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どれだけ僕があなたを愛していたか、僕はあなたを喪って、初めて思い知る(高速エイジ/彩→雨)



儚い夢と知っていて。

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見つめてるだけで幸せでした。あなたが嬉しそうに笑うと、世界が彩り鮮やかに、僕に笑いかける気がしました。



『彩花』



あなたが呼ぶ名前が僕の全てで、その言葉ひとつだけで、あの狭い鳥籠の中も、気になりませんでした。



『おはよう、彩花。怖い夢でも見たの?』



だからあの時、この手が届かなくて、どれほど絶望したか。小さくなるあなたの姿に、世界が崩れる音が聞こえました。



『怖い、夢…?』
『うん、だって…すごく悲しそうな顔してる』



なのに今、あなたは目の前で僕に笑いかける。いつもと変わらない、僕の好きな笑顔で。



『そっか、夢…』
『彩花?』



まぁるい頬に、ふわふわの蜂蜜色の髪に、お揃いの瞳。心配そうに見つめる仕草、空気みんな。僕の知ってるあなた。



『怖い夢だったよ。すごく』



あなたがいなくなってからの、冷たい世界の姿。埋まらない心の穴。掠めることもできなかった、伸ばした腕。これだけ鮮明でも、あなたが怖い夢だと、僕に聞くなら、きっとあれが夢なのでしょう。



『大丈夫、彩花?そんなに怖い夢だったの』
『もう大丈夫だよ、めぇ』
『本当に?』
『うん。僕がめぇに嘘ついたことあった?』
『無い』
『でしょう?だから本当に大丈夫』



そう言えば、また笑って、空気が柔らかくなって、世界は光輝く。触れた掌の温もりが優しくて、何故か泣きたくなった。



『めぇ、僕たちはずっと一緒だよね?』
『うん。ずーっと一緒だよ!』



あなたの言葉ひとつ、それだけで僕は、幸せになれるんです。だから、大丈夫。



(あなたは一人で起きれない。でもあなたは僕を起こした。それが指す意味はきっと…)



儚い夢だとしても、目覚めた先に、あなたが映らなくても、信じている。あなたの言葉を信じている。だって、それが僕の全てだから。



(ごめんね、めぇ)



夢の中にあなたを探さぬよう、必ず見つけてみせる。約束だから、ずっと一緒に居ると。
だから今だけ、夢のあなたにさよならを。



end


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高速/エイジの彩→雨。
離れてしまった後の、彩花の悲しい夢。

ホント、最近は彩雨ブーム到来なんです。



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