父上の苦手な物。

秘境でジークベルトがマークスの前の臣下二人と会うというありえないお話です。ジークベルトは、自分の祖父のガロン王が嫌いになっています。

とある秘境。ジークベルトは、四人の同い年の子供とかくれんぼうの鬼をしていた。集合場所に見つけた四人を集め手のひらから鉱石の石を見せる。

「ルビー、エメラルド、サファイア、トパーズ見つけーた。」

鬼役が120数えている間にかくれぼうする役が鉱石を隠す。鬼が鉱石を探しながら鉱石を持っていた子供に宝石の名前で呼ぶ。ルビーを持っていた子供は、ルビーの鉱石を見せて「ルビーみーつけて」っていう。いわゆる「たから探しゲーム」と「かくれぼう」をまぜて遊ぶゲーム。鉱石が見つからなければ見つけた子を集合場所に集めるというルールが入っている。


「ジークかくれぼうの鬼が上手いよね」

「絶対分からない所へ隠すのに鉱石見つけるのはやい。」

「シェイドがぼーとして忘れているだけじゃない」

「失礼な!」

「次は、ジークが隠れる番だよー。はいルビーあげるー」

鬼をやるマリナがジークベルトにルビーを渡す。

「ジークわかりやすいところへ隠れてよー。」

「かくれんぼうにならないぞ」

「ジークかくれるのへただからすぐ見つかるよ。」

「パリス大丈夫だ。私は、見つからない。」

「鉱石わかりやすいところへおいてね。いーち。にーぃ。」


ルビーを隠しジークベルトは、四つん這で入れる穴の開いた建物に隠れる。絶対に見つかりづらい場所だ。ルビーをわかりやすい所へ隠して素通りしやすい穴場の中をじーとすれば、ジークベルトの一人勝ち。

外で雨が降る音が聞こえた。秘境は、沼地が多くて湿気がひどい。雨が降れば、外で遊ぶのは、おしまいにしてお家に帰ると親から教わている。「たから探し」に使っていたルビーを持って集合場所に戻ろうとジークベルトが歩く。晴れたら、また外で友達と遊べばいい。雨がひどくなり走って集合場所に戻ろうとしてぬかるみのある土に足を取られジークベルトは、転んだ。その拍子にルビーが泥に落ちてしまった。

