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今更2012年に萌えたBL漫画ランキングを発表してみる2


昨日に引き続き発表の続きです。
今日は4位まで!



7位



木原音瀬さんのオリジナル原作と小椋ムクさんの作画!ということでcabの目玉連載として始まったこの作品も約4年の月日を経てようやく完結。
この作品が雑誌で始まった当時、わたしはBL小説ってあんまり読んだことがなくて雑誌についていた「キャッスルマンゴー」のプロローグ的な木原さんの小説「リバーズエンド」がほぼBL小説初読みでした。
懐かしい。いまはちょこちょこですが、小説も読んでいる感じになりました。

とまぁどうでもいいことはおいといて、この本とにかく分厚い!250p超えです。
1巻で十亀がゲイと知った万は弟を十亀に狙われていると勘違いして、十亀の注意を自分に引きつけるため、十亀に「酔った勢いで抱かれた」と嘘をつき、付き合い始めるのだが、次第に万自身、十亀のことを好きになっていってしまっていて……というところまでだったのですが、2巻はそんな「万が最初についた嘘」が十亀の知るところになり、同時にいろんな勘違いも重なってふたりがすれ違うエピソードを中心に展開されていきます。
すれ違いメインな上にさすが木原さんと言うべきか、ふたりの周囲に次々と「うへぇ」って思うような大変なことが起こるので、なかなか甘い雰囲気にはならないのですが、だからこそラストが美しく、特に十亀の変化がすごく愛おしく感じられるのが素敵でした。
「キャッスルマンゴー」2巻のその後のお話と十亀の過去が描かれる木原さんの小説「リバーズエンド」もとても素敵ですので、「キャッスル〜」が気に入った方はぜひこっちも。キャッスル〜のふたりがより愛おしくなること請け合いです。



6位



やーーっと新作でた!
河井さんすごく好きなのですが、もう遅筆で遅筆で……。
BL作家さんの遅筆な方のコミックスの出ない具合は冨○義博が聖人に見えるレベルです。

この作品もコミックスになるまで紆余曲折あったようで、元々はCRAFTさんで連載されていた作品を他社である新書館のDear+さんに移籍して連載続行、現在も進行形です(わたしたまたまDear+読者なのでリアルタイムで読んでいますが青春花〜が載るのは三ヶ月に一本がいいところですね…ああ、なんて遅筆なの河井さん…)

でも、面白いです(キッパリ)
繊細で美しい絵柄と、センシティブなモノローグ、何より演出力があって、物語にグッとひきつけられます。

あらすじとしては、所属していたサッカーチームから突然契約を切られたサッカー選手の竹中。
少し前に恋人とも別れ、自棄にやっていた竹中は学生時代にいろいろあった先輩・山崎に身を任せる。
未来のわからない、出口のない日々の中で竹中の脳裏に蘇るのはほろ苦く、もどかしかった懐かしい学生時代の記憶で……というお話。
現代編というべきプロサッカー選手だったが契約を切られたばかりの竹中が山崎と再会するお話は冒頭の2話のみで、そのあとはずっと学生時代編になっています。
物語は竹中と山崎先輩を中心に展開していますが、学生時代竹中が片思いをしていた同級生・古村と彼に名前も容姿もどことなく似ている竹中の元彼・吉村も今後お話に深く関わってきそうで、「過去、竹中と彼を囲む人間の間に一体何があったのか」が大変気になる展開。
こ、これを年に3回掲載されるかされないかのペースで読まされるこの鬼畜ぶり……!さすが河井さんです。
でも一生ついてく……。
気になった方はぜひぜひ!面白いことは保障しますんで!



5位



お話のあらすじとしては、流行らない探偵事務所をやっている鵜飼の事務所の隣にある日、新たに探偵事務所が開業した。しかも相手は高校時代の同級生の近道。同業者の隣に同業種の事務所を開くなんて非常識だと猛抗議した鵜飼だったが、近道にはアッサリ受け流されてしまう。高校時代の近道とのどうということもないのに今でも胸が少し痛くなる思い出と、小さい頃の鵜飼を襲った苦い過去。そして、今になって近道が鵜飼の前に現れた理由……いくつかの過去が繋がっていく再会ストーリー、といったところでしょうか。

連載をリアルタイムでおいかけていたんですが、初回は「んー、探偵もの…?」くらいの感じであまり好きなお話じゃないかなーと思いながら読んでいたんですが、3話くらいからの盛り上がりがすごく好きで。
1・2話でわけのわからんかった攻めの近道の心情が3話解き明かされるからでしょうか。
攻めがデレてようやく受けの鵜飼の可愛さも理解できて、一気に感情移入して読みました。
近道からあふれ出る「傍から見るとすげぇ出来る人なのに恋愛となると歪んでて残念ででもとにかく受けのことがすき」という一見パーフェクト中身駄目駄目ぶりが大変に好きです。

また、ギドさんの作品はどれもなんですが、ちゅーがえろくて可愛いです。
わりとさらっと、ガサっとした細い線の作画だと思うんですが、それが一瞬の表情を不安定に、だけど繊細に捉えていてものすごく萌える。
えろも同じでなんだかすごく幸せそうというか、お互いにすごく必死に、夢中になっている感じがするのがすごくいいなぁ、と思っています。

書き下ろしはそんなギドさんのえろくて必死なえろがいっぱい見られるのと同時に「このふたりにはお互いにしか埋められないものがあるんだな、だからふたりは結ばれたんだな」と実感できる素敵なエピソードになってますので、雑誌派の方も必見です!



