ひとつ、ふたつと零れていくひかりがある。
あたたかくて、きらきらしていて、けれどそれは頼りないものだ。
ふっと吹けば消えてしまう誕生日ケーキの上の細い蝋燭にも
僅かな振動に耐えきれず落ちてしまう線香花火にも
それはひとしく、どうしようもないほど、零れやすいものだ。
些細な揺れにも、か細いゆらめきにも、
私たちは、とても弱く。
それでもその弱さを愛おしいと抱いて哭くのも
私たちだ。








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いくつ、ともしびを見送っても慣れるものではない。
愛おしいと思う限り、それは私が在るまでやめらないものだ。