「いけない。ルビー、ルビー。」

泥の中のルビーを取りだしぱっと指で泥を払った。

「ジーク。また遊ぼうねー。」

大急ぎで家に帰る四人と別れてジークベルトも世話係のいる家へ走って帰る。

前から大人が二人いた。

「子供我らを泊めてくれないか。」

一人がジークベルトに声をかけた。二人の大人は、ずぶ濡れで家に帰る途中のジークベルトは、ふたつ返事で泊まることにした。


「ジークベルト様お帰りなさませ。あれその二人は、どうしたのです。」

「ミン二人を泊めてくれるか。服と暖かい飲み物を二人に出してくれ。」

大人の二人の身なりから暗夜の紋章が目につき騎士だとジークベルトは、推測した。

「君らは、暗夜の者らしいね。何処から秘境に来た。」

「我らは、白夜からマークス様を探しにあるいているうちに気づけばここに」

「マークスっていうのは、僕の父上です。」

大人二人の目がかっと開いた。

「マークス様の子息なのですか?いつの間に!!証明するものがありますか!」

「これは、私が生まれたときに父上が王族の印にくれた紋章。父上は、暗夜王国の第一王子にして最強の騎士。」

「あぁ。確かに暗夜王国の紋章が。」

「信じてくれたかい。」

もう一人の男がジークベルトをじーと見た。

「マークス様が小さくなられたと思っていました。マークス様は、どうしているのですか?白夜は、侵略出来たのですか?」

ジークベルトの肩をがしっと掴まれた。

「侵略??今は、白夜と共同しているよ。なんでも元凶を倒すためだと聞かされている。あなたたちは、マークス様の臣下と聞いているけど名前は?僕は、ジークベルト」

「ダディ」

「ジャンです。ジークベルト様ここは、何処なのですか。マークス様は、何故いないのですか。」

「ここは、時間の流れが違う世界秘境だ。親たちは、生まれた子供を秘境にあずけて時々会いにくる。」

「おとぎ話の世界に来た気分だ。」

ダディが頭を捻る。

「父上には、今は、ピエリねえさんとラズワルドにいさんを臣下にしているよ。ジャン達は、どうやって秘境に来れたんだい。」

「覚えてない。」

「えっ?」

「白夜兵の不意打ちからマークス様を庇ったところまでは、覚えているのに。気がつけば秘境に来てジークベルト様に家に入ったことだけしか。」

ダディが分析するものの肝心の秘境に来れた理由が曖昧で覚えていない。

「ジークベルト様夕飯の時間です。」

「ゆっくり過ごせば思い出すじゃないか。さっさっご飯にしよう二人共今夜は、父上のことを聞かせてくれないか」

「ごちそうになろう」


寝る支度が済めばすぐに眠らずマークスの臣下の話が聞きたくなった。ジャンとダディは、マークスが生まれ頃から世話をしていた。父上は、今の貫禄がありながらの小さい頃は、臆病で人見知りがひどかった。父上の母上に睡蓮の花をあげたくて池に落ちてから水が苦手となりかなづちになったり。


「面白い話がガロン王様は、人見知りがひどいマークス様に予約した花束を取りに行くようにおつかいを頼まれたことです。ひとの多い所と知らない所へ行くのが怖かったマークス様は、やっと花束をガロン王様に渡してからむくれていたのです。何故だと思いますか?」

「お爺様から苦手なことをおしつけられたから?」

「いいえ。ガロン王様がマークス様にエスカリーナ様との結婚記念日のことを教えなかったからなのです。ガロン王様は、エスカリーナ様に結婚記念日の花束を渡せたがマークス様は、母にあげるプレゼントが用意が出来ないことでむくれていたのです。」

「あのときのマークス様の悔しがた顔は。クッキー作ってエスカリーナ様にプレゼントしたことで落ち着ついた。マークス様は、結婚記念日が近くなると次のプレゼントのことを5日も考えて我らを連れて人見知りを克服しながら街へ買い物をするようになったものだ。」

「父上の母上がいたから父上も産まれて私も産まれた。会ってみたいなー」

「ジークベルト様は、暗夜のことを知らんのか。」

「うん。秘境には、出ないし。父上とは、会う時間も少ないから暗夜のことは、知らない。」

「では、暗夜の王族の子息には、耳のいたいお話をしましょ。エスカリーナ様は、マークス様が十にならないうちに亡くなりました。ガロン王様は、愛妻を亡くした哀しみから二度と側室を作らないと何人の妾からも血縁上の子息も令嬢にも距離を置いて過ごしておりました。いたはずが身分の分からない怪しい女と連れ子を自分の妃としてマークス様の二番目の妹として迎えて再婚すると公式で発表したのです。」


「えぇー。お爺様早い。」

「その頃からエスカリーナ様を支持する派閥がつよく新しい妃と連れ子は疎まれ。妾にも子弟も嫉妬から虐げたのです。マークス様は、ガロン王様の再婚したときは、ひどく不機嫌でした。その名残があの眉間の皺なのです。」

「大好きな人に裏切られた父上可愛そうに。」

ジークベルトの中のガロン王のイメージが愛妻家で家族思いのある人から浮気癖がひどい人でなしへ変わった。

「何人の側室って言うのは」

「ほとんど王家の権力欲しさでガロン王の子供を産んだ貴族達です。エスカリーナ様と再婚した女は、気品もあり美しいと評判でしたが再婚した女は、すぐに亡くなってしまいました。奇妙なことに遺体もない状態で。ガロン王様は、時を同じく悪政ををする暴君になられ他国に戦争を仕掛け無理矢理支配領土を奪うようになったのです。一番ひどかったのが友好的な白夜王国の王を騙し討ちをして白夜の侵略を始めたことです。白夜の第二王女カムイ様を拐いました。」

