いろんなことが

フラッシュバックした





ほとんど麦くんと絹ちゃんのシーンだったから

ふたりの演技や表情のかけあいを

じっくり観られてしあわせだった



かすみちゃんは安定に可愛かった

芸能人のおんなのこでいちばんすきだ

すだくんもやっぱり上手にこなしていた

こんなひと知ってるなぁ、な男の子の役を



ぶつかってけんかしても

ふたりの間にはいつも

ちゃんと思いやりがあるように

わたしにはみえたけど

それでもだめになってしまうことも

あるんだとおもうとかなしくなった



あんな、綺麗に咲いて、束ねて

綺麗に終われる恋

ほんとうにあるの?

優しい終わりかたができるくらい

優しさがのこっているのに別れるの?

ありがとうなんて思えるくらいなら

別れないでいいんじゃないの?

そう思ったけど



おもいだした、わたしも

本当に好きなひとには

えがおでさようならと

伝えたんだった


ふたりかな

34年生きたなかで

たくさんたくさん恋をしたなかで

たったのふたり




映画がおわると

一緒に観た人をおいて

トイレで泣いていた

映画の感動じゃなくて

一緒に居るのがこわくなったから



急用ができて

先に帰りますって嘘をついた



ほんとは震えるのがとまらなくて

こわくて会えないなんて

到底言えなかった



恋愛するのがこわい

愛されるのも

好きになるのもこわい



好きなんて勘違い

好きなんて気のせい

好きなんて

すぐになくなってしまう

好きなんて

わたしには持てない



すてきな映画でしかなかったのに

架空なのに

綺麗な恋をみたら

どうしてか

恋をするのが

余計にこわくなった