スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

父と子の夜食

雪のように白い。

閲覧パス付小説について


18歳以上対象の小説については閲覧パスをつけます。
パスは「0218」です。

結局のところ、皆可愛いんだよね。

「パパ、ママ。似合う?」
「似合っているかな?」
「桃子、桃花。良く似合っているよ。」
「ホントに。似合っているねぇ。」

ゴスロリ衣装を着た桃子と桃花を見た芳樹と満月はにこにこと微笑んだ。

「じゃーん。お父さん、お母さん。私も着てみたよ。」
「ひび姉ぇ、似合う!」
「可愛い!」

薄黄色をベースとしたゴスロリ衣装を着てふわふわと微笑んでいる響夾をよそに
奏汰はぐったりとしていた。

「かな兄ぃ、どうしたの?」
「………いや、何でもないんだ。そっとして欲しい。」

「奏汰、響夾のゴスロリ衣装を作っていたものね。大変だったでしょう?」
「………姉上のスリーサイズを測るのが、年々苦痛になってきた………。」
「そうかい?」

「姉上はもう少し、恥じらいというものを持ってくれ!頼むから!」

「……ひび姉ぇに限ってそれはないと思う。」
「うん。ない。お姉ちゃんに限ってない。」

「……姉さん、兄さんの胃がキレる前に恥じらいを持った方が良いと思いますけど。
私も桃子と桃花にせがまれてスリーサイズを測るってことになったら、胃がキレます。」

「かな兄ぃも、とーやもヤラしくないから安心して測れるんだよね。」
「逆にパパはママに対してだけヤラしくなるけど。」
「こら待ちなさい、桃子。それ誰が言っていたの?」

「智久おじさんが言ってた!」

「うん。」


「………智久。今度会ったら、〆るか。」

「………そうですね。でもまあ、結局のところ、皆可愛いんだよ。」

ほけほけと笑う満月に奏汰と桃矢はため息をついた。


「………可愛い?」
「何処が?」

「全部。」





終わり。


仲良し3つ子。


「とーや、次何処に行く?」
「私、あっちに行きたい!」
「先にこっちから行こうか。大丈夫、時間はたっぷりあるから。逃げたりしないよ。」

とある昼下がりの午後。
綿貫桃矢は桃子と桃花と共に買い物をしていた。

3人は同じ日に生まれた3つ子である。
(とは言っても、桃子と桃花は一卵性双生児だが)

そのため、何をするにしても常に行動を共にしている。

「来月はママの誕生日だねー。パパ、何を贈るんだろう。」
「去年は凄く大きなケーキを作っていたよね。ママが食べきれないぐらいの。」
「……さすがに大きすぎたから食べきれないって母さんがボヤいていたから、
今年は平均なものになると思うけど。」

「でも、結局綾人伯父様達と分け合って食べていたじゃない。」
「そうそう。大きいのが1番だよね。」

「伯父さん達、仕事忙しいのに母さんや私達の誕生日には駆け付けるよね。」

「そりゃ、可愛い妹と甥っ子姪っ子の誕生日には駆け付けるんだから!」
「でも綾人伯父さん以外はまだ結婚していないんだよね?」

「何でかな?」

「お眼鏡に似合う人がなかなか見つからないのもあるかもしれないね。」
「………そうかな?でも結婚って憧れるよね!」
「好きな人と一緒にいられたりするんだもの、そりゃそうだよ。」

「あ、でもでも世の中には性格が合わなくて結局離婚する夫婦もいるんだとか。」
「私達、そういうのにはなりたくないよね。」
「ねー。」


「とーやはどう思う?」
「私も、すぐに離婚する夫婦にはなりたくないね。……でもまだ私達小学生だから、
考えるのは大分先の話だよ?」

「幼稚園の頃は先生と結婚するってとーや、言ってた。」
「先生は桃矢となら、OKだって言っていたもんね。」

「……それは小さい頃の話だろ。何で覚えているんだ。」

「そりゃ、私達いつも一緒だもん。覚えているよ。」

「いつか一緒にいられない日が増えるかもね。」
「はぅあ!とーやがそんなこと言う!」
「ホントに、大変、大変だよ。」
「とーこ、大変だね。」
「うん、大変!」


「さて、買いたいものはあったかな。」
「あ、まだシャープペンをカゴに入れていない!」
「ノート、選んでなーい!」

パタパタとかけていく双子の妹達を見て、桃矢はやれやれ、と呟いた。





終わり。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2022年03月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31