「!!!父上は、どうしたのです。自国の祖父のやったこともう聞きたくありませんから。」

「そうでしたね。暗夜は、今は、休戦しているそうですし。では、はっちょって話しますね。暗夜の王城で妾と子息の争いが収まった頃に暗夜の第一王女カミラ様始めレオン様とエリーゼ様がマークス様の腹違いの妹弟として迎え入れられました。連れ子の方は人質の交換条件で白夜に渡しました。マークス様は、神器ジークフリートを片手に暗夜を離れ騎士の修行中で虹の賢者の試練を受け実力を認められたことで「暗夜最強の騎士」称号を得ました。」


「父上はやはりすごい。お爺様は、軽蔑して大嫌いだけど父上は、別だ。」

「ジークベルト様は、マークス様が好きか?」

「はい!私は、父上が大好きです。そうだ。父上が秘境に来るまでダディとジャンは、私のもとへ待っていれば父上に会えるのではないか。しばらくは、秘境で私の先生になってくれないか。」

「ジークベルト様ありがたい言葉を………ッ!?」

ジャンがカップを落とした。ダディは、頭を両手で抑えながら床に倒れた。

「ジャン。ダディ?大丈夫か?」

ジークベルトが近づき目の前で屈む。

「…る……な!」

「薬なら飲め…」

「逃げろ!!」

ザシュ!ジークベルトの手の甲に血が出た。ダディの手に切られたナイフが握られていた。血が垂れる。ダディとジャンが立ち上がると身体が透明になり見えなくなった。ジークベルトは、急いで部屋にたてかけてある剣を握った。人間が透明になることもありえない。先まで父の臣下の騎士が床に倒れる頭痛を起こしジークベルトを攻撃している。今は、気配のする透明を倒さないとまずいと警告している。

身体に切り傷ができる。攻撃しようにも紙切れのようにかわされる。姿が見えるダディを斬る。次は、ジャンを斬る。斬った感触があるのに斬られた方には、血が出ていない。不気味で怖い動けなくなるまで倒せた。


「見事だ。ジークベルト様。我らを解放してくれてありがとう。」

「へ?」

「我らは、元凶に化け物にされた。秘境に通じる水から通されマークス様の子息に巡り会えた。もう少し我らに顔を近くで見せてくれますか?」

「ジャン、ダディ、化け物って父上と会いたいじゃなかったのかい?まるでそれじゃ………」

「ジークベルト様泣いては、いけません。我らは、マークス様の子息のお顔が見えたことで幸福で。マークス様のことが聞けて満足しているのです。」

ジャンは、ジークベルトの頬を撫でた。ジークベルトの顔が仕えていたマークスの顔と重なって見えた。

水が当たる。ジャンとダディの身体が青い水と泡が空中に舞う。

「マークス様に伝えてください。次に墓参りするときは、白夜の野菜と酒と桜を供えて欲しいとダディが言っていたことを。思い詰めることは、半分私が墓で運ぶとも。」

「ジークベルト様どうかマークス様負けないような偉大な王に。我らは、見守っております。」

白夜も暗夜を縛っていた元を断ち解放することを願っています。ジークベルトの頭に響いた言葉が残った。父マークスには、歴史があった。それを教えてくれたのは今にも消える先代の臣下の二人。




「ジークベルト。起きろ。」

「父上?どうしてここに今日は、来ること知らない」

「もう昼間だ。ずいぶん怠け者だな。」

マークスが苦笑いを浮かべる。
部屋を見渡すと血痕のあとがなかった。自分の手の甲も斬られた跡がなかった。

「ジークベルト様起きたのですか?マークス様の昼のご飯の用意ができました。」

「ミン。昨日の二人は、どうした?」

「ジークベルト様昨日は、遊ぶ疲れてそのまま眠りました。誰かいっらしゃたのですか?」

ぐぅぅぅ。

「空腹を解消しよう。それから話を聞こう」

昼ご飯済ましたあとジークベルトは、父に昨日の出来事をひとつひとつずつ話すことにした。マークスは、自分の小さい頃の話を聞いて気恥ずかしくなったり懐かしんだのは、また別の話し。

