蒼い三日月

永眠したのは早朝。
苦しかったと思う。
呼吸困難になった。
病院を三軒回った。
インターホンを何回もならして、何回もドアを叩いた。
声を上げて呼んだけど、二回とも出てきてくれはしなかった。
諦めろと言われたけど、諦めたくなくて足掻いた。
だって今まで息をしていたんだもの。
だからダメ元で緊急病院に電話した。
ダメ元な理由は家を出る前に他の緊急病院に電話して、案の定時間外になっていたからだ。
しかし何とか通じた。
けれどやっぱり間に合わなかった。
もう少し早く病院に連れて行けば良かった。
動物病院は夜間から早朝開いてる場所がなかなかないので、これからなんとかしてほしいな。
うちの子が一番苦しい時間は、大概時間外で辛かった。
安らかに眠ってね。


お世話になったかかりつけの病院に連絡すると、お花が届いた。
本当にお世話になりました……。


箱が小さくて苦しそう。
病院にて頂いた箱に綺麗にして入れて貰いました。

塀の上に乗ることを覚えた慎姫。
可愛い、可愛い。
本当に可愛い。


今年の夏もライオンカット。
可愛らしいのに、眠そうな顔してる。
お陰で不細工!!
でも世界で一番可愛いよ。


前の日記にも載せたけど、この上目遣いに私はいつも心が折れそうだった。
可愛くて、可愛くて、悪さしても許しそうになった。
頭の賢い子だった。
私の言葉を理解していた。
でも私はお前の言葉を理解してあげられなかったね。
本当にごめんね。
苦しかったよね。
助けてあげられなくて、ごめんね。

王子の粋（すい）と姫の慎（しん）。
慎は粋が触れただけで凄く怒るので、粋は周りに物があってその真ん中に慎がいると向こうに行きたい場合迂回していた。
そんな二人が珍しく引っ付いていた。
これは前日の写真。
これが最期の写真となった。
もっとちゃんと写してあげたかったけど、具合が悪いのでそのまま撮りました。
思えば昨日は慎は粋に二回も引っ付いていた。
普通なら有り得ない。
たまにやるし、具合悪くて兎に角へたり込んだだけかな…と思っていたが、もしかしたら違うのかも知れない。


ひっくり返るのが好きだった姫。
昨日の夕方は安らかで、すやすやと寝ていた。
最近は仰向けになるのはもちろん、寝るのも難しかったので、凄く嬉しかった。


これは粋。
粋のお尻にある前足は慎のもの。
包帯を巻かれてます。
いつもここから点滴を打っていました。
もう点滴打たなくて済むね。
良かったね。
注射も三本毎日頑張った。
本当に頑張った。
こんなにいい子に育って、私は嬉しいよ。
有難う。

姫が息を引き取りました。
まだ八歳でした。
頑張ったと思う。

今は頭が混乱していて、認めたくない気持ちでいっぱいです。