たくさんあるって
そうかもしれないね
そうであって欲しい
優しかったな
カウンセラーのお仕事もしてた彼は
いつも聞き役で
聞き出すことが得意で
わたしの可能性とか
好奇心とか
弱さの元とかタネとか
なんでも引き出してくれた
いろんなことの解決や平穏へと
導いてくれようとしてたと思う
それは
優しかったし
ときに優しく思えて
無理矢理で荒いなと思うところもあった
わたしが弱いからかもしれない
弱さも拭ってくれようと
していたのかもしれない
わたしが強くなりたいって
彼に言ってたから
彼は楽しかったと言った
貴重な時間だったと
ずっと味方だよって言った
げんきでねって言った
この電話がはじまったときから
心臓が痛かった
でも彼はもっと痛いとおもって
痛いなんて言わなかった
なんだかお別れみたいだねって
返した
わたしは友達としてでも
帰ってこないとおもったのかな
いつでも気が向いたら連絡してねと言ってた
それも、わたしがしないのわかってて
言った優しさなのかな
わたしは
連絡しないとおもう
優しさに甘えちゃうから
彼はこのままでもいいとも言ってた
でもそんなわけないなと
あたまのなかでおもった
このサヨナラからはじまることがあるとしたら
それはなんだろう
彼が教えてくれたことは
たくさんたくさんあった
わたしのほうが
貴重な時間だったよ