スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

ACT1-(9)

桜庭市営文化ホール。
そこに芳樹と満月、綾人と幸人の4人は集まっていた。
「それにしてもそろそろ公演か。
気を引き締めなければならんなぁ。」

「そうだね、和彦。」
「祐一の方こそ、神社の方はいいのか?」
「参拝客を増やすためなら手段は選ばないよ。
何せ、経営がかかっているからね。」

初瀬祐一と柊和彦の2人の会話に、4人は苦笑する。

「さて、トライアル公演は何とか上々の出来だった。
これからが本番だよ。」

演出家の不知火智一の言葉に6人は返事をする。

「特に満月ちゃん、大変よ。
舞台に出演するだけじゃなくて、衣装や音楽も担当するんだから。」

智一の娘である智恵の言葉に満月は苦笑する。

「ホントなら、裏方に徹した方が楽なんですけどね……。」
「でも満月の清光、良く似合っていたよ!」

「満月はもっと自分に自信を持ちなさい。
確かに表舞台と裏方の両立は難しいけれど、トライアルでは評判が良かったのだから。」

綾人の言葉に満月ははい、と頷いた。

「そうですよ、お嬢様はもっと自分に自信をもっていいと思います!」

守り刀であり、満月の懐刀でもある物吉貞宗が力強く話をした。

「……………うん、そだね。私にしかできない加州清光を演じないとね。」
「さて、というわけで練習開始だ。皆、準備はいいかい?」
智一の言葉に全員がはーい、と元気よく返事をした。


「…………でも第1部よりも第2部の歌の方が案外大変だったりして。」
「俺も満月ちゃんもソロがあるからね。
でも、頑張っていこう。」

「トライアルよりも成長したんだってこと、皆に証明させないとねー。」




続く。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2022年03月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31