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子供が可愛すぎる!

「………というわけで、めでたしめでたし。
………と、ありゃ。もう寝ちゃったのかい?」

末妹である咲良と咲耶に絵本の読み聞かせをしていた響夾は、2人が眠りについたことに驚いた。

「響夾、絵本の読み聞かせありがとうね。」

「いやいや、妹の面倒を見るのはお姉ちゃんの役目だからね。」
「ほんわかしているけどしっかりしているから、安心できるわ。
はい、飲み物。」

「ありがとう、お母さん。」

咲良と咲耶に毛布を掛け、満月はニコリと笑った。

「お母さん、大変だって思ったことはないかい?」

「そうねぇ………響夾に奏汰、拡樹に桃矢、桃子、桃花、咲良に咲耶。
8人も産んだのは確かに大変だったけど、子育てはそんなに大変じゃなかったわね。
守り刀のサポートもあったし。」
「そっかぁ。」

お茶を飲みながら、満月と響夾はのんびりと話をする。

「私よりも響夾の方が大変じゃない?8人兄弟のお姉ちゃんをするのって結構辛いでしょ。」
「いやいや、そんなことは1度も思ったことはないよ。
それこそ、お父さんとお母さんの愛情をしっかり貰ったからねぇ。」

「そっか。うん、これからもよろしくね、お姉ちゃん。」
「………うん、よろしく任されたよ、お母さん。」




終わり。

ACT1-(16)


公演が終わり、満月は打ち上げと称した飲み会に参加した。

「…………あの、ほどほどにしてくださいね。お兄様達。」
「だいじょーぶ。綾人兄ちゃんみたいに酒弱くないから、僕は!」
「そういうお前も酒に強くはないでしょう、幸人。」

「かずちゃん、綾人兄ちゃんが飲み比べをしようだって。」
「おう、やるのか。飲み比べ。」
「まぁまぁ。和彦さんもほどほどに。皆、酒に強くないんだから。」

「………祐一が酔っ払ったところ、見たことないよね。」
「祐一だけじゃなくて、初瀬家の人間は大体そうだろう。
なはは、いやぁ、酒に強いって羨ましいねぇ。」

「公演にも参加していない癖して、何しれっと混ざっているんだ、智久。」
「何気にするな。退屈しのぎにはなるさ。
なぁ、満月ちゃん?」

「おいこら、お前それで何本目だ!!」

てんやわんやと叫び声が響き、満月はあーあ、と呟く。

「…………何というか、賑やかですね。」
「…………私以外、全員成人しているんだからブレーキをかけてくれればいいんだけど……。
後始末をする身にもなってほしいなぁ……。」

「ほら、満月ちゃんが困っているから、酔っ払いは絡まないようにね。
特に芳樹。」
「何で俺に話題を振るんだ。俺、満月ちゃんを困らせたことないんだけど。」

「とか言って、この間の飲み会の時危うく襲い掛かりそうになったのは
何処の誰だったかな?」

祐一に言われて、芳樹はうぐっとなった。満月はそれを見て苦笑する。
「芳樹さんだからよかったんですけどね……。」

「まあまあ、お堅いことは言わずに今日は無礼講だ!
この調子で、千秋楽まで駆け抜けよう!」

演出家の不知火が叫ぶと、裏方も含めて全員(満月と物吉を除く)が歓声をあげる。
「………何かいつも貧乏くじを引いているような気が……。」
「……お酒の魔力は怖いですからね。危うくなる前に避難しましょうか。」

「………そうだね。」


続く。

人を見た目で判断しちゃいけません!


「かーのじょ、暇?」
「良かったら、俺らと遊ばない?」


とある日の午後。商店街に来た満月は男性達に声をかけられた。

「……いや、私娘いるし。結構年増だし。」
「えー、嘘。子持ちに見えないんだけどー。」
「そーやって俺らの誘い断るつもり?」

「いやだからホントなんだって。」


「まーまー、そう言わずに。」

「ほら、行こうよ。」

男性の1人が満月の手を握った時、明るい声がした。

「あ、ママ!」

「お母さん、会計済ませたいんだけど。」
「……ありゃ?」

とん、とん、とん、と現れた3人の子供に男性達はえ、と呟いた。

「ママ、知り合い?」
「ひょっとしてナンパなのかな?」
「うわぁ、私達のママにナンパなんて良い度胸してるよね。」

「高校生と小学生の娘がいんの!?」
「……いやー、まだいるんだよね。息子が3人。」

「母上、どうかしたのか?」
「母さん、どうしたの?」

「……どうもこうもこれはナンパ、ですよね……。
あの、こういうところでのナンパは条例違反になるのでやめた方が………。」


ひょい、ひょい、ひょい、とさらに3人が増え、男性達はひぇ、となる。


「だから、言ったじゃない。こう見えても年増なんだって。」

「えー、ママ。まだ若いからいいじゃない。」
「パパの方がずっと年増だよ〜。」

「………で、用事はそれだけですか?」

「子持ちに声をかけるなんて、最ッ低!!」

何だ何だ、と集まる買い物客に男性達は冷や汗をかくと。



「し、失礼しましたーーー!!」


と言って、その場を去って行った。


「………ママ、今度から買い物行く時はパパと一緒の方がいいんじゃない?」

「そうだねぇ………でも、響夾と桃子と桃花に声がかけられなくてよかった。」

「いやいや、お母さんの方が大変だってば。」

「見た目若く見えるって大変だねぇ。」


「人を見た目で判断しちゃいけないって、十分わかったかな?」

「………懲りずにやると思うに1票。」

「……そうですなぁ。」




終わり。

ACT1-(4)