終われ−−。

後書き

ジークベルトの小さな頃の秘境で体験した出来事でした。
色々捏造しておりますが。

小さい頃のジークベルトなら無邪気だけどしっかりもののイメージがある。父親が恋しい頃に父の前の臣下(透魔兵になりつつもマークスの忠誠心と古風だけが残っている)とありえない邂逅をさせました。書きたかったのは、マークスの幼い頃のことを知っているジャンとダディがジークベルトに話すお話が書けて満足です。では、また機会があればFeifのお話書きます。

ファイアーエムブレムif 番外編 父になる1

ジョーカーと結婚したカムイが初めて身ごもった時のお話。ジョーカーは、少し不安定です。


なぁ。あいつーー家の貴族様のぼっちゃまだったってよ。

ーーーー今じゃ彼奴は、表向き死んだことになってだってよ。

―それじゃ死人の子供に押し付けちゃあう

――いらない子供に利用価値をあたえている俺ら優しい。


―ジョーカーさん貴方とこの子を育ってる自信がなくなりました。別れてくだー。

「うわぁぁぁ!」

「ジョーカーさん!ジョーカーさん!」
目の前に心配した顔をしたカムイがジョーカーを揺すり起こしていた。

「すごい汗です。はい紅茶どうぞ。」
タオルでジョーカーを拭いて紅茶を差し出す。それを飲むと紅茶の濃すぎる味と香りがくちいっぱいに広がり夢を見ていたことがわかる。

「カムイ様紅茶ありがとうございます。少し夢からさめれました。」

「よかった。」
ジョーカーの手を引き妊娠した腹に導いた。長年の思い人と夫婦になって暫くしてジョーカーとカムイの赤ん坊が懐妊した。喜ばしことでもある。同時にジョーカーは、夢でカムイと会うまで暗い過去の夢を見るようになってしまっている。

「ほーらお父さんの手暖かいですよー」

「痛。」

「ジョーカーさんが触れる度にこの子がよく蹴るから産まれてくるのが楽しみです。」

無邪気に笑う妻にジョーカーは、つられて笑う。



しばらくして妻は、子供を生むため秘境で療養することになった。

「はぁ……」

酒に手を伸ばし飲んで眠る。カムイが留守にしている間悪い夢を見ないようにしている。

「ジョーカーわぁ酒臭い!起きろ」

カムイの見舞いに戻ったタクミは、酒瓶を握り眠るジョーカーを揺すり起こした。

「カムイ姉さんがマイルームに来ている」

「…カムイ様!おかえりなさいませ」

カムイの言葉に反応したジョーカーは、酔いから執事スマイルでカムイを探した。

「タクミ様カムイ様は?」

「秘境にいるよ。ヒノカ姉さんとサクラが残ってる。あんたカムイ姉さんがいないからって部屋を散らかすなよ」

マイルームには、カムイの匂いが残る服をベットに敷き詰めて。酒瓶を何本も並べて。ジョーカーが不安さを表していた。

「カムイ姉さんが帰ったら見せられない。」
タクミが部屋を片付けだそうとした。

「タクミ様おやめください!!」

「たったの三分で酒飲むの早い!酔うのも早い!僕は、こっち!!」

マイルームにおいてある獅子舞の布をつかむジョーカーにタクミは、ツッコミをいれた。

「こっち向け。僕は、ここだ。」

首を自分の方に向かせる。

「しっかりしなよ!あんた執事としても戦士としても優秀でもあるのに。こんな姿をカムイ姉さんが見たらどう思うだろうね。あれ寝てる。」

タクミは、ため息をついた。日頃をおちょくるジョーカーにイタズラをしたくなった。ジョーカーの右の頬にいやら執事。左頬にカムイ馬鹿。額に性格悪。唇に紅を塗らせ。熟睡していることが分かると童心にかえり人形遊びを楽しむようにジョーカーの髪をほどきリボンの飾りと花の飾りをつけた。

「どうってことないね!」

口癖を言ってマイルームにある酒瓶を拾い集めてタクミは、退室した。



かー。ジョーカー。起きんか!

