続き。

初めて来た白夜王国。「炎の広場」を見てシノノメは思ったひどい荒れようだ。桜の並木道が崩れ。石畳はえぐられていた。これをやったのは討伐する賊じゃない。女王ミコトを死に追いやった犯人がやったことだ。討伐する賊の中に犯人がいないか見た。暗夜の賊とノスフェラストしかいなかった。

「あきらめない!」

「道を開けて!」

カンナが剣で。カナは竜になってノスフェラストを凪ぎ払った。

「ふんっ!」

暗夜の賊を倒すと防陣を組んでいたメイドが逃げた。

「カンナ!カナ俺は、メイドを追う!」

「わかった!」

「シノノメお兄ちゃん無理はしないで!」

メイドが窓ガラスを割ると店の中に逃げた。シノノメも追いかける。店には人がいなかった。店の中は荒らされていた。賊が金になるものでも盗ったのだろう。食器も少ない。皿は床に落ちていた。

「賊もうにげられねぇぜ。」

「色男に追いかけられて私は罪の女ねー。でもただでは殺られない。」

メイドが銀の暗器を構える。シノノメも。

「奥義!」

メイドの懐に入ると槍で薙ぎ倒した。カランっと暗器が床に落ちてメイドが倒れた。

「ぜぇぜぇ。」

息をしていた。急所ずらしたのだろう。しぶといとおもった。もう一度槍でー

「うわぁぁぁぁ!?」

「!!ぐっ!」

後ろから敵の伏兵の侍がシノノメの肩を切りかかった。かすり傷をつけられた。すんでのところシノノメはかわしメイドから距離をとった。

「伏兵かっ!?ぐぅぅ!」

かすり傷から痺れるような痛みが走った。

「うへ‥‥うへへ‥‥きぇー!」

「ぐっ。」

侍のもつ刀は白夜式の刀じゃない。キザキザで竜の鱗らしい飾りがある剣を振り回しシノノメを斬りつけた。槍では強いシノノメが剣に押されている。
斬られたところから血が垂れた。傷がじんじんと痛む。

「くそ!」

剣士を倒そうと槍を振ろうとした次の瞬間。ざくっ。

シノノメの肩に銀の暗器が食い込んだ。

「形勢逆転!あんたを縛って闇市に売り飛ばす!」

虫の息をしていたメイドの体力が戻りシノノメを押さえつける。相手は経験の少ない侍。強さならシノノメの方が上だ。だけどシノノメは侍のもつ剣に押されている。侍の剣を叩きつけて無力化しようと突っ込むもメイドが邪魔をしてくる。

ザクッ!脇腹が熱くなった。銀の暗器がシノノメに突き刺されたのだ。悔しい。槍は剣に強いから槍の道を突き進んだシノノメが剣に負けた。ただの飾りの刀をかするだけで焼けたような痛みに襲われ敵に逆転させてしまった。身体全体が痛い。目の前が暗くなっていた。

バシャ。水の音が聞こえた。

「ーー!」

何も聞こえない。もう見えない。

続く。