あふれた愛はノンシュガー

長い長い文章をつづって

のせようとしたら消えた

たぶん5日くらいまえのこと


なにを書いたのか

ひとことも

一文字も思い出せなくて

そのときの自分のなかに

つよくこみあげてきた思いは

一体何だったんだろう

くだらないこともすべて

忘れたくなくて

こうして書いているけど

わたしはほんとに書かなければ

すべて忘れてしまうんだ

嬉しかったことも

感動したことも




だけど今もはっきりおぼえている

あの日、あの人に会えて

一瞬でなみだの粒が

ぽろぽろこぼれたこと

かわいくてきれいで

天使みたいなひとだった

その天使が

わたしの目を見て

楽しそうに話すものだから

しあわせでなみだが

とまらなかった



とまらなかった










五月雨

5月になって

みどりが生い茂るように

こころがさわやかになった

とっても清々しかった


わたしは

ひとつ成長した

それは

おさななじみのことばに

うなづかなかったことからはじまった




そのとき自分のなかにうまれた

ほんのすこしの嫌悪感を

見逃さなかったのが

それが素直に真っ当に生きることに

ちゃんと繋がったみたいだった



その日のうちは

正直ちょっと残念に思えた

残念に思うことが可笑しかった

そしてその選択が

後々どんな変化をもたらしたのかが

今日、はじめて明確になった

わたしこの日のために

こっちを選んだんだ

正解だったんだって

まるで

辞めようともせずに

ふいにたばこを吸わなくなったあの日と

同じ感覚のように思えた


うそをついてまで得ることの

メリットはなんだろうとか

削り取った鉛筆で書いた線は

まっすぐなんだろうかとか

飲み干したあとに吐いた息に

ちゃんと温度はあるのかと

冷静に考えることができた

あたりまえのことを

あたりまえとよぶことができた




なやみなやんで

自分の名前を変えたあのこも

いつか報われるだろうか

いのちを粗末にしたあのこが

いつかは涙をためて

ごめんねと自分に言えるだろうか



わたしは夢をみたくて

あきらめたくなくて

たぶんいま

生きている

だから

判断しかねるときも

正しさを貫けないときも

それにもちゃんと理由があって

奥底に大事な思いがあることを

忘れないでいよう




たくさん幸せで

たくさん泣いた日だった

とてもいい日だった

そんな今日










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