ドラゴンスレイアー2

続き。

初めて来た白夜王国。「炎の広場」を見てシノノメは思ったひどい荒れようだ。桜の並木道が崩れ。石畳はえぐられていた。これをやったのは討伐する賊じゃない。女王ミコトを死に追いやった犯人がやったことだ。討伐する賊の中に犯人がいないか見た。暗夜の賊とノスフェラストしかいなかった。

「あきらめない!」

「道を開けて!」

カンナが剣で。カナは竜になってノスフェラストを凪ぎ払った。

「ふんっ!」

暗夜の賊を倒すと防陣を組んでいたメイドが逃げた。

「カンナ!カナ俺は、メイドを追う!」

「わかった!」

「シノノメお兄ちゃん無理はしないで!」

メイドが窓ガラスを割ると店の中に逃げた。シノノメも追いかける。店には人がいなかった。店の中は荒らされていた。賊が金になるものでも盗ったのだろう。食器も少ない。皿は床に落ちていた。

「賊もうにげられねぇぜ。」

「色男に追いかけられて私は罪の女ねー。でもただでは殺られない。」

メイドが銀の暗器を構える。シノノメも。

「奥義!」

メイドの懐に入ると槍で薙ぎ倒した。カランっと暗器が床に落ちてメイドが倒れた。

「ぜぇぜぇ。」

息をしていた。急所ずらしたのだろう。しぶといとおもった。もう一度槍でー

「うわぁぁぁぁ!?」

「!!ぐっ!」

後ろから敵の伏兵の侍がシノノメの肩を切りかかった。かすり傷をつけられた。すんでのところシノノメはかわしメイドから距離をとった。

「伏兵かっ!?ぐぅぅ!」

かすり傷から痺れるような痛みが走った。

「うへ‥‥うへへ‥‥きぇー!」

「ぐっ。」

侍のもつ刀は白夜式の刀じゃない。キザキザで竜の鱗らしい飾りがある剣を振り回しシノノメを斬りつけた。槍では強いシノノメが剣に押されている。
斬られたところから血が垂れた。傷がじんじんと痛む。

「くそ!」

剣士を倒そうと槍を振ろうとした次の瞬間。ざくっ。

シノノメの肩に銀の暗器が食い込んだ。

「形勢逆転!あんたを縛って闇市に売り飛ばす!」

虫の息をしていたメイドの体力が戻りシノノメを押さえつける。相手は経験の少ない侍。強さならシノノメの方が上だ。だけどシノノメは侍のもつ剣に押されている。侍の剣を叩きつけて無力化しようと突っ込むもメイドが邪魔をしてくる。

ザクッ!脇腹が熱くなった。銀の暗器がシノノメに突き刺されたのだ。悔しい。槍は剣に強いから槍の道を突き進んだシノノメが剣に負けた。ただの飾りの刀をかするだけで焼けたような痛みに襲われ敵に逆転させてしまった。身体全体が痛い。目の前が暗くなっていた。

