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さもありなんと

建物の出来ていく様子を見るのが好きだ。

骨組みだけの廃墟みたいな状態から、壁ができて、外側のネットや足場が撤去されて、作業の様子が見えなくなって。ガラスが張られることで壁の穴が大きな窓だったことを知り、過程を見てきたことでその建物をわかっている気分になれる。

昼休みはほとんどいつも、自席で作業をしながら片手で食べられるものを摂っているけれど、状況によってはコンビニのイートインを使っていた。そこの外に面した席に座ると、建設中のビルが一面に見えたのだ。

そんな文字通り建設的な仕事を観察した後、わたしは自分の仕事に戻る。

そうすると殊更、なにかとても、意味のないことをしているような気分になった。

自分のやる事に、自信が無いからだろうか。
たとえさっきまで眺めていた仕事についていたとしても、きっとそれは変わらない。自分がすることではないから、素敵なことに見える。
隣の芝生は青い。
そういうことかもしれなかった。

この行為も同じだ。
自分のおもいが、言葉が、すべてを貶める。
そんな気になる。


少し前から、そこに行くことはなくなった。
もしかするとその建物は完成しているかもしれないけれど、それを見ることももう無い。

わたしの仕事は、まだ終わっていない。
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