続きです。
カミラ姉さんが登場します。

死ね!マークス!父上がお前の父ちゃんのせいで殺害しておきながらよくも図々しく幼いカムイに兄面ができるものだな!リョウマが五枚の満点の用紙に皺ができるくらいに握りしめた。

「私お外へ一人で出ちゃっただめなの。マークスお兄ちゃんかカミラお姉ちゃんと一緒じゃなきゃお父様に怒られる。ジュンマークスお兄ちゃんの花丸のあるテストを黄金の板に変えてきてね。」

五枚の花丸の紙切れを見る。紙吹雪にしてやりたい。でも出来ない。幼いカムイの文字だけを取り除ける呪術があればこんなもの破いてしまうのに出来ない。カムイを褒る兄面をしたマークスのコメントと花丸が達筆で不愉快。

「ジュンどうしたの紙切れを持って。」

「カミラ王女様。」

「あらこれは、お兄さまの花丸じゃない。駄目よジュンこれは、カムイの宝物を返しに行くわよ。」

「カミラ様これは違います。カムイ様に泉の女神を探すように頼まれたんです。」

カミラに届かないように上にあげた。

「泉の女神?」

「落とした物を泉の女神に正直に言えば花丸の紙を黄金の花丸の板にかえて欲しいとたのまれたんです。」

「まぁ。カムイは、乙女チックね。でも残念あなたの足では泉にもたどり着けない。空を飛ぶ竜のライセンスを習得できない限りは。」

意地悪い笑みでカミラが言った。年相応の妖艶さがあるカミラの笑みは、下心のある貴族のハートを射ぬかれる。

「カミラ様は、泉の場所は、知っているのなら少し教えていただけないのですか。」

「泉には興味はないわ。」

怒りとも悲しいともつかない目付きでジュンにズバッと言った。

「あなた最近カムイと積極的に仲良くなっているわね。前までは、仕事人間だったのに。」

「お褒めくださって光栄です。」

「でもだからと言ってカムイと仲良しになりすぎるところを見るとくやしいわ。マークスお兄さまから兄のポジションを取り上げない程度に仲良くなさい。でないと雇い主であるお兄さまにあなたの首は飛ばされるわ。」

「ご忠告ありがとうございます。」

もし過去にいるヒノカがカミラの話を聞いていたら頭に血がのぼって薙刀を振り回していただろうな。

「では、失礼します。」

「ちょっと待ちなさい。」

「なんでしょか?」

「私にいいアイディアがあるの。一緒に私と来てちょうだい。」


数日後。

「カミお姉ちゃんいっらしゃい。ジュンおかえりなさい。」

カミラに抱きつくと次は、ジュン(リョウマ)の足にしがみついた。

「ジュン早く黄金の花丸の板を見せてよ。」

「カムイ様これを。」

「どうしたのこれは?」

カムイの目の前に可愛い飾りのリボンのついた小さな箱を五つも渡された。

「開けてみてもいい?」

「どうぞ。」

ひとつラピングをほどいて最後のひとつをほどいてから箱を開けると

「髪飾りが五つも。」

箱の中にピンで止めてもずり落ちない髪飾りが五つも入っていた。白と黒の飾りのついたリボンに。白い薔薇。銀色のシンプルの髪飾り。

「ねぇジュン黄金の花丸はどうしたの?」

「それが泉の女神様にマークス様の花丸を没収されてしまいました。」

「えぇー!?なんで!なんで!ジュン女神様に嘘を言っちゃったの!」

「いいえ。正直に言ったのです。そうしたら泉の女神様が機嫌悪くなってしまわれて。いたたた!」

「わーん!ジュンのバカバカ!」

カムイがジュン(リョウマ)の(自慢の)髪を引っ張り攻撃してきた。

「どうして取り返さなかったの!マークスお兄ちゃんの花丸もうないじゃん!ジュンの嘘つき!」

小さな体で髪を引っ張られる。カムイから離そうとするも逆に離れまいとジュンの髪にしがみつかれた。正直リョウマには、痛いすぎる!

「泉の女神様は、最初は、話を聞いて返そうとしてくれたわ。」

「お姉ちゃんジュンと一緒に女神様を探してくれていたの?」

「えぇ。女神様は、持ち主が誰かも分かっていてね。「年頃の女の子をお勉強ばっかりにさせずにおっしゃれに気を使わせるべきです」って怒られたの。」

「ジュン本当なの?」

髪を引っ張らるのをやめてジュンに訪ねるカムイにそうだと答えた。

「あぁ。頑張ることもいいけど女の子は、可愛いく綺麗になって自分が好きになれる気持ちを忘れないように花丸を髪飾りに変えてくれたのだ。」

「そうだったの。」

「宝物がなくなってカムイ悲しいか。髪飾りに変えられて嫌か?」

ふるふると首を横に振った。

「髪を引っ張ってごめんねジュン。もういやじゃない。女神様が花丸の紙を髪飾りに変えてくれたからもう風で飛ばされる心配もしないで済むからいい。」

「そうか。」

「ジュンありがとう。髪飾り大事に使うね。あっでもこれどうやって着けたら可愛いのか分かんないや。」

「カムイお姉ちゃんが髪飾りのつけかた教えてあげるわおいで。」

「うん。カミラお姉ちゃんお願い。」

ジュン(リョウマ)に背を向けとてとてカミラの元へ歩くカムイ。

過去から現代に戻れたらリョウマにしたいことがひとつ増えた。それは、現代のカムイに髪飾りのことに思い出があるのかを確かめることをだ。それには、暗夜の王族がカムイと仲良くするところを見るのをたえるしかないということにリョウマは、決心した。

「ジュン髪をとかしてー。」

「はい。カムイ様。」

おわり。