バシャ。水の音が聞こえた。

「ーー!」

何も聞こえない。もう見えない。

続く。







ドラゴンスレイヤー

このお話にドラコン特効の話が出ます。シノノメの母親はカムイです。カンナ♂♀は双子として出ています。


「白夜王国のことが聞きたいのか。」

「うん。お父さんとお母さんの故郷教えて。」

「穏やかで自然に囲まれた暖かい王国だ。亡きミコト女王はたくさんの国民達に慕われていた。国民達は穏やかで礼節を重んじる笑顔が絶えないでいた。」

「今は戦争中で父さんはまだ王位をついでないだろう。」

「もうすでにお父さんおーさまになってもおかしくないのに?」

「落ち着いてから王位は亡き女王ミコトから譲り受ける。だから今はまだ白夜王国第一王子だ。」

胸に拳を当てて話すリョウマ。カナはノートを出して書き出した。

「なぁ父さん。父さんの父さんと母さんの母さんはどうして亡くなった?」

「暗夜王国が白夜国王を謀った。その際にカムイは拐われ。次は暗夜王国がカムイに爆発を持たせ白夜王国にいる女王ミコトを暗殺させる駒として利用した。」

「フムフム。ねぇ爆発物ならお母さん巻き添えくらっていたよね。どうやって生還したの?」

「爆発物は剣なんだ。カムイは女王に手をかけていない。殺したのはフードを深く被った不気味な人物だ。剣がフードの人の所へひとりでに飛んだ。剣が爆発したことで白夜国民が死に。剣の破片からカムイを守ろうとしたミコトはフードの男に殺された。」

「そいつ見つかったのか?」

「まるで手がかりがない。指名手配をして情報集めをしてもだ。ところでカナ何を書いている。」

「これはね旅行リスト。行きたい所のことについて書いているの。」

「僕はカナと過ごす時間が長かったけど家族揃って過ごす時間が少なかったよね。だからお父さんから見た白夜王国はどんなところか聞いてみたくて。」


「すまない。そうとは知らず後味の悪い話をしてしまった。」

「いや。戦争の始まりが知れて収穫があったぜ。白夜王国国王に必要な資格のことも少しは聞けたことだ。」

リョウマの子供達は生まれてこのかた白夜王国に行ったことがない。自分で秘境に出る前までシノノメ自身が白夜王国の次期国王の子供であることも知らないでいた。カンナもカナも秘境が白夜王国と似た土地しか知らない。

「なぁシノノメ。白夜王国は一年通すと見頃になる場所を知っているぞ。俺と練り歩いてみないか。」

「いいのか?父さん」

「あぁ。ぜひとも親子で過ごす時間を作らせてほしい。白夜王国国民に俺の子供である紹介を兼ねてシノノメにもカンナにもカナ白夜王国の良いところを見せたい。」

「僕もカナもいっしょでいいの?」

「あぁいいぞ。」

「「やったー!」」

双子は手をとると跳び跳ねた。幼い双子の喜ぶ姿を見てリョウマは嬉しさがこみ上げた。

「リョウマ様!」

「おわ!サイゾウ。」

「さーいーぞーぅだ。」

「チッ。間抜けな呼ぶかたをするな。忍びの登場にいい加減驚くな。リョウマ様白夜王国の広場に賊が勢力拡大しようと数が増えております。すぐに戦闘に参戦してください!」

「わかった。今行こう。」

「父さん俺も行くぜ!」

「お父さん僕も行く!」

「私も!」

「では集合場所でお待ちしております。」

すぐにサイゾウが姿を消した。

「白夜王国を守ってみせるぜ!」

メンバーがリョウマとシノノメとカンナとカナで埋まると白夜王国の広場に向かった。

続く。















アナ雪アイスショー

待ちに待ったアナ雪の舞台がスーパーアリーナで開催。

映画は感動していつか「アナ雪」が舞台化したら観に行きたいという夢がありました。

今日アイスショーという形で叶って嬉しいです(^-^)

娘はお姫様。

リョウマには妹が三人いた。大人しいヒノカ。元気いっぱいのカムイ。産まれたばっかりのサクラ。特にカムイはヒノカとタクミでよく遊ぶことが多い。リョウマと過ごす時間が長いほうでもない。

「リョウマ兄様(にいさま)。お手玉たくさん投げれるようになりましたよ。」

「見せてくれないかカムイ。」

「はい。ひとーめのふたつ」

カムイはお手玉を投げた。歌を終えるまで落とさずに。

「カムイすごいじゃないか。長く投げることが出来ている。」

「本当?じゃリョウマ兄さんカムイに剣道教えてくれるよね。」

「?」

「あー!リョウマ兄様忘れてる。お手玉は武術の稽古になるから長く投げることができたら剣道教えるってカムイに約束したじゃない。」

ぷぅーとむくれるカムイ。少し思いだそうとした。竹刀の素振りをしているところを見たカムイが自分もやりたいと言ってきた。そのあとヒノカに止められた。きずつけることをやめなさいと。そこでリョウマがカムイにお手玉をあげた。お手玉は反射神経と動体視力が鍛えられるからと。