頭に拳骨されたような痛みを感じジョーカーは、かばっと起きた。

「ようやく起きたかジョーカー」

「ジジィどうやって異界に入った?それよりなんでジジィがいる?」

「そんなことはどうでもいい。そのだらしなさ情けない!」

「ちっ。無事なら連絡のひとつくらいよこしやがれよな!」

ギュンターに背を向けマイルームから出ようとするも扉が開かない。

「話は、終わってないぞジョーカー」

肩をがしっと捕まれた。

「風の噂で聞いている。カムイ様と結婚してもうすぐ赤ん坊が産まれるそうではないか。」

「ジジイ秘境に行かねぇのか?カムイ様にお祝いしに来いよ。カムイ様が喜ぶだろ。なら案内してやろうか!!」

「ジョーカーよカムイ様が嫌いか?」

「そんなわけねぇだろう。あの方を他の誰かを好きになっても執事として仕えると決めてるだ!!」

「赤ん坊が産まれた瞬間でカムイ様もお前も母親父親になっても。カムイ様を捨てた時は」

「おぃジジイ。カムイ様が母親になっても俺の主であり妻だ!!なんで俺の方から捨てる方になった!!」

頭がかぁとなり暗器でギュンター目掛けて投げる。がっ。暗器がギュンターをすり抜けて床に刺さった。

「血気盛め。」

「ジジイ。お前は、今どこにいる。生きているならなぜカムイ様の元へ戻らないだ。カムイ様の臣下が主から離れるなよ。」

「ジョーカーしっかりしろ。これからカムイ様の家族になる男が老い先短い老いぼれにすがりつくな。私は、もう色々無くされすぎて生きる執念も手元から離れすぎて戻ることは、もうできなくなってる。お前は、私と同じようになっては、いけない。世界でたった一人のカムイ様の夫がそんなことでは、家族が守ることができなくなる 」

ギュンターの手がジョーカーの頭を撫でる。武骨で大きくって安心感が込み上げる。手の感触に違和感を覚えた顔を上げてギュンターを見ると顔が引きつた。ギュンターの身体が透明になってきている。一肌が感じられない手が消えていく。

「なんで……一方的じゃねえか。勝手に消えるな……。行くなギュン……」

てー起きて……ーか…ん。声が聞こえた。
ガッン!

