって

それだけ伝えて

さよならした

指輪は川に流した




綺麗な指輪だった

ダイヤモンドという鉱物は

わたしにはもったいないくらい

きらきらと光っていた

すこしのあいだ

わたしの指のうえ

ひかっていてくれてありがとう

ほんとに短かったよね

ごめんね

指輪に罪はないのに




わたしがちょっと

恋愛のしかたを

忘れてしまったばかりに




最初から

知らなかったかも



この先も

ずっと知らないかもしれないね



でもね

それでいいような気もしているんだよ