「おとうさーん。お兄ちゃんおとうさんどこ?」
「カンナ。国王陛下と呼べ。父上は、即位してから色々忙しいだ。」
カンナの頭を撫でた。
「カンナ父上の部屋に入るな。」
マークスの部屋に入ろうとするカンナを慌てて止めた。
「どうして?お父さんの部屋に入ってはいけないの?」
「あの部屋に父上の宝があるからだ。もしカンナが宝にうっかり触ったことを父上が知ったら大目玉喰わされるよ。」
「でもあの中に僕が作った竹トンボが入っちゃったし。ねぇ宝を見ても触らない。竹トンボを取りに行ってもいいでしょ。」
「カンナはここにいってくれ。ぼ‥私がとってきてあげる。」
言うが早いがジークベルトはマークスの部屋に入った。マークスがいたら部屋に入っていいか許可を取ろうとしたかったのにいなかった。代わりにいるのはジークベルトだけ。部屋に入って竹トンボ取っても時間はかからない。普通なら。マークスの部屋に入ることが出来る人は一部限られている。どうして一部かと言うと少し前使用人がマークスの部屋にある宝に傷をつけたことでマークスを怒らせた。そしてマークスが使用人を異動させた。それは表向きの話でマークスが怒りに任せ使用人を無限峡谷の谷底に落としたという噂がある。本当かどうかは知らない。
「カンナ竹トンボ取ってきたよ。これだろ。」
「ありがとうジークベルト。ねぇジークベルト遊ばない?前みたいに木でオモャ作ろうよ。」
ジークベルトsaid
カンナの竹トンボはテラスにすぐに見つかった。テラスにつくまで父の宝が無くてほっとした。父もいないと言うことは父が宝を持っいや連れてフラりと出掛けたみたいだ。
「前みたいに遊ぼうよ。」
いつのことをいっているのだろう?白夜と暗夜が戦争を始めた頃。苛烈だった頃?どちらもカンナと遊んだ時のことが覚えていない。それでも弟は目を光らせて私の袖を引っ張って見に覚えがない遊びをしようと誘ってくれている。これは兄として弟の遊ぶに付き合お。
終わり。