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ACT1-(2)


自室から出た美月はムンモンに何かを食べさせようと思い、キッチンに降りた。


「………あ、あったあった。はい。プリン。」

「これなぁに?」
「プリンっていうの。甘くて美味しいよ。」

スプーンを取り出し、美月はムンモンにプリンを食べさせた。

「美味しい!」
「良かった。………でムンモン?だったけ。
デジタルワールドから来たんだよね。」
「そうだよ。
そのデジタルワールドでは今、とんでもないことが起きているの!」

「……とんでもないこと?」

「そう。闇の勢力がデジタルワールドと現実世界、2つの世界を支配しようと
動いているの。
それでボク達、オリンポス12神族が戦っていたんだけど
ロイヤルナイツが介入してきて、皆バラバラになってしまったの………。」
「………ちょい、待ちなさい。
話を聞く限りだと、3つの勢力があるってことなの?」
「うん。美月、理解が早くて助かる。」

「……えーっと、話をまとめると。
闇の勢力が世界を支配しようと動いていて。
それでムンモンのいる勢力がそれを阻止しようとしたわけね。」

「うん。」

「でも、そこに別の勢力……ロイヤルナイツ?が?
入ってきて、皆バラバラになっちゃったってこと?」

「そうだよ。だから、ボク達はパートナーを探しに現実世界にやってきたの。」

「………そっか。それで、私が選ばれたってこと?」

「うん。」
「相当切羽詰まった状況になっているのね。」
「……うん。」
「それで、私はどうすればいいの?」
「手伝ってくれるの?」
「だって選ばれてしまった以上、仕方がないじゃない。
それにそもそも学校行っていないから、やることなくてさ。」
「ありがとう、美月!」

自室に戻った美月はムンモンを膝に抱えた。

「で、最初はどうすればいいの?デジタルワールドに行けばいいの?」
「うん。ボクと一緒にデジタルワールドに行こう!」
「……どうやって?」

「デジヴァイスをパソコンにかざしてデジタルゲートオープン!って叫んで。
そうしたら行くことができるよ。」
「デジヴァイスって、これのこと?」
床に落ちていた機械……デジヴァイスを拾うと、ムンモンはうんと頷いた。


「わかった。………デジタルゲート、オープン!」


するとパソコンの画面が輝きだし、美月とムンモンは吸い込まれるようにして消えて行った。

続く。

ACT1-(1)

「………美月?」
「……嫌よ。学校には行かない。早く仕事に行けば?」
「……そう。じゃあ、行ってくるわね。」

部屋の前にいた母親の気配が消えると、美月はため息をついた。

「………大体、私立か市立の学校に行かせるかでパパと喧嘩するなって話よね。
私の意見無視してさ。」

部屋の中で1人、そう呟きながら美月はパソコンを起動させた。

「………さーて、と。今日は確か新作ゲームの発売日だったよね………。」

キーボードを叩いていると、1通のメールが届いた。

「………ん?何これ??」

差出人不明のメールが届いたので、美月はそれを開いた。


「………『おめでとうございます。貴女は選ばれました。
つきましては、デジヴァイスとデジモンをお送りいたします。』………何?
悪戯メールか何か?」

美月がメールを消去しようと、クリックしたその時。
パソコンの画面が光り輝いた。
「ま、眩しい………!」
光が消えると画面から、機械とタマゴが飛び出してきた。
「………へ?タマゴ?」
宙に浮いたタマゴが落下したので、美月はそれをキャッチした。
すると、タマゴにヒビが入った。
「………え、え、生まれ………る?」

するとタマゴから、何かが飛び出してきた。

「わっ!」

「初めまして、ボク、ムンモン!デジタルモンスター、略してデジモン!」

「……へ?」
「君がボクのパートナー?」

続く。

プロローグ


デジタルワールド。

ネットワーク上に構築された疑似電脳空間の総称である。
現実世界(リアルワールド)と同様、海や陸地、大気が存在し
ネットワークの進歩に伴い現在進行形で拡大している。


デジタルワールドのすべてを司るとされるホストコンピュータ「イグドラシル」の下
ロイヤルナイツによってデジタルワールドの管理が行われている………。


ACT1-(1)


『………ドダイドス、戦闘不能!ミロカロスの勝ち!
よって勝者、四天王のミツキ!!』

バトルフィールドに実況の声が響く。

戦闘不能になったドダイドスに挑戦者は労いの言葉をかけるとモンスターボールに戻した。

「………さすがミツキちゃん、ミロカロス1体で完封だなんて今日も絶好調だね。」
「………退屈ですか?ヨシキさん。」

ミロカロスに労いの言葉をかけ、フィールドからベンチに戻ったミツキにヨシキは声をかけた。


「最近の挑戦者は弱いね。なかなか俺のところまで来ないよ。
それだけ四天王が強いのもあるけれど。」

「ジム戦とはまた違ったバトルですからね。無理もないですけど。」

「そうだね。」

「…………あ、そういえば。ヒロキが旅立ちの日を迎えるんでしたっけ。」
「そうだねえ……。
もうそんな時期になるのか。早いな。」
「はい。そうですね。」

チャンピオンリーグから、自宅に戻った2人をピカチュウが出迎えた。


「ピカピ、ピカチュ、ピカピカ!」

「ただいまー、ピカチュウ!」

「あ、お帰りなさい。父さん、母さん。ご飯の準備、できてるよ。」


キッチンからヒロキがひょい、と顔を出した。

「うーん、良い匂い。今日はシチュー?」
「うん、ビーフシチューにしてみました。
父さんと母さんの大好物。」

「わぁ、嬉しいなぁ。」
食卓に座り、3人は遅めの夕食を取った。


「……そういえば、そろそろ明日か。」

「うん。明日。」

「旅立ちの日は早いものね、ヒロキ。」
「寂しいな。」


「でも、俺の目標は父さんと母さんに勝つことだから。
子供のうちに旅をしていた方が良いと思うんだ。」


「……そっか。」

「強くなったヒロキとバトルをするのが楽しみだな。」

「えへへ。」


ヨシキに頭を撫でられて、ヒロキは笑みを浮かべた。



続く。

プロローグ


ポケットモンスター、縮めてポケモン。
この星の不思議な不思議な生き物。

海に森に町に。
その種類は100,200,300。


いや、それ以上かもしれない。



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