君の哀しみを分かち合いたい。
その辛さを半分私に分け与えて欲しい。
神様は狡い。
どうして君にだけ、こんなにも辛く当たるの?
その痛みを少しでも理解したい。
なのにどうして君は笑うの。
こんなにも辛かったはずなのに、どうして笑えるの。
後悔がないわけじゃないだろうに。
なのに笑う。
そして君は歩みを止めなかった。
最後まで自分で在り続けた。
それがどれだけ君を愛するものを傷つけたとしても、きっと、我慢なんて出来なかったんだ。
君は決して挫けなかった。
君は決して迷わなかった。
君は決して戸惑わなかった。
君は決してとどまらなかった。
やれることを知っていたんだ。
多くを求めなかったんだ。
けれどそれだけは揺るぎなく、絶対に譲れなかったんだ。
でも私は君がそれを選んだこと、やっぱり赦せそうにもないよ。
その哀しみも痛みも苦しみも、どうして独りで抱えてしまったの。
どうして私やみんなじゃ足りなかったの。
その傷の方が遙かに痛くないよ。
ねえ、そんな風に笑わないで。
本当は、泣きたかったでしょう?
君は、いつだって誰かのために生きて。
誰かのために笑って。
誰かのために死んでしまったね。
憎しみは簡単には消せやしない。
君を想って泣いた分、肌に馴染むように心に馴染み、こびりついたそれは消せやしない。
君はそれを決して求めてなんかいないと知ってるよ。
でもやっぱり悲しくて、痛くて、苦しいよ。
君が笑ったのはどうしてなのか今でも分からない。
けれどそれが余計に辛かった。
最後くらい言い訳も聞きたかったし、愚痴も聞きたかった。
そんな風に綺麗に笑って、私の前から消えないで欲しかった。
君が本当に愛した人は、それに全く気付いてなかったよ。
君から逃げてばかりだったよ。
君のその想いに何も応えられない人だったよ。
それでも君は仕方ないなって笑うんでしょう?
それでも君はその人を愛してるんでしょう?
それでも私の知らないその人の素晴らしさを君は知っている。
それに嫉妬していたんだ。
私は君を赦せそうにもない。
だから、君が愛した人を愛してしまった私を、君も絶対に赦さないで欲しい。
君が大好きだよ。
きっと掛け替えのない大切な人なんだ。
でも私は君を裏切ったから、だから。
君は笑わないで。
もう私にそんな風に綺麗に笑わないで。
優しくなんかしないで。
私にはそんな権利ないよ。
でも………私は君がやっぱり大好きだ。
だから君に有難うって云える日が来るまで、君のところにはいけない。
君の哀しみを分かち合いたい。
その辛さを半分私に分け与えて欲しい。
神様は狡い。
どうして君にだけ、こんなにも辛く当たるの?
その痛みを少しでも理解したい。
なのにどうして君は笑うの。
こんなにも辛かったはずなのに、どうして笑えるの。
どうして君はそんなにも残酷に優しいの。