屋敷にどうやって帰ったのか覚えていない。覚えていたのは、おじいちゃんが眠るのを我慢して私の帰りを待って疲れていた顔だけ。

「言いたいことは、分かるよね」

「うん」

「心配したじゃないか!〇〇ちゃん。夜は、一人で街を出歩くと変なのが来るから気をつけなさいとあれほど…」

「ごめんなさいおじいちゃん」

「って血が出ている!」

「うん。ちょっとペリカンに突かれたんだ」

そのあとおじいちゃんが手当をしてくれた。すごく眠い。ベスターは、屋敷に戻る前からくぅーくぅー眠っていた。もちろん子猫の姿で。華やかな誕生日パーティーから一転してなんだか疲れちゃった。バイオリンの演奏に成功した達成感が思い出せないくらい。

そのままベッドに倒れて私は、シーツもかけず眠りこけた。

「リボーンスクアーロを連れてきてくれてありがとう」

「9代目そいつは、何者ですか。」

「なぁ。あんた先のコウモリとペリカンは、なんだったのな。何処から来たのな。」

獄寺は、9代目にスクアーロのことを質問したり 山本は、スクアーロに「餓獣(がじゅう)」の説明を求めた。

「安心しろ獄寺。先の「餓鬼(がじゅう)は、ボンゴレの屋敷に入ってこれねぇ。明日俺が説明してやる。今は、寝ろ」

リボーンさんがそう言うなら。山本は、欠伸をした。今日は、忙しかった〇〇様の七回目の誕生日パーティーの準備をしてでも一番忙しいのは、変な男とアルコバーレノのリボーンさんがボンゴレに来たこと。

「なぁなぁ獄寺。あいつは、何だ。スクアーロの知り合いか?」

「野球バカが。あの方はリボーン。ボンゴレの街の護り神様であり天界の七人の神様だ」

「あいつが?のわりには、小さくねぇか?」

「ばかか!!あれだ生きている人間に見えるように仮の姿を変えてんだ!!」

ボンゴレの街の子供なら母親や父親が子守唄がわりに聞かせる物語の登場人物。街に異変が起これば、天界の英雄を率いて街に降り立ち悪い奴から街を護ったり。または天界に敬意を払う者の家族には幸運を分け与え王様になったりした家もあるお話を子供に聞かせる。

「ねぇねぇアルコバレーノってどんな姿」

「赤ちゃんの姿よ。隣の奥さんの抱いている赤ちゃんは、実は、アルコバレーノで奥さんは、天界の英雄様が人間に化けた姿をみたのよ。もちろん誰にも言っちゃだめよ。アルコバレーノに神隠しされるから」

時々そんな話しでアルコバレーノは、悪戯する妖精扱いだったり。神話になったり。幸運のお伽話しになったりする。

リボーンさんが白髪の野蛮人と一緒にボンゴレの街に降りてきたってことは「餓獣(がじゅう)」と関係があるのかもしれない。でもリボーンさんも白髪も客室に泊まり眠ってしまっているから聞こうにも聞けない。今出来ることと言えば

「ねむぃ…」

寝ることだけ。眠い身体を引きずり寝室に脚を運んだ。もう眠ってしまおぅ。今疲れた身体に欲しいのは、睡眠だけ。

続く。