こんな鮮やかな紅を、私はその日初めて見た。


触れると、自分の指に紅がうつって、赤く染まるんじゃないかと思うほど


その紅色をしばらく眺めていると、目が瞬きを繰り返す。


私はゆっくりと紅色のそれを手のひらに乗せた。


ずっしりと重く、厚みがある。


あぁ、これが紅きものの存在感かと私は思う。


こんなに強く、ここに「在る」と主張してくるものを私はいままで見たことがない。




…あ、なんの話かまったくわからない始まりですみません。


先日お話したのですが、私の携帯君は一週間ほど修理の旅に出ていたのですが、なんと今日!完全復活を果たして帰ってきました。

いやぁ、めでたい(お前だけな)


そんなわけで、一週間ほどの付き合いだった乱世携帯(由来:戦国BA●ARAの真田幸村のようなカラーリングだから)ともお別れしてきました。


※参考資料 真田幸村像 提供:アマゾン大魔神




上に書いたように、重たくってド派手で幸村、というとんでもない野郎でしたがいざいなくなって見ると、心に一抹の寂しさがあるのが不思議でございます。


いやぁ、でも自分の携帯がやっぱり一番ですね。


変換とか、カーソル移動のクセとか細かいところが幸村は気になってしゃあなかったのですが、シンジ君(注:私の携帯のこと。エ●ァ携帯であるため)は私のこと何もかもわかってくれてはりますわ。


「あ、ゆきお。いわないって変換したら言わない、がゆきおの普通なんだよね?」


うん。そうじゃよシンジ。さすが、君はよくわかってる。


ちょっと前まで一緒に生活してた幸村はさぁ、
「ゆきお!いわないって言ったら岩内だよな!いつ岩内行くんだ?」(注:真田幸村の口調をよく理解していない輩が書いております。こんなんじゃなかったら申し訳ない)

とかぬかしよったのよ。


岩内ってどこじゃいいいい!!って言いながら奥歯をガタガタ言わそうかと思ったわ。


さすが戦国武将、なんでも地名にしたがるのだ。


でも、そんなところも幸村のかわいいところではあったんですけど。


…私の胸に、あたたかいものが蘇る。


たぶん今頃、幸村は私のことなんか忘れてると思うけど(訳=初期化されてると思うけど)、私 幸村とともに戦った日々を忘れない。


あなたと暮らした日々を、忘れない。


真っ赤に染まる夕日を見るたびきっと貴方を思い出す。






※私の瞼にうつる幸村の思い出参考資料↑