前回の「抱きしめるなら暖かい手」の続き。
「お父さん嫌いー。お父さんのにおーいは、マグロー。全身マグロ臭い。」
いよいよ悪態をつくコラッロは、額に青筋を入れる父をおちょくた。
「コラッロやめろ。」
「でもディニィ。」
「コラッロは、スクアーロを喜ばせたいから義手を洗っていただろう。」
「うん♪牛乳で洗い流すしたのは、においと義手にこびりついた血が落ちるから。」
「えらいなコラッロは。俺の頼み聞いてくれるか?」
近くに
いた部下を呼んだ。
「ボゥス何ですか?」
「コラッロ、ダリアと銃を磨く仕事をしてくれ。」
「うん♪ダリア銃って何処に保管してるの。」
「屋敷を出って庭の右だ。嬢ちゃん磨くの頼むな。」
コラッロが離れるとスクアーロとディーノの二人だけになった。
「まぁ座れよスクアーロ。」
言われた通りに座る。
「安心しろよ。ダリアが火薬をコラッロ触らせない。」
「俺よりもコラッロは、跳ね馬になつく」
」
「スクアーロのことになると大抵俺のところに来るからなぁ。」
「あいつは、また俺の義手を壊しやがったんだ。それも俺の火薬を義手にぶつけてな。」
コラッロのイタズラには、スクアーロは、悩みの種だ。
「義手を部下に預ければ、いいじゃないか。」
「あいつが部下をイタズラするから駄目だ。あんなお転婆止められるのは、ボスさんとおばあちゃんだけだぁ。」
「ボゥス。手入れ終わったぜぇ。」
眠い顔をしたコラッロがスクアーロに抱きつくと寝息が聞こえた。
「今日は、泊まってけ」
娘を抱きしめて寝ることにした。
翌朝
隣にスクアーロが眠っていた。義手のにおいを嗅ぐ鉄臭い。首、胸、足、髪を嗅ぐ。髪だけがいい薫りがした。もっと嗅いでみたくって髪を引っ張ったら。父に頭を小突かれた。
「なにやってンだぁ。」
「お父さんの髪だけだねいい匂いがするの」
「はぁあ。」
かばと娘が飛ぶついてきた。
「血の匂い嫌い。お父さんの好きなのでこびりついた匂いは嫌い。血の通わない汚れた義手なんて大嫌い!」
「帰りたいのか元いった場所へ?そこでおばあちゃんと暮らすか?」
「戻らないよ。ただねお父さんの匂いだけコラッロの好きな匂いだけ残して。抱きしめるなら温かくて洗い立ての温かい手でね。」
「声をかけろよ。火薬は、俺が預けるから丹念に義手を洗えよ」
「うん。」
私の好きな匂いは、安心ができる匂いで抱きしめられること。お父さんには永遠にできないこと。だって父は、ああだから。