わたしには正直

まだわからないけど

ほんとのすきを

さっき

もらいました




うれしいとこわいが

交互におしよせて

泣き出しそうだった




溢れそうなのをこらえて

顔を隠して

言葉でてこなくて

だからとりあえず

ありがとうと

うれしいと

こわいを

繰り返して伝えた

パニックなんだって言った




手を繋ぐくらいが

精一杯だった

あったかくて

お兄ちゃんみたいな手だった

にこにこして

こっちを見ている

思いがけない言葉を

この2日間で

君に何回言われたかわからない

しまいには並んで座ってたベンチを降りて

向かいにしゃがんで

まっすぐに目を見て

伝えてくれた

そこから君は

動かなかった



わたしのしたいこと

おもってること

全部全部優先しようとする

ゆっくり話を聞いてくれる


夜道があぶないから

車道側はあぶないから

絶対歩かせないと

しつこく言うのは

昭和のひとみたい



会いたげなそぶりしたら

タクシーと歩きと

電車と電車をのりあわせて

仕事の合間縫って

飛び出してきてくれた



そんなことされたら

会いにくる前から

もうわたし

泣いてた




どこの海かもわからない海で

沈んで息ができなくて

このまま海の底に

落ちてしまおうかと思ってたところに



何ももたずに海に飛び込んで

まっすぐにこっちまで泳いで

だきしめて救いあげてくれた

息ができることに

びっくりした




とつぜん助けてくれたけど

あなたは誰ですかって

真面目に言ってしまったよ




わたしのこと

君のこと

まだ何も知らないと思う

なのに

そんなことのほうが知らないって

笑ってしまうくらい

優しくて

あったかい手だった





わたし

ちょうどいま

あんなことや

こんなこと

全部から

助けだしてほしかった