午前3時。
窓ががたがたゆれる音で
いつもよりすこしはやく目が覚めてしまった。

家が揺れるほどの暴風。
4時半はまだ外が真っ暗だし大丈夫かなと心配になりながら
バイクで出勤する彼を見送りました。

事故にあったり
風邪ひいたりしませんように。

しばらくして窓の外を見ると
もう外が明るくて
それだけでなんだかすこし不安がとけた。

まだ5時か、寝なきゃな。

寝とかなあかんでと彼がいつも言います。

早朝出勤の彼と一緒に早起きしたら
気を遣うのかな。

でもわたしは一緒に起きたいし
いってらっしゃいって見送りたいのです。

だって、起きたらいないなんて
そんなさみしいことはない。


思えばパパも
こんな早朝に仕事に出かけていたなぁ。

そんなこと、はじめて思い出したけど。

早起きがあたりまえの生活って、
まだ暗いなか、寝ている家族を横目に
ドアを出るのって
どんな気持ちなんだろう。

でも思い出はわりとダークな内容ばかり。

むかしパパが
きっと悪気はなくわたしたちにしていたことを
何気なく彼に話したら

それ虐待やん、と言いました。

虐待か。

だけどそう言われて
はじめてそのときのわたしの悲しいが
報われたきぶんにもなりました。

やっぱり大人になっても
幼いときのそんなきもちは持ちつづけているもの。

悲しいことは
いつか、30年後とかでも
そうやって浄化されるといい。

あなたに降った悲しいことだって
わたしが月日をかけて優しくあっためて
きれいに蒸発したらいいなと思う。

だからかはわからないけど
わたしは毎日欠かさず彼の頭をなでています。

自分がそうされるのがだいすきだから
彼にしているんだと思います。

こうやってされたらほっとする?
そう思いながら。

今はそうして
毎日いつでも、思いついたときに、
手が勝手になでています。

いいこだから
すきだから
勝手に愛でているだけだよ。

いつもいつでも安心していてね、と
大好きな君に言っているつもりの手で。



風が止んだけれど
ここを通り過ぎた風は
またどこかへ行くんだもんね。

どこのひとも無事でありますように。

海がちかいひと
山がちかいひと
みんな気をつけてください。
無事でいてください。



かなしいことが
起きませんように。


おやすみなさい。

いい夢を^ ^