マリンタワーで宮森は、デジタル庁の職員に電話をかけると
美月から聞いた話をそのまま伝えた。
「……ああ、そうだ。デジタルモンスターなる生き物を連れている子供がいる。
上層部に直談判するには良い材料になるだろう。」
「……美月、これからどうなっちゃうの?」
「私達の目的は七大魔王による人間界進出の阻止だからね。
私1人だけだと、どうしても限界があるから。」
「……………物吉君、と言ったね。君的には今後どうするつもりか聞いても?」
「オメガモンが人間界に来たってことは、
他のデジモンもゲートを通して人間界に来る可能性があります。
1番最悪なのは成熟期以上のデジモンですね。
できれば制圧して、デジタルワールドに送還できればいいんですけど……。
他のオリンポス十二神族が子供達に接触しているかどうかもわかりませんし、
ロイヤルナイツには正直言って期待しない方が良いかもしれないです。」
「何故だ?」
「ロイヤルナイツは各々が信じる正義の元に動いていますから、
私達の信じる正義とは違います。
大量虐殺も彼らの正義だと言われてしまえば、それで終わりです。」
「………なるほど。」
「デジモンの存在を認識するまでには時間がかかりますし、
他の一般人からしてみれば怪獣として一括りされると思います。
巨大生物による災害、ですよ。」
美月がそこまで言った時、デジヴァイスが光り輝いた。
「あ、オファニモンだ。」
『美月、ルナモン。聞こえますか?』
「うん、聞こえるよ。」
「オファニモン?」
「ボクの友達。……オファニモン、ちょっと話を聞いてくれる?」
ルナモンはオファニモンに宮森のことを話した。
『………そうでしたか。デジタル庁という部署の人間の方なのですね。』
「ええ、オメガモンの出現をきっかけにデジタルワールドからデジモンが出現する可能性がある。
一般人にはデジタルワールドは浸透していないので、巨大生物による災害が今後とも起きる。
…………正直に言うと我々はデジモンにはデジモンを、という考えを持っています。」
『………そうですね。そちらの方でデジヴァイスのデータを解析してください。
デジヴァイスにはデジモンの出現を知らせる機能がついています。
それを都市部の地域と照らし合わせれば、何処に出現できるかがわかります。』
「……わかりました。そのようにしましょう。」
『美月、貴女に力を貸したいというデジモン達がいます。
彼らの力を使ってやってください。』
「ホント?助かるわ。」
『ただ、オメガモンについてなのですが。』
「うん。」
『オメガモンはロイヤルナイツから離れた身。
いざという時以外ははじまりの街で待機してもらうことになります。』
「…………まあ、そうだろうね。力が強いもん。大丈夫、私とルナモンで当分は何とかするわ。
それに戦力補充もしてくれるんだし。」
『ではデジヴァイスにデジモン達のデータを送信します。』
そういうとオファニモンは美月のデジヴァイスに戦力補充のデジモン達のデータを送信した。
続く。