「いつまで寝てるだ!さっさと起きろ」


「ギュンター………。うわ!冷た!」

タクミがジョーカーを蹴り起こし。フェリシアが冷気でジョーカーを覚醒させる。

「目が覚めましたかジョーカーさん。」

「あぁ。」

弟王子夫婦の起こしかたが乱暴でジョーカーは、不満だ。

「姉さんが産まれそうなんだ。早く秘境に行くよ。」

タクミ様に手を引かれ妻のいる秘境へ大急ぎで向かった。
続きを読む

ファイアーエムブレムif番外編 父になる2

「ジョーカーさん!………ジョーカーさん」

「姉様頑張って!!」

二時間も陣痛で苦しむ妻の手をジョーカーは、握る。

「カムイ大丈夫だ!私がついている。頑張れお母様になるだろう!」

「はわわわ。カムイ様呼吸を楽にふーふーふー」

巫女のサクラが祈祷をし。ヒノカが母になる妹に叱咤を。フェリシアがテンパりながら宥める。

「カムイさん大丈夫です!!」

手袋を外した両手で妻の手を包む。

「うぅぅぅぅ!あああああ!!」

「生まれてきてくれ!カムイさんにも俺にも元気な赤ん坊を守ってくれ!家族にさせてくれ!!」

「頭が出てきました。」

おぎゃー。おぎゃー。おぎゃー。


「元気な男の子です。」

産毛が母譲りのしわしわな生まれたてな赤ちゃんをサクラが抱える。

「ジョーカーのように性格が悪くなるなよ。姉さんよく頑張ったね。」

「おめでとうございますカムイ様。」

「お母様になれたなカムイ。」

白夜の姉妹と弟王子夫婦がカムイを労る。


「元気に育ってくれよ。お前は、お父さんの愛しい王女様から生まれた幸運で愛の証なんだぜ」

「ジョーカーさん面白い顔で言うとプクッ」

タクミのイタズラされたメイクを消す時間もなく生まれたてのわが子を抱き上げるジョーカにクスッと笑みをこぼす。

赤ちゃんの名前はディーアと名付けた。

夜に久しぶりに妻と布団を共にした。

「ジョーカーさんの匂い落ち着けます。ジョーカーさんを恋しがらない日はありませんでしたよ。」

「俺も嬉しいです。安全な秘境で添い寝が出来る日がきてくれたことが幸運です。」

タクミ様にイタズラされる以外は。黒いオーラを引っ込める。


「タクミに得意なことがあるのは、新発見でした。」

クソガキです。年下の男を被った風神弓野郎です。カムイさん。

「爆笑するから少し傷つきましたよカムイさん。」

「うふふ。ディーアもお父さんの面白い顔を覚えたじゃないですか。」

無邪気に眠るディーアを抱き締める。

「ジョーカーさん抱き上げてみますか。」

ディーアを両腕で抱き抱える。

「ふぇぇぇ!」

「わわわっ泣くな。ベロベロバー」

ディーアが上半身を反り返る。

「ディーアお父さんですよー。メイク消したから分かんないのかな?」

「カムイさん。俺世界に一人のディーアの父親になったんですね。」

「はい!私も世界に一人のジョーカーの妻でディーアの一人のお母様になりましたー。」

カムイさんがジョーカーに寄りかかる。

「カムイ様寂しかったです。ギュンター来ていたのにいつの間にいなくなりましたし。」

「えっ!ギュンター来ていたのですか?」

「えぇ。お祝いの一つもかけてくれてもよかったのですが」

「ディーア見せたかったな」

何故ギュンターは、星界の城に来れたのか。何故に消えてしまったのかギュンター。カムイ様に父のように慕われたギュンターの意味深の言葉が気になったが今は、妻の温もりを抱いて眠りについた。

結。白夜をベースにしたジョーカーが初めて家族になれた日のお話でした。ギュンターは、白夜じゃ行方不明で最後まで出なかったものの出しました。初めて父になるジョーカーを叱咤させれた。

