少しだけ少しだけそう思わせて *

君が来るまで寝ておこうって

ぐーぐー眠っていたら

バシバシ叩かれて起こされた

帰ってきたのね


フェス帰り

汗と雨でびしょ濡れになったであろう君が

わりと綺麗な姿で

そこにいた


3週間ぶりだね

すこし寝ぼけたまま

相変わらずにこにこしてる君の顔見て

心だけうれしくなるわたし



そのままちょっとしゃべったら

風呂入るでって

ほら捕まって、てされて

起こしてくれて

お湯ためてってお願いして

お風呂に入ったよ



怪我して運動できなくなって

ぶくぶくに太ったわたし

全身あざだらけの体と

髪の毛を洗ってもらった


傷のことにはあまり触れずに

こんな長い髪洗ったことない

どうやって洗えばええんって

聞いてくる君


すこしへたっぴな介護をする君


なんかもう

もっと君のこと

たくさん見ていたいのに

気持ちがこぼれちゃいそうで

あんまり構わないようにした




慣れてないこととか

誰にも触ってないこととか

はじめてなことって

今しかないかもしれないから

これからはどんどん

慣れていくんだとおもうと

そんなの尊くて

きれいで

うれしくなってしまう



いろんなひとに会って

思ったことは



やっぱり歳が上の人は

多少の焦りみたいなものがあるのか

それから慣れているのか

にこにこいいひとをしながらも

肩とかからだを触ってくる

こわ、っておもう


こんなこともできるし

こんなこともできるよ

大人の余裕だよ

みたいな風に物事を言うのが

逆に幼く感じてかっこ悪い

自堕落な生活送りながら

よくそんなことをって、思うよね



わたしはもっと

ありのままで

潔くてかっこいいひとがいいや



そんなわたしも

わがままですけども




君と会ってながれる

無言の時間がなんでか

すごくすごく好きなんだ


君と会ってすこしだけ話す時間が

目を合わせて離さない時間が

手を握って離さず眠るのが

ひざのうえに寝転んであそぶのが

シンプルにそれが

すごく居心地よくて

なんでかわからないけど幸せだよ




2日目は食べた後の食器をまとめて渡して

昨日はわたしが洗ったから

今日はしてねって押し付けると

忙しいのにってふざけながら

ゆっくりぴかぴかにしてくれた



じつはとても丁寧に

あつかってくれる

大切に扱ってくれる

そういうところが好き

わたしのもとめる優しいを

きみは全部持っていて

優しいってことはどうしても

一番に嬉しくて苦しくなる


おいしい、とは言わないのに

すっごくおいしそうに

無言でがっつくご飯も

それを横目で見ながら

おなじものを食べているだけで

とても幸せな気持ちになる



いつもなら

おいしいって言って欲しいし

褒めて欲しいし

なにかしら楽しく会話しながら

食事はしたいなと思ってきたのに

なんでだろう




君といる時間はすごく

ここちよくて

愛しくて

無言であっても愛があふれるよ



ずっと一緒にいなくてもいい

束縛しない、していらない

だけど一緒の住みかに

こうして帰ってきて暮らすとしたら

まいにちがとても心地いいだろうな

なんて

思ってしまうと目から水がこぼれそう




どうしてそんなこと思うんだろう

好きってどういうことか

いまいちど考えてみる




こんなわたしを

そんなきみを

欠けたわたしたちを

互いに愛しているとしたら

それはなんていう名前の愛情なんだろう



名前なんてないのかな

なくたっていいのかな

だめなのか、な



不器用なことは

美しくて綺麗なんだと

知ってしまうとなみだが出た




きみがいなくなった部屋が

さみしくなくて

きみが居たことで

あたたかくて

じんわりしてるのはなんでだろう



へんなわたし

はやく来月になって、とか

どうして思うのよ







愛想つかしてくれてもいっこうにかまわない

何人か会ってみた

定義とかはなくて

雰囲気で選んでみたひと



雰囲気、フィーリング

やっぱりそれに尽きると思うの



でも、なかなかない

ほんとにしっくりくるひとなんて





そんなの人生でいったい

