私ジークベルトには、婚約者がいる。名前は、カンナ。元々は、カンナに勉強を教えたことから交流を始めた。カンナは、甘えん坊であるものの飲み込みが早く。音楽も。剣術も。勉強も教えでば覚えが早かった。カンナと過ごしてから気持ちに余裕が出来た頃ままごとを誘われた時に勢いに任せて

「子供役も。お兄さん役も。おじいさん役もやらない。カンナのお婿さん役しかやりたくない」

告白し指輪を渡しプロポーズをしたらカンナが僕を受けいれてくれた。すごく嬉しか
った。こうしてカンナと私は、婚約した。今は、暗夜と白夜は、戦争が終わり父が王位を継いでいる間に私は、見聞の旅に出ている。

「ジーク私も連れて行って。竜になれば怖い人から守ってあげるから」

泣きながら最愛の父から離れカンナが私の旅に半ば強引についてきた。偉大な父から離れ見聞の旅に出た私と最愛の父から離れカンナで今日も旅に出ている。

ふっと目が覚めた。少し胸の辺りが暖かい。布団を剥ぐと。

「カンナ起きなさい。ここは、君のベットじゃない。」

「ジークもう朝?」

あどけなさを残した見目麗しい少女が寝ぼけ眼でジークを上目遣いで見た。

「年頃の女の子が男のベットで寝るのは関心しない。自分のベットに戻りなさい。」

やだと呟きながらカンナは、狸寝入りをした。カンナの狸寝入りは、今に始まったことではない。戦時中の頃も一人寝が寂しいからと断ってから添い寝もしてあげた。そうすることでカンナは、すぐに眠りついていた。見聞の旅に出て宿屋に泊まりベットを二つにしたにも関わらず寝ぼけてしょっちゅう眠るジークベルトのベットに眠ることもある。一度に眠りつくとカンナは、起きない。寝ている隙にジークベルトは、カンナを姫だっこさせベットに戻してから寝るようにした。

「ジーク私と寝るの嫌?」

「嫌じゃない。カンナは、もう14歳だろ。」

「成人するまでジークとの結婚が預かってるもん。二人きりになっている間に添い寝くらいしてもいいでしょ。」

ぷぅーと頬を膨らませる。

「民の見本である未来の女王様がそれでは、みともないだろう。」

「ジーク倦怠期だ!私と寝るのやだなんてひどいよ。一人寝が寂しいっていっても一緒に寝てあげない!お休みなさい!」

ボフンっと背中を向けてそっぽを向いてカンナは、眠った。

カンナとの添い寝が嫌では、なかった。暖かく小さな身体は、安心と癒された。しかしカンナも成長するにつれ女性特有の丸みが出来つつある。柔らかさのある膨らみが当たるほどジークは、安心と癒しどころか異性への色気に耐えることで一定の距離で接しないといけなくなっている。カンナは、悪気があってそうしているわけがない。ただジークベルトとしては、自分は、マークスの息子。マークスに倣って紳士的に。かって紳士的に。レディーファーストーを守らなければならない。しばらくジークは、一人眠りについた。


白夜領に入ってからの森で野宿をすることにした。リョウマが治める白夜王国がある。リョウマか運よくシノノメに会うまで身分を隠そうとカンナと話合って決めた。

「ねぇ知り合いに会うまで身分明かさないなんて移動に制限かけられるよ。」

「白夜王国から見たら暗夜も透魔をよく思わないであるだろう。カンナも心ない人から有らぬ疑いをかけられ狭い思いをすることになるぞ。」

「ジーク懐柔できないの。」

「まだ準備は、出来ていないよ。それに表向き私とカンナは、恋人として旅行にきたと通しているんだ。」

「ふーん。白夜に限って一組の男女を攻撃なんてしてこないでしょ。」

「平和を愛している白夜も一枚岩ではない。さぁ明日も早い。テンジン砦に昼間に着くよう起こすよ。」

「うん。お休みなさいー。」

鳥の鳴き声を聞きながら眠ることにした。


ふっと目をさましたカンナは、立ち上がり竜に変身した。竜の姿で眠るジークベルトに近づくとそぅーとすり寄った。透魔の次期女王として品位を保つことを忘れて子供のようにジークベルトに甘えたいし。スキンシップをもっとしたい。でもそれをすると控えなさいとジークベルトにまた釘をさされるのだけは、ごめん。

サクッ。尻尾に痛みを感じ後ろを向けば白夜の忍が五人いた。

「誰なの?どうして白夜が攻撃する。」

忍の二人が飛び出す。カンナが尻尾で凪ぎ払った。もう一人が突進すれば凪ぎ払う。一度変身を解きジークベルトを起こそうと後ろを向いた。

「ジーク起きて!早く!」

「カンナトイレなら一人で行ってくれ……」

ペチン。ジークの頬を叩いた。

「早く逃げるの!白夜の忍が……」

後ろに痛みが走った。

「かかれ!透魔と暗夜を血祭りにしろ!」

「カンナしっかりするんだ。何者か知らないがどいてくれ!」

激痛で何があったかカンナは、覚えていない。ジークが私を抱き抱える感触と馬の走る音が聞こえたような気がした。