4位



EDGEコミックスらしいオシャレな絵柄でリリカルに綴られる大学生同士の「ルームシェア」カップル話です。
読みながら「お前ら俺の家の隣に引っ越して来い!!今すぐだ!そう今すぐ!」と叫びました。
だってあんまり可愛いんだもの……。
キャラクターとしては大雑把でちょっと田舎者っぽくて世話好きで友達の多いノンケ(と思われる)の田中と、イケメンでクールで神経質でオシャレで面倒くさがりで交友関係狭めでゲイ(たぶん)の大原、という組み合わせで田中が攻めです。

作品としては「ルームシェアしてる大学生の生活・日常・些細なすれ違いと繋がりを描く」という感じで、イシノさんの漫画は線が太めで、コマも四角でキッチリ割られてることもあって、すごく淡々とした読み味なのですが、その淡々とした雰囲気がそのまま作品の空気になっていて、とても素敵です。

受けの大原はかなりツン強めの受けなのですが、1話に1回くらい「うわぁぁぁぁ」って叫びそうになるようなデレがあって、そこがもう転がるくらいに萌えます。
一見田中が大原のことが好きだから続いてるように見える関係が、実はずっと大原のほうの気持ちのほうが重いんだな、ってことがデレる大原の姿から伝わってくるんです。
あ、でもデレるって言っても大原が直接田中に頬染めて「好き」っていうとかそんなんじゃなくて、もっと間接的なデレです。
その愛を!田中に伝えてやれよぉぉぉって転がること何度目か……。
不器用な大原かわいいなぁ。気づいてない田中も可愛いです。要するにどっちもかわいい。

大学生のふたりはお互いにいろんなところが穴ぼこだらけで、駄目駄目で、でも、そういうふたりが穴だらけのまんまで一緒に小さな「家族みたいなもの」をやっているのがとても愛しい。

男の子ってなんていとしいの!と思える素敵なオムニバスです。丸々一冊ふたりのお話ですので、1話は短いですがかなり満足感があります。オススメ!


ものすごく今さら発表する2012年の萌えたBL漫画TOP10

こんにちは! ものすごくお久しぶりです。このブログを書いてる人、ゆきおです。
あけましておめでとうございますを言う暇もなく新年明けて3ヶ月が経過してしまいました。
アレ? こんなはずでは…。入学やら就職やらで環境がガラっと変わった皆様も、わたしみたいになんにも変わんない人も、今年も一年張り切っていきましょう(と言いつつもう一年の四分の一過ぎ去ってるけどね!)


では本題!恒例行事になっていた2012年に読んだもので面白かったBL漫画ランキング大発表です。
去年は殆どレビューできなかったので、もう語りたいことがいっぱいあってランキング自体はちゃんと去年に作っていたんです… 嗚呼、言い訳。



ドラマティックな感じで10位!




去年西田東さんは結構な冊数出て、どれも面白かったのですが個人的にはこれがダントツ良かった!
今回はブラックな西田さんです。ので、ギャグは薄め。

高校教師の城田には高校時代からの付き合いのヤクザの友人・姫野がいる。
姫野は時折城田の家にやってきては、何ということもなく帰っていく。お互いの間にある「何か」をまるで避けるように……

というような導入のお話。
攻め×攻めっぽい雰囲気でブラックで、やるせなくて、「善悪って? 愛って何?」といろんなことを考えました。
どうやっても「悪い」世界から抜け出せない、一生「いい子」「普通の人」にはなれない、悲しい「業」を背負った姫野をどうしようもなく愛した城田が、姫野のために何を決断するのか……そこがお話のキモになっています。

西田さんの作品は決して言葉で多くを語らないのですが、キャラクターの表情が、切り取られたシーンが、描かれた風景が、いろんなものを語って、胸にせまるんですよね。
そこがすごく好きです。作風としてはすごく地味で、絵柄も若い子中心にあんまり好かれない感じだと思うのですが、西田さんの作品はどこまでも「恋愛」であることに真摯な作品なのでぜひ一度お試しアレ!
邪道に見えて、どこまでも正統派の作風だと個人的には思っています。
わたしはカップルのどっちかが駄目人間なパターンに大変弱いのでこのお話と「ディヴィジョン」が大変お気に入りです。「LIFE,LOVE」もオススメ。