「思い出した。ではカムイ走り込みから始めよう。」

「走るの?どうして?」

「稽古には体力が必要なことだ。それには走って持久力を」

「兄様(あにさま)なりません!」

兄妹の間からピンクの袖をひらつかせながらヒノカが割って入ってきた。

「カムイに怪我をして痕を残らせたらどうするのです!カムイも自分で危ないことをしない!」

「ヒノカ姉様(ねえさま)ダメなの?」

「女の子に武器を持つことはもっての他です!武器は男の子が持っていればいいのです。さぁカムイあっちでままごとしましょ。今日はカムイに好きな役をやってもいいのですよ。」

ヒノカがカムイの手を引くもすぐにカムイは手をほどいた。

「やだ。今日はリョウマ兄様と剣道がしたい。」

リョウマの手を握りしめてヒノカに言うカムイ。

「カムイどうして男の子のような危ないことをしようとするのです。」

「リョウマ兄様と剣道しないと過ごす時間がとれないからです。」

ヒノカは苦い顔をしたものの表情を戻した。

「わかりました。カムイは今日は兄様(あにさま)と剣道してもいいですよ。ただし私も近くにいましょ。怪我したときに手当てが出来るように。」

「やったー!ヒノカ姉様大好き!」

ヒノカに抱きつき。次にリョウマに抱きついた。ゆるふわな銀髪をゆらしながら笑うカムイに愛しくなり抱き上げた。

「カムイは俺とヒノカどっちが好きだ?」

おしとやかでお姫様らしいヒノカ。女の子の遊びをたくさん知っている。人形遊ぶ。まりつき。花冠作り。おしゃれ。それが楽しいからカムイはヒノカと過ごすことが多い。

「リョウマ兄様。」

ほらヒノカと答えあれ?今なんて言った。

「リョウマ兄様大好き。カムイはリョウマの兄様のお嫁さんになる。」

嬉しい。すごく嬉しいことを言ってくれる。返事を考えてカムイに応えようとした。



















「‥‥さ‥ん。お父さん。」

「‥‥カムイ」

「お母さんじゃないよ。カンナだよ。お父さんの娘のカ・ン・ナ。」

赤い着物を着てゆるふわに髪をおろし横に髪飾りをつけた愛娘がリョウマの上に乗っていた。まわりはいつものツリーハウスの部屋。どうやらリョウマは夢を見ていた。小さい頃の夢を。

「カンナかわいいくなったな。まるでお姫様だ。」

「えへへ。白夜の姫らしい?」

「とっても可愛いぞ。」

「ヒノカお姉さんとオボロお姉さんが見立ててくれたの。お父さんが誉めていたことを聞いたら二人とも喜ぶね。」

カンナが無邪気に笑う。小さい頃のカムイと瓜二つの笑顔がリョウマの心を満たしてくれた。


終わり。






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お父さんはお兄さん?

