ｍａｒｃｙ.

きみの部屋で

きづいたらわたしが勝手に

きみのTシャツを着て

着る服がなくなったからか

きづいたらきみも勝手に

わたしのニットを着て

ふつうにギターを弾いてた


お互い似合ってたから

そのまますごしたよる


オレンジのあかりの部屋で

思い思いに遊んでた


こどもみたいなわたしたちは

楽しいことと

だいじなことを

意外とちゃんとわかってる


だから約束は守るし

迷惑もかけない

わがままも言わない

優しくておだやかな言葉しか言わない

眠るときはずっと一緒で

双子の子猫みたいに

くっついて眠る


愛してるも言わないし

帰らないでも言わない

笑顔でばいばいができる


お互いの手をぐちゃぐちゃ

いっぱい絡ませるのが

わたしたちのお決まりのばいばい


帰るころにいつもひどくなって

動けなくなるくらい頭が割れそうになる

きみの頭痛すら愛しい



きみが料理できないからって

つくってあげるのは嫌で

教えながら一緒に作って

一緒においしいねって食べるのがおきまり

きみのすきないちごか

わたしのすきなりんごを食べるのがおきまり



あとは

優しそうに見えないのに

じつは優しいのが

わたしたちのおきまりだね

なんだそれって思われても

だってそれがわたしたちなんだ



そんな

愛しくて愛しい

わたしたちがつくる時間と空間




はじめて会ったとき

何、このひとって思ったけど

においも空気も

似てたって後からきづいた

車にギターのせて

会いにきてくれた

下道で3時間もかけて

優しいひとみたいに




持ってきてって言ったのは

教えて欲しかったから

それにわたしの部屋でも

弾いて欲しかった

わたしの部屋でも

きみの弾く音が

ひびいて欲しかった



きみに教えられて

ギターのこと

何でも知りたかった

それをわたしの新しい

知識としたかった



そしたらいつか

きみともしも

離れ離れになっても

わたしのなかには

きみがいるし

わたしの指には

きみにぎゅって動かしてもらった

弦のおさえかたが

のこっていくから



そしたらいつかさ

きみを想ったりして

泣きそうになりながら

胸をあつくしながら

へたくそなギターを

自分でこの部屋にひびかせるかもね



きみがいつかだれかに

新しい音を聞かせても

あの日のあの音はわたしだけのって

かんちがいみたいにおもって

だきしめてうたうかもね

だきしめてうたっているかもね

書きたいことがありすぎて

困るなあ

箇条書きみたいにいっぱい書き出したい




あいみょんとか

ぜんぜん興味なかったんだけど

だれかさんの影響で

急にわたしもギターが弾きたくなって

ギターに興味をもつようになってから

すこし聴くようになりました


そんなわたしに友達が

ギターをかしてくれた

15年ほど眠っていたらしいエレキギター

それから電子ピアノまで

セットで持ってきてくれた

これはめちゃくちゃでかいやつ

大雨の日に

わざわざ

優しいよね、ありがとう


ピアノの音もすき

ピアノは15年ほど経験があって

ショパンの幻想即興曲とか

合唱コンクールの伴奏で弾いた3曲は

いまもたまに弾くのですが

そんな程度なのでなまりまくり

リズム感ないし得意とかじゃないけど

基本音楽はなんでもすきだなあ



そのなかでも特にすきな音色は

優しいギターの音

わたしは全く弾けないけど

弾いてくれるひとがいたらずーっと聴いてられる

アコギの音ってなんであんなに落ち着くんだろうな

癒しだよな

だいすきなひとが弾くと

余計に心地よくなるよね

彼はまだはじめて１年くらいの初心者なんだけど

よる、暗くした部屋で

オレンジいろのあかりだけに照らされて

弾いてくれる彼のギターが

わたしはとてもすきだよ



すきってなにか

よくわからないけど

彼のことはすきになっていいのか

それもわからないけど

でもわたしは

勝手にすきだとおもっておく

勝手にだいじにおもって

勝手にしあわせをかんじて

勝手にそのうち終わらせるから

勝手にするからほっといてください

ほんとは独り占めしたいけど

こんなわたしのこと

まともに相手はしなくていい

ただすきでいる

すきってこれのことかも

よくわからないけど

たったひとりのあなたのこと

しばらくのあいだ

きれいな宝物みたいに

だいじにおもっていたい



会うたびにすこしずつ

教えてくれる

優しいひと

こんど会うときは

弟にもらった

弾けないギター背負って

２時間くらい

電車に揺られて

きみに会いにいこうとおもうよ