マークスがカンナにぬいぐるみを買いに行くお話です。
「カンナ!私のウサギネコを返しなさい!」
「やー。」
ジークベルトのお気に入りを赤ちゃんカンナに取られ奪い返そうとした。カンナの腕からウサギネコのぬいぐるみを取り戻すと両手で抱き抱えた。
「ジークベルトたまには、貸してあげなさい。」
「いやです。これは、私の宝物。母上がカンナにぬいぐるみをあげればいいのです。」
「同じのカンナにあげても興味を示そうとしません。」
「私の物は、私の物。私の物を取り上げることは、泥棒です。」
「そうは、言ってもね。お母さんと竜のぬいぐるみで遊びましょ。」
立ち上がってカムイに背を向けマークスの所へあんよしはじめた。
「ほんとうだ。」
「とーとー。」
「お母さんの手作りに興味がないとは、ぜいたくだな。」
「マークス兄さんカンナと少し散歩してきてください。」
「あぁいいぞ。カンナ散歩に行こう。」
カンナ高い高い上げて抱き抱えると散歩に行く支度をする。
「カンナは、ずるいや。」
「あらあらジークベルトやきもち?」
「違います。カンナは、まだ赤ちゃんなのは、わかってます。ただ父上がカンナを可愛がることが多い気がして。」
「ハハハ。じゃ次は、マークス兄さんとピクニックにでも行きますか。」
「いきたい。」
「マークス兄さんに曜日でも聞いておきましょ。ジークベルトの大好物もいっぱい入れたお弁当も腕によりもかけて」
「味見は、私がやります。」
「まぁ頼もしい。詰めるのもお願いしますね。」
鋼の味のする母の手料理は、食べれないわけじゃないけど。匂いは、料理と変わらないものの鋼の味のするのは、少し苦手。
その頃マークスは、カンナとぬいぐるみショップに連れて来ていた。子供向きの可愛らしいぬいぐるみをカンナに見せながら歩いた。
「カンナウサギネコだぞ。」
鈴のついたウサギネコのぬいぐるみに興味も示さず。次は、犬。ネコ。ウサギ。クマにも。カンナは、見向きもしないでいた。
「あー。」
「海の生き物ぬいぐるみコーナーにいきたいのか。」
そこに行くと魚と亀のぬいぐるみが整列していた。
「びー」
カンナが海老のぬいぐるみを見ると指をさした。触覚の髭の長い海老のぬいぐるみがおいてあった。
「びー。びー(えび。えび。)」
「カンナ。海老じゃなくて着せかえ女王蜂にしなさい。」
女王蜂をみせるとカンナが顔を背け「びー。びー。(海老。海老」というばっかり。
「海老よりもみつばちが可愛いぞ。」
「びー!びー!(海老!海老!)」
「わかった。わかった。海老を買ってあげよう」
「うー!(やったー!)」
「海老でお腹を壊すじゃない。リョウマが来ても噛みつくな。」
「あい」
海老のぬいぐるみを買って上機嫌になるカンナと家に帰る。
カンナは、ジークベルトのウサギネコのぬいぐるみに興味を示さず海老のぬいぐるみで遊ぶようになった。口に含んだり。髭を掴んで振り回したり。ご飯を食べさせて遊んだりもしていた。
「びー。びー。(エビ。エビ。)」
無邪気に海老と連呼するマークスは、複雑な顔をした。
「みつばちでもよかっただろうに。」
「あらマークス兄さん妬いているのですか。」
「カンナにパパか名前で言って欲しい。えびと言ううちににリョウマとか言いそうになると複雑だ。」
思わず吹き出した。
「笑い事ではない。」
「マークス兄さん大丈夫です。赤ちゃんは、お父さんが誰かわかっています。リョウマ兄さんとマークス兄さん並べても真っ先にお父さんの方へカンナは、行きますよ。」
「そうか。」
カンナが海老のぬいぐるみとおもちゃのご飯をマークスに差し出す。
「とー。とー。」
「あぁお父さんと遊ぼうか。」
カンナと遊び始めたマークスに微笑むと料理の支度を始めた。