「シノノメ買い物に付き合ってくれてありがとうございます。」

「僕だけでも買い物に行けたのにー。」

「持ってない物子供が持ったら運べないだろう。俺のような腕自慢に任せるものだぜ。」

力自慢のシノノメの腕には四つも荷物を持っていた。カムイの方は二つ。幼いカンナは両手で小さな袋四つ持っていた。

「あっ。団子だ。」

「カンナ食べたいのですか?」

「うん。」

「シノノメ。あそこで休憩しましょ。おやつ時間です。」

「母さん食べたいだけだろう。カンナは甘い物が好きだな。」

「バレましたか。」

「いらっしゃいませ。3名様ですか?」

「はい。」

「ご案内いたします。」

席を案内され座るとカムイはススメのメニューを尋ねた。

「今日は芋羊羮が美味しいです。組合せにほうじ茶がいい味です。」

「それでは芋羊羮三つとほうじ茶三つでお願いします。」

「かしこまりました。」

店員が厨房に入っていた。

「シノノメは力があったんだね。荷物四つ顔色変えずに持っていたもん。」

「力仕事は俺の得意分野だ。槍のに必要な運動神経をで鍛えいるうちに腕が強くなれた。」

「槍は筋肉全体に使いますものね。柄を振り回すのも。突き上げるのも。」

「僕も槍とか学んでみようかな。」

「よせカンナ学んだことも一からやり直しになるぜ。剣の訓練も。竜になるのもやめて槍だけの訓練だぜ。」

「うっ。でも槍だからこそ使える決め技があるんでしょ。」

「破天の技は、続けていたから習得できた技だ。学んだからって言ってすぐに身に付けられるもんじゃない。」

破天。槍を扱うものにとっての奥義。守備の固い鎧騎士にも。ドラゴンキラーなしで竜騎士にも仕留められる技は一朝一夕で出来るものじゃない。

「武器の1つ1つには長所と短所がある。たとえば槍は剣と魔法と手裏剣に対して強い。槍の一振りは時に守りにも攻撃にもなる。柄が細い槍に対して強い武器は二つ。一つは大きな武器の斧。もう一つは遠距離で命中する弓には対応しづらいだ。」

「どうして?」

「カンナ走っている時足を足でひっかかれるとどうなる?」

「転ぶ。」

「そう槍は足のようなもの。両腕で持つ武器。片手を離して振り回す時は隙が多くなるもんだ。何処で飛ぶか分からない矢では槍では防ぎにくいだ。カンナは竜に変身している時はどうだ?」

「全身が武器になった感じがする。体当たりしても痛くない。」

「カンナは希な竜に変身能力がある。特攻武器に当たらなければその他の武器には強い。」

「本当?」

「おぅよ!カンナはカンナの長所を生かせばいいだ。」

「僕続けみよう。剣も竜になれることも。」

「シノノメ変わりましたね。少し前まで単騎で初めて戦場に飛び出していたのに。」

「母さんよせよカンナにその話はよ。」

恨めしそうにカムイに話すシノノメ。

「シノノメ僕よりも戦場に出ていたの?聞かせてよ。」

カンナのキラキラした目線が痛い。

「それは今度教えてあげる。」

「お待たせしました。芋羊羮三つとほうじ茶三つです。」

店員が注文した物を目線に置いた。

「本日家族デーでお客さまのなかで子供連れたお子さまに白玉あんこをサービスです。」

カンナの目の前で白玉あんこが置かれた。

「よかったね。カンナ甘い物二つも食べられて。」

「‥‥‥」

「カンナ?」

「店員さんもう1つ足りない。」

「えっ?他のお子さまがいらしゃいますか?」

「うん。シノむぐっ。「この子数字が数えられないだ。」

店員が少し納得した顔になった。

「どうぞごゆっくりとお召し上がりください。」

一礼して厨房に戻っていた。

「シノノメなにするのさー。シノノメもお母さんの子供なのにー。」

「いいだよ。俺は子供の年齢を越しているから白玉あんこのサービスはいらない。それはカンナが食え。」

店員から見たら家族に見えたのだろう。カムイとシノノメが並んで夫婦に。カンナは息子に間違えられたのだ。

会計を済まして荷物を運んで歩いていると。

「おやおや。お父さん買い物の手伝いかぃ。うちの亭主もやってほしいものだね。」

知らないおばさんにシノノメのことを「お父さん」と言ってきた。少しグサッと刺された。

「おばさん違うよ。シノノメは僕のお兄ちゃんで。お母さんの子供だよ。」

「えぇ!?」

「カンナやめてくれ。年齢偽装になっちまう。」

終わりー。

















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