こんなことを書いたら

まるで恋みたい

だけど違うのよ

これはいつも恋と違ってた



思えばあの日から

おなじ車両からおなじ車両へ
たまたまのりついで

おなじ執着駅に
たまたま降りたった日から

わたしあなたのこと
一回も嫌いになったことないよ

あのときも
あのときも
一度も嫌なひととか思わなかったよ


それはあなたがいつも
楽しそうにしていて
それはあなたがいつも
まっすぐでわたしを見て
いてくれたからだとおもう

嘘つかないひとは
信じるところしかないからきれい

あなたは綺麗なひとだったのね
やっと紐がほどけたよ

あなたに会いたい意味が
やっと今わかったみたいに


あなたにはこれをあげよう

わたしには
こんなものしかないから








雨のち

.



会ってきました。

会って、話して、わけあって、

すこし刺激をうけて、

そんなあなたに
わたしがあげられたものは
たとえばなにがあったのかな、とか考えながら

別れ際には
いってらっしゃいと言いました。

昨日はあんなに降っていた空が
今日はとても晴れやかで

なるべくせつなくならないように
そうしてくれてるみたいで

わたしは、振り返らないように
背中が小さくならないように
なにか言い聞かせるように
顔をあげて歩き出した

次に会えたら
今よりもっと
キラキラしていたいですと
約束のようにこころにとめて





わたしにはわたしの
ひかり方があるよと教えるような
このやさしい春の下で
会えてよかったと思う


そう結論づけたら
なんだか泣きそうだ

なんだか泣きそうで
ちょっぴり不安で
だけどその不安はかくして
たくましそうな顔をしていたい




あの電車でわたしをみつけたあなたに
あの電車であなたをみつけたわたしに
あの日のふたりにありがとう

じんせいは不思議で
とても不思議で
どこでだれとどうして出会うかは
きっと全部自分で決めているよ

選択をかさねて
えらんで、えらびぬいて
この先もずっと
そうして選んだ道をただ行くだけ




どうする、
こうしてみる、
これはどうかなって
自分に提案してあげる

思いつきのじんせいが
こんなにおもしろい
こんなにさみしくなったり
こんなに胸があつくなる



いま目の前にある
残った一本のポテトは
食べないでおく

右手の先にある
すこしぬるくなったホットミルクティーの
最後のひとくちを飲み干したら
わたしはこの店を出る

分かれ道、思うようにたどってみる

範囲なんてほんとうはない、

くぎられているようで全部繋がっているこの道




わたしはあなたに何かをもらいました

つよさみたいな
可愛さみたいな
なんかキラキラした
かっこいいお守りみたいなもの




ありがとう

じゃあね、またね、

いってきます。











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