白夜王国と暗夜王国には、神祖竜を先祖にしている共通点がある。竜が建国したとも。竜自身が自らの血を駒になる人間に飲ませ一国の王にさせたとも伝承がある。後者に倣い竜の血ーもとい代々の王族の子々孫々は、駒ーもとい臣下になる人間に血を飲ませ忠誠を誓うようにさせた。

パタパタと走ってくる音が近づいてきた。ドンっと腰の辺りに暖かいものが当たった。

「マークス兄さん私に臣下ができたよー。紹介するねー。」

「カムイにも時期が来たか。紹介してくれるか。」

「ギュンターとジョーカーとフェリシアとフローラとリリスだよ。」

「多いな。」

「住み込みの使用人が全員させるわけなかったけど五人が立候補してくれたの。」

ギュンターのことは、色々噂になった老騎士。若かりし日のギュンターは、父ガロンからじぶんの側近に選ばれた実力があった。ところがギュンターは、現国王の側近になることを辞退した。腐敗貴族の子供がイタズラをすれば手厳しく叱りつけるなど礼儀にも厳しい人。老いてからギュンターは、ガロンの命令でカムイの世話係兼ボディーガードとして北の城塞に置かせた。

ジョーカーの方は、元々名家の子息だったが夫婦仲が悪い肉親に捨てられた。育ちが良すぎて雑用もできなかった。加えて素行不良になったことから王城を追い出されそうになった。カムイが自分の話し相手になってほしいと頼んだことから有能執事に成長した。カムイ以外どうでもいいと考えを除けば。

フローラとフェリシアは、双子の姉妹。姉のフローラは、敏腕メイドで品行方正のメイド。フェリシアの方は、ドジで家事も出来ず城を崩壊させるほどにドジで物を壊す天才。反面武器を一つで敵を一掃させるのが上手かった。

リリスの方は、経歴がない。特にこれといったのがなく厩舎の馬の世話係をしている。