「タクミさん!」

「……」

「タクミさん!今日は、なんの日か知ってるでしょ。アクアさんの「誕生日」そうです。さぁ起きてください。」

小さな手でカムイの手を叩く。布団から出るのは愚の骨頂。

「何をしている。」

「あっリョウマ兄さん。タクミさんアクアさんのプレゼント渡したから起きたくないと嘘を言うのですよ。」

「そうか。カムイ行くぞ。」

「何処に。」

「アクアのところだ。タクミまたな。」

カムイをアクアのところへ連れて行かせた。


「タクミのプレゼントなら今朝からテーブルに置いてあったわ。ほら。」

「蓮の花。」

「タクミ私が寝ている隙に誕生日が来るとよく蓮の花を置いてくれる。それだけでいいの。」

「というわけだカムイ、納得したか。」

「はい。アクア誕生日おめでとう!私からもはい。」

「オルゴールを」

ネジを回すとアクアが歌っている曲の旋律がオルゴールから流れてきた。

「アクアの歌の音と同じだな。」

「えぇ。よく作ってくれたわ。お母様の歌声と似ている音だわ。」

蓮の花は、タクミ。オルゴールは、カムイ。

「リョウマ兄様探しましたよ。さぁさぁ料理を手伝ってください。ヒノカ姉様じゃ足りてないのです。」

「おぃ。引っ張るな。」

優しく穏やかな白夜式の誕生日を迎えたアクアだった。