どれくらいの人数会えるというんだろう









今帰ってるとこーって

彼から連絡がきた



わたしはいま帰ったところで

時間差で彼が帰ってくる



ねむたい、つかれた

だけどお風呂に入れてもらわなきゃだ



今日は色々あって

こわくて過呼吸になりかけた




怪我は治ってきてはいるけど

ひざが痺れだすし

なんだろうか

もう勘弁してよ



ちょっと寝とこう

1じかんくらい熟睡しておく

帰ったら優しくおこしてね

おやすみなさい




好きなんでしょう? 逃さないで

ずっとなんてないのよ









ずっとなんて、ない

今しかない

大切にしてないと

しっかり捕まえてないと

それでもしあわせは

すぐにどっか行く







負傷して

おふろに入れなくなって

どうしようと思ってた


あの美容師さんに

シャンプーしてもらうとか

嫌だ、ちがう




自力で生きなくちゃ

ひとり暮らしってこういうことだ





そう思っていたら

ぴろんてスマホが鳴って

あけた







「明日明後日、そっち行ってええ?」





まさかの


ここでまさかの登場するひと




今度会うのは秋かなって言って

そのまま消えようとしてたのに





秋はまだなのに

きみも会えないって

会いにいかないって言ってたのに





用事ができたと

連絡してきた





なんで今




怪我してるって言ったら

介護してくれるらしい





休めない仕事の送り迎えも

身の回りのことも





うれしくて言葉なくして

ここで甘えてしまうわたしは

だめな人間?って

わからなくなりながら





明日の夜、仕事を終えたきみは

汗も流さずにそのまま

3時間運転して来てくれるらしい



くさいけどごめんなって言うから

がまんするって言ったら笑ってた




なんで今なの

助けにくるみたいじゃん



なんで、



会えないって言ったの


そんな簡単に撤回しないでよ






うれしいって思っちゃうのは

だれかに助けてほしかったから?

きみだから?







こんな状況じゃなかったら

今は忙しいって

頑張って

断ってたのかな
















咲いていた夏の花

旅行に行ってました、親友と

楽しかった、いい旅だった

だいすきで

ずっと一緒にいても落ち着くお友達

ずっと大切にしたいお友達




旅行の初日の正午くらい

わたしがロードバイクで事故りまして

回転してふっとんで

落ちて打ちつけてずさーっと着地

うしろにいた友達はそれを全部見てた

全身に打撲とひどめの擦り傷をつくった

島とか橋とか渡って

ど田舎のど真ん中でどうも出来ず

その体のままで自転車旅続行したけど

歩くのも大変で

階段おりられなくて

お風呂も大変で

まあ大変でした


だからあまり

やりたいことうまくやれない旅には

なっちゃったけど

だけどそんなんでも

いい旅行になったと言える

最高の2日間だった


ごめんね、ありがとう

わたしたちがんばったよねって

ずっと言ってた

地元に戻ると

しんみりぶわっと感動

はじめてのおつかいと

それから

24時間テレビの終わりみたいなきもちだね

とか言って爆笑してた






日頃の行いを改めなきゃならないのかな

親友と一緒にいて

たくさんいろんなこと教えてもらった

なにを言われたわけでもないけれど

そのこを見てるだけで

たくさん気づくことがある

天使みたいな女の子

人生において

出会えてよかったと言えるお友達




これから

お互い離れても

こころは一緒にいたいね



こんなわたしだけど

ずっと一緒にいてほしいよ

友達って

こんなに素敵なものだったんだなと

きづかせてくれてありがとう



花火が

終わる 終わる 終わる

君の手に

触れる 触れる 触れる

瞬いた空はふたりを

そっと寄せ合わせ

夏を奏でる




まさに

こんな

夏だったよね

それを懐かしむようになんて

なりたくないよ

好きよ



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