おまけ

マイルームでタクミは、掃除をしていた。
酒の匂いとカムイの服をシーツのように敷いたのを片付ける。

「タクミ様。私も手伝います。」

「服を畳んで衣装箱に閉まってくれるか」

「はーぃ。あら。床が冷たい。」

「僕が拭くよ。」

フェリシアが服を畳むと酒の匂いが鼻についた。吐き気がした。

「フェリシア大丈夫か?」

「タクミ様大……うっぷ。」

手のひらで口許を抑えた。

「フェリシアほら桶だ。ゆっくりゆっくり吐いて。大丈夫じゃないよね。」

背中を擦り妻が心配になる。この間からフェリシアは、遭遇戦で立ちくらみを起こし賊に襲われかかれた。妻を防衛をしていたから軽傷で済ませた。

「フェリシア昨日すっぱいもの食べてたよね。」

「はい。ひんやりさせて食べました。タクミ様は、服を見立てるのがうまそうでしたね。私にも服を見立ててもいいですか。なるだけ緩くて暖かいのが着たいのですが」


「フェリシアそれは、妊娠したじゃないか。」

「えぇぇぇー。」

サクラの元へ診てもらったら。

「おめでとうございますフェリシアさん。妊娠三ヶ月です。」

フェリシアの近くで吹雪が吹いた。

「冷たい!」

タクミがフェリシアの後ろを抱き締めた。すると吹雪が激しくなった。

「寒い寒いです!」

「すいません。少し感情が高ぶりすぎですよね。少し離れます。」

「仕方ないな君一人で行かせないよ。僕も一緒に行くよ」

医務室から離れ人のいない森へ着くと吹雪が吹き荒れる。

「タクミ様凍えてしまいますよ。お父さんになる前に雪だるまになってしまいます。いった。」

フェリシアにデコピンする。

「大丈夫だよ。僕もフェリシアと喜ぶを共感したい。こうして抱き締めても君の冷たい体温に慣れている」

「私もタクミ様との間に赤ちゃんが出来てうれしいのです。見た目がタクミ様でお父さん大好きな明るい男の子がいいです。」

「フェリシアのように笑顔が多い子供であってもいいよね。お父さんとお母さんどっちが好きになるんだろうね。少し寒くなってきた戻って兄さん達に報せようか。」

「はぁーい。」

吹雪がいつのまに緩みゆっくりと舞い落ちる雪へ変わった。


「父になる2」終わり。






律儀で天然なお兄さん2

オロチが笑えたマークス王子のネタ2


マークスは、耐えていた。

「苦いのーーー。お饅頭美味しいの」

少し行儀が悪いピエリが羨ましいと思えた。

「あのカゲロウさん少し痺れてきたので崩していいですか」

「では、脚を横におろしてみよう」

「ふぅー。椅子なしで座るのは、こたえますよ。足の感覚がなくなって踊れなくなったらどうしよう」

ラズワルドが体勢を崩しこぼした。白夜式のお茶会に参加してみれば座布団というクッションに似たその上で足を曲げて座る正座がマークスにとって痺れるものだった。

「カゲロウ座布団には、レースがないの。みんな同じ色ばっかりなのー」

「同じ色の座布団は、主催者も客人も対等になるものだ。主催者も客人もお互いマナーを守り親睦会をするものだ。」

「お茶会の道具もお菓子も違いがあるのー。」

「故郷でもそれらしい国があることを知ていたけど。白夜に似ているものを体験する日が来るなんてね」

「おぃ。白夜王国の他にもあるのか?」

「知り合いの噂だけだよ。」

「行き方も知らぬのか。」

「うん。遠い遠い離れた場所にあるから


「お前が何処の出もわからない場所を聞いて何処までが本当か知らぬが。見てみたいものだな白夜王国に似ている国へ」

女性でピエリとカゲロウがそれぞれのお茶会の話で花を咲かせ。ラズワルドの脈絡がない国の話に興味を持つサイゾウ。

マークスは、正座で痺れた足を滑らせて転ばないようにゆっくりと崩し立ち上げるタイミングをどうしようとじあんした。転ぶと恥ずかしいし。立ち上げると臣下に気をつかわしてしまう。さてどうしよう。


