どれだけあいすることが
できるだろう

どれだけいとおしくて
くるしくなるだろう

もうこりごりだっておもうのか
それともこの手を離したくないのか

君はどっちだとおもう?




会いに行った、翌日のよる
線香花火を買うと

ある場所まで車を走らせて
ここ、って君がいう

しずかな広い公園に
連れてきてくれたみたい

ペットボトルと
ライターと

アスファルトにばらまいた線香花火
それからわたしたち

逆さに火を点けて
やけどしそうになる君

短く持つと熱くて
さわいでいるわたし

線香花火って
さみしくなるとおもってた

こんなにここちいいんだね

むしの音と
花火のにおいが

君と一緒に
また夏のよるに染み付いた

君の夏にも
わたしは染み付いただろうか



ふわふわ飛んでひかる
ふたつのひかりみたいに

むし暑い夏

よるにかくれてキスをする





別れ際

今日ばかりは

何て言ったらいいのか

わたしもわからなくて



いつもみたいに

ふざけてキスをして

にこやかに手を触れなくて



また、会いたくなったら

連絡して

(わたしからはしないよ)


気が向いたらでいいから

(もうしてこなくて大丈夫)



ばいばい

(これで最後にしようね)



涙がこぼれそうで

扉を閉めたら

君から見えなくなるまで

走れるだけ走った