9位



石原さんも去年は珍しく多めにコミックス出て嬉しかったなぁ!
石原さんはちっとも完結しない現在進行形の長編と初期のガチサイバーファンタジーと単発系が作品リストにグチャグチャに並んでいて手を出しにくい作家の一人だと思いますが、個人的にこの「LOVE的」は石原入門にピッタリの作品だと思いました。
お話はなんてことありません。
フツーに格好いい、ちょっと悪いところのある高校生の親友同士の片方がある日突然「俺お前のことが好きで好きでたまんねぇんだけど、このカンジってお前をやっちまいてぇってことかな?」と言う……というところから始まるラブコメディ。
BLにはよくあるお話で、王道中の王道と言うべきシチュエーションじゃないかな。
もー今まで何百という作家さんが自分なりの「親友が突然おれを好きと言った」という話を書いていると思うのですが、やはりそこは石原さんですね。
男の子がクソ格好いい。
でも、「なにこのスーパー攻め様…?」みたいなあまりにスペック高すぎてこっちが引くような格好良さではなくて、人間味のある、「なんか探したらこんな二人いるかもしれない!」と思うくらいのリアルさと「いてくれたらいいな」という理想が程よく、しかも絶妙にブレンドされているんですよね。
ふたりの会話や距離感も「好き」といわれた瞬間に乙女思考になるのではなくて、あくまでバカを一緒にやっている親友同士の距離感を保ちつつ、「恋愛」という要素がときどき見え隠れする。
「ああ男の子ってこうでなくっちゃ!!」って思うわけです。
男の子同士の恋愛でなくてはならない理由のすべてがここにある。
BLって、素晴らしいものですね。これは決して少女漫画では描けないお話です。
石原入門にも、BLの原点に立ち返る意味でもぜひぜひ!



8位



去年鮮烈にBL業界に現れた少女漫画からの刺客・緒川さん。
なんでも元々は花ゆめ系で活躍されてた作家さんだそうで(別名義ですが)
しかもご本人は双子の姉妹で姉妹も花ゆめで描かれている漫画家さんらしいです。
二重にビックリ。
(単なる噂なので真偽のほどは知りません。でもおそらく本当、かな?)

去年の暮れに出たリブレの18禁アンソロでも鮮烈な作品を描かれていて(これも大変よかったです。もはやバッドエンドレベルの痛々しさ。世界中に大切なものは相手しかいない系破滅BL)、痛い系のお話がお得意なのかなー?と思っていたのですが、先日出た2冊目の単行本「このおれがおまえなんか好きなわけない」はガッチリコメディで、こっちもすごく面白かったです。
いろんな作風を描けるマルチ作家さんでした。今後も要注目だと思います。

で、本題の「王子と箱庭」ですが、このお話は世話係がいるほどのお金持ちの子どもだった譲はある日、父の会社の倒産でお金持ちから一転、住む家もないその日暮らしのホームレスに成り果てる。
詐欺の片棒を担いだりして日々を暮らしていたのだが、ある時昔住んでいた豪邸を譲の世話係をしていた岩瀬という男が買い取って暮らしていると知る。
岩瀬を騙して金を盗もうとする譲だが、逆に岩瀬に捕らえられてしまい…?というお話。

監禁×主従×騙し騙され というなかなかハードな要素を詰めつつも全体としてはそこまで暗くなりすぎず、とても読みやすくまとまっているのが印象的なお話です。
どこまでも暗く陰鬱に描くこともできるテーマだと思うのですが、元々緒川さんの絵柄がかなり繊細でせつなげな雰囲気なのであんまり悲惨なことを描くとちょっとコワイくらいになってしまうので、とてもバランスがいいなぁ、と感心しました。
だからといってお話がナイヨーな雰囲気漫画ではなくて、ちゃんとキャラクターの心情を追って繊細にお話が展開していく構成は見事。
岩瀬の愛なのか執着なのかわからないけど、とにかく自分しか見ていない盲目にとろかされて、甘やかされて「期待」していく譲の感情の変遷には胸が痛くなります。

さすが他のジャンルで描いていた人だな、という感じでとにかく変形ゴマや時間のとり方、モノローグの挿入の方法がすごく上手くて、とにかく読ませる漫画。

また、同時収録の「断熱線上の鼓動」という前後編もものすごく良かった!
高校生同士のヒリヒリした感情を「境界線」というモチーフを上手く使って印象的に描いておられました。
緒川さんはすごくセンスがよくて、出てくる小道具とかキャラの履いてる靴とか、オシャレで好きです。

攻めがどっちもヤンデレチックなのもほの暗い雰囲気に一役買っていて、良かったなぁ。

ちょっと痛いくらいのお話が好きな方にオススメです。




長くなってきたので続きはまた今度!



勝手に作家さんを紹介していくシリーズ1・SHOOWA




どