このお話は、白夜ルートです。エリーゼがリョウマとカムイの子供カンナ♂♀に双子と夢で対面するお話です。


その日夢を見た。ありえたかもしれない音がない夢を。マークスお兄ちゃんとカムイお姉ちゃんが子供と二人自然の多いところにピクニックしに来ていた。

そのうちの1人が切れ長の目でポケットにマークスお兄ちゃんが昔飼っていた兎の耳をした猫のぬいぐるみを持っていて。もう1人は、弟なのか。カムイお姉ちゃんに似て可愛い男の子。

マークスお兄ちゃんがレジャーシットを敷くとカムイお姉ちゃんがお弁当を置く。弟の方がピュンピュン跳び跳ねてお弁当お弁当とはっしゃいで。音がないからわからないけどマークスお兄ちゃんがお腹を押さえた男の子見ると笑って頭を撫でた。訳すとぬいぐるみをもった男の子のお腹の虫が鳴って恥ずかしかったみたい。それでマークスお兄ちゃんが「さぁ食べようか。」と子供二人に言っていた。

音もなければ声もない。会話の内容が聞けなくて気になっちゃう。口パクで何を話しているのか読むしかなかった。

お姉ちゃんの作ったお弁当を可愛い男の子が頬張って食べる。ぬいぐるみを持った男の子が上品にお弁当を口に入れる。

食べ終わると可愛い男の子をマークスお兄ちゃんが肩車して遊ぶ。ぬいぐるみをもった男の子の方は、お腹いっぱいになったのかカムイお姉ちゃんの膝枕で眠った。

目線が可愛い男の子に切り替わり見る景色は、見晴らしが良く楽しい気持ちになった。

紫の星形の花を見つけると摘んでマークスお兄ちゃんの袖を引っ張って花冠作りをし始めた。

目線が切り替わって。次に見えたのがお腹を大きくしたカムイお姉ちゃんが兎の耳をした猫のぬいぐるみを作っていた。リリアンで縫い物が出来なかったお姉ちゃんが生まれてくる子供に作っているとマークスお兄ちゃんがブランケットを持ってきた。口パクでカムイお姉ちゃんがマークスお兄ちゃんにぬいぐるみを見せる。訳すと

「マークス兄さん見てくださいウサギネコです。」

「よく出来ているな。だが耳は、もう少しゆったり揺らした方がいいぞ。」

「あっ耳揺れるようになった。」

綿を少なめにして耳を頭の上に縫うと耳が軽く揺れた。


次に見えたのが男の子の赤ちゃんがウサギネコのぬいぐるみを口に含んで遊んでいた。耳を掴んで振り回したりもしていた。

可愛い男の子が生まれてお兄ちゃんになっても男の子は、ウサギネコのぬいぐるみをいつも持っていた。お散歩しても。ごはん食べても。寝るときも。弟がウサギネコで遊ぶのが嫌なのかくずるたり怒ったりもする男の子に

「ぬいぐるみをたまに貸して遊ばせあげなさい。」

と困ったように口パクするカムイお姉ちゃん。

マークスお兄ちゃんが海老のぬいぐるみを次男に買い与えると複雑な顔をしていた。次男の方は、ウサギネコのぬいぐるみの興味が失せて海老のぬいぐるみをはぐはぐ口に含んでいた。

目線がピクニックの場面に戻ってきた。マークスお兄ちゃんが花冠を頭に乗せて。可愛い男の子がカムイお姉ちゃんの頭にもぬいぐるみの男の子の頭に星形の紫の花冠を被せた。


「マークスお兄さん」

リョウマさんと一緒にカムイお姉ちゃんが出てきた。夢にカムイお姉ちゃん。マークスお兄ちゃんの近くにカムイお姉ちゃんと息子たち。

「お願いです!私と一緒にお父様と闘ってください!」

「このままでは、お前は、ガロン王の操り人形のままで捨て駒になるだけだ!」

カムイお姉ちゃんとリョウマさんがだけ声を出してマークスお兄ちゃんに訴えた。

「裏切り者の声など聞かぬ。白夜側についた妹など妹では、ない!」

「では、マークス王子カムイと子供達をよく見ろ。何が置いてある。」

マークスお兄ちゃんは、驚き顔になった。よく見るとぬいぐるみを持った男の子も。その子を膝枕していたカムイお姉ちゃんも。可愛い男の子も人形。人形の後ろに見えない糸が垂れていた。

「ねぇおじさんここにいっては、駄目。お母さんとお父さんと来てよ。」

「お人形遊ぶしてもガロン王に飼い殺されるだけだよ!」

髪の色が茶色の可愛い男の子とお団子頭をした女の子がカムイお姉ちゃんの後ろから出てきた。

「カムイその子達は?」

「カムイの子供達だ。」

「私のことは、カナと呼んでね。」

「僕は、双子の兄でカンナ。カナは、僕と同じ名前なんだ。」

双子で同じ名前紛らわしい。マークスお兄ちゃんの顔の皺が増えてきてる。

「カムイいつの間に誰と結婚した。」

「リョウマお兄さんです。」

「カムイとは、父親が違う連れ子だから結婚出来る。」

えっ?リョウマさんカムイお姉ちゃん抱きしめてとんでもないこと言ってるけどもう一回言って。せめて支援会話の最初のところを夢として見せてよ。

「さぁマークスお兄さん私の手を取って逃げて!」

パシン!

「茶番劇にひっかかった裏切り者が!」

ジークフリードでカムイお姉ちゃんに降り下げようとした。


「‥‥‥リーゼ。エリーゼ朝だぞ。」

「うぅーん。マークスお兄ちゃん。」

「魘されたみたいだけど悪い夢でも見たか。」

「人形遊びに夢中になったマークスお兄ちゃんが半狂乱になる夢だった。」

「気味が悪いな。私は、正気だ。」

「ねぇマークスお兄ちゃんお父様のことを気にせずカムイお姉ちゃんを嫁入りさせちゃおうよ。そうしていれば戦争終わるよ」

「馬鹿を言うな。」

「早くしないとリョウマ王子にカムイお姉ちゃんが取られるよ。マークスお兄ちゃん夢通りに半狂乱になるよ。」

「その口をと・じ・ろ!」

両頬につままれた。手の甲冑が当たって痛い。

「いたたマークスお兄ちゃん手を離して。」

「エリーゼは、白夜との戦争が終わるまで安全な所にでもいなさい。」

マークスお兄ちゃんが去ると。エリーゼが1人になった。

「マークスお兄ちゃんの嘘つき。マークスお兄ちゃんがカムイお姉ちゃんを傷つくことになるなら争わず解決できる方法を見つけて死んだ方がましだもん。」

エリーゼは、枕に顔を埋めた。虚しい夢を見た数日後カムイ姉が地下街に来ることをまだ知らなかった。

続くかも?