「………ここが、はじまりのまち………?」
「良かった、ここは無事だったんだね。」

廃墟と化した街を通り抜け、美月はムンモンの案内で<はじまりのまち>に到着した。
デジモンのタマゴ、デジタマが至る所でゆりかごに揺れていた。

「ここは死んだデジモンが生まれ変わるための準備をするんだ。」

「へぇ…………。」

「………よく来てくれました。選ばれし子供よ。」

はじまりのまちの中心部に到着すると大木からオファニモンが出てきた。
だがその姿はかなり衰弱している。

「オファニモン、大丈夫!?」
「……すみません、お見苦しいところを見せてしまって。
闇の勢力との戦いで、今の私はかなり疲弊してしまい、
成熟期のデジモンでさえ十分に追い払えるかどうかまで弱っているのです。」

「………ムンモン、手当することはできないの?」
「デジヴァイスを使えばいいよ、美月。」
「わかった。」

美月がポケットからデジヴァイスを取り出すと、それは強い光を放った。
その光はオファニモンを包み込み、疲弊を回復させた。


「………ありがとう、感謝します。」

「いやいや、私は何も。ただこのデジヴァイスが勝手にしてくれただけで。」
「いいえ、貴女は初めて会ったばかりのデジモンに恐れることなくこうして
この世界に来てくれた。
それだけでも十分凄いことなのです。」
「…………ムンモンが可愛いから、来ただけなんだけどなぁ……。」
「それでも良いのです。
貴女の名前を伺っても良いですか?」
「私、美月。美しい月って書いて美月って呼ぶの。
今は小学6年生……の予定。」

「………そういえば、美月。会った時にも言っていたよね。
学校って言う場所に行ってないって。……何で?」
「いやまぁ、恥ずかしながら………うちの親が私立か市立の学校に行かせるか行かせないかっていう
しょうもない理由で喧嘩して、それにストライキして不登校になってんの。
ママはうん、教育熱心なところがあるからちょっとアウトだけどパパはどっちかっていうと
物分かりが良い方だから。………って私の家庭事情はどうでもいいから。

オファニモン、ムンモンから聞いたんだけど闇の勢力が人間界をも支配しようっていうのはわかる。
でもロイヤルナイツって何?どうして三つ巴の戦いになったの?」
「………そうですね。まずはそこから話をしましょう。」


オファニモンの話に美月はうん、と頷いた。


「まず私達が住むデジタルワールドは
現実世界のネットワークが進歩する度に現在進行形で拡張しています。
それでデジタルワールドはホストコンピュータであるイグドラシルが管理をしており、
その下にロイヤルナイツという究極体で構成された騎士団があります。
………ただロイヤルナイツは各々が信じる正義の下、
動いているので必ずしも絶対的な正義の味方ではないのです。」
「あー、つまりは……例えば私達が闇の勢力の侵攻をどうにかしたい、と思っていても、
必ずしも協力してくれるとは限らないってこと?」

「ええ、そうです。………それどころかイグドラシルは我関せず、と言った状態なので
結局のところムンモン達が所属しているオリンポス十二神族が、闇の勢力と戦うことになったわけです。」

「………そうだったんだ………。」
「ボク達も頑張ったんだけど、敵が強すぎたんだ………。
だから、メルクリモンがパートナーを探して人間にも協力してもらおうってことになって
ボク達はパートナーを探すことになったんだ。」
「………で、そのうちの1人が私ってことなんだ。」
「はい。」



続く。

ACT1-(3)


デジタルワールドに到着した美月は目の前の光景に驚いた。

街は街でも、見渡す限り、廃墟と化していた。

「………ここ、ホントはとても綺麗な場所だったんだよ。
でも、闇の勢力との戦いでこうなっちゃったの。」
「そうなんだ………。
人間の世界も同じだね。
よその国で戦争が始まって、綺麗な場所があっという間に廃墟と化しちゃうの。」

「………うん。」

「………あ、美月。隠れて!」
「え、あ、うん!」

ムンモンの言葉に美月は穴が開いた場所に移動した。

幼年期や成長期のデジモンがいたが、オーガモンの群れが来ると
あっという間に隠れ家へと消えていく。

「……っち、シケてんのな。」
「仕方がねぇ。ここは俺達が暴れてやったんだからな。
無理もないさ。」

棍棒を持ったオーガモン達の群れを見た美月は冷や汗をかいた。
やがて、群れが消えていくのを見るとムンモンは大丈夫、と言った。

「………今のが、闇の勢力?」
「あいつらは下っ端の下っ端だよ。」

「そうなんだ………。」
「とりあえずボク達は<はじまりのまち>へ行こう。
オファニモンを探さないと。」
「…………オファニモン?」
「うん。ボクの親友。」

「そっか……友達なんだね。じゃあ、探しに行こう。」
「うん!」
そういうと、美月はムンモンと共に<はじまりのまち>へと向かった。

続く。
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