「少し散歩してこよう。」

リョウマが立ち上げる。正座をするお茶会に慣れているのかいつも通り涼しい顔をしている。

「マークス痺れが取れたら来てくれるか。お茶の道具を運ぶのに猫の手がほしい。」

「いいだろう。」

「ねぇカゲロウ。ピエリも歩きたいのー。正座で少し変なのー」

「ピエリは、我慢強く偉かったぞ。」

「えへへー。カゲロウが褒められるとピエリ大人に近づいてるのかもー。」

痺れが取れた足で微笑ましいやり取りから離れてリョウマとお茶の道具を取りに行った。


「初めての割によく正座した。」

「白夜式のお茶会は、悪くないが正座苦しかった。」

お茶の道具が入っている倉庫へ離れる。

「おい。だいぶ離れているぞ。川を沿う所へ来てる。」

「あれは、嘘だ。何時間も正座を我慢する会でもない。そろそろだ」

開けた場所に行けば流れる川の下に岩に囲まれため池があった。リョウマが草履を脱ぐと溜め池に足を浸した。

「マークスもどうだ。ちょうど気温もいい。川の水で足だけでも気持ちいいー」

リョウマの言われた通りに真似をして着物が濡れないように足を溜め池に浸かった。
水の冷たさ。溜め池の底に沈んでいる小石がマークスの足を解していく。

「なかなかいい。」

暖かい日差しの下の水浴びが心地好い。マークスが片足を上げると水が跳ねた。戻すと池が表面に揺らめいた。


「生き物は、水に浸ると落ち着けるものだ。王族も。民も。動物も。」

白夜の王子リョウマの言葉がマークスの心を染み込ませる。

「リョウマ王子の忠臣で似ている人が二人いたことを私は、覚えているぞ。」

「どんな人物だった。絵心があったか?どっちらが真面目だ。」

「さぁ。どっちらが「マークス様来ていたのですかー」

「綺麗なところなのー。」

「リョウマ様。我らも失礼します」

割り込んだラズワルド。次にピエリが忍の臣下と水浴びに来た。

「ひんやりして気持ちがいいのー。」

「着物が濡れるぞ。留め具でもしていろ」

「ありがとなのーカゲロウ。次のお茶会カゲロウもしない。ピエリがおもてなししたいのー」

「それは、たのしみだ参加させてほしい。」

「うん。ピエリ張り切ってお菓子作って声をかけるのよ」

大人の女性カゲロウに懐くピエリの子供のような無邪気さにリョウマは、和んだ。
マークスの前の臣下は、自分の臣下に似ていることがきになったが今は、戦を忘れて親睦を深めて過ごせばいいと思えた。
続きを読む

律儀で天然なお兄さん

前置き。マークス兄さんがメインです。最初のプレイで白夜よりも暗夜の本体買えばよかったなと思えたのです。リョウマ兄さんよりもマークス兄さんが色っぽい天然なところが好き。

オロチが笑えたネタのお話を始めます。



とある秘境で両国の第一王子と護衛でオロチが歩いていた。

「サイラスいるか」

「リョウマ様遠いところからよくきましたね。」

「リョウマ兄様いっらしゃい。」

サクラが赤ん坊を抱き抱えて出迎えた。

「ゾフィーと言うのです。リョウマ兄様抱いてみてください。」

サイラスに似た癖毛の赤ちゃんをリョウマが抱き抱えた。ゾフィーは、すぅーすぅーと寝息をたてた。

「サクラそろそろ昼寝をしないか。ゾフィーは、俺が見るから」

サクラが寝室に入った。ゾフィーは、目をさましリョウマにあーあーとてを伸ばす。

「ふむふむ。たまのようなおなごじゃ。」

「マークス様もゾフィーを抱いてみますか」

リョウマがゾフィーをマークスにさしだす。ぺちぺちと鎧を叩くゾフィー。

「コラコラかたいぞ。」

困ったように笑う自国の王子の顔は、優しい眼をしていた。

「マークス様。お願いがあります。」

「なんだ。」

「新しい馬を見せて欲しいのです。秘境にいる間ゾフィーの近くで一緒に育つ馬を譲り受けたいのです。」

「わかった近いうちに連れて行かせよう。ただし連れていっていいのは、生後の3ヶ月の馬だ。」

「ありがとうございます。」

サイラスの顔がぱあぁと明るくなった。

「マークス様わらわも馬をみてもよいか」

「構わんよ。白夜式の面白い文化を教えてくれ」

「任せるがよい。馬の代わりに乗れる物を見せようぞ。リョウマ様笑い話を探しにいってこようぞ」

「うむ。」

ゾフィーがぐずりだした。

「ゾフィーミルクだ。」

顔を背けた。

「眠いのやもしれんぞ。」

「そうかでは、子守唄でも歌おうか」

マークスが息を吸い込む。

「ねーむれ、ねーむれ!」

音程を外した大声な子守唄が家に響いた。サイラスは、耳がとがった。リョウマは、耳を塞いだ。

「びぇぇぇぇぇん」

ゾフィーが眠るどころかマークスの子守唄よりも大声で泣き出した。

「むっ。何故だ。」

「マークス様ゾフィーを」

マークスの腕からゾフィーを抱き上げる。

「びぇぇぇぇぇん」

サイラスがあやすとゾフィーがくずりながら眠った。

オロチが布団を出しに戻ってきた。

「マークス様そっちは……ククク。歌が苦手では、ないのか」

「あぁ。エリーゼが赤ん坊の頃子守唄を歌ってあげたら泣き出してな。カミラの子守唄でぐっすり眠っていた。」

サイラスは、寝息をたてるゾフィーにほっとしながら自国の第一王子マークスの欠点を知った今日頃ごろ。

オロチがマークスの笑える話1

マークス王子様は、歌が苦手。赤ん坊も起き出すほど音痴。カミラ王女様の方が歌が上手い。


前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2015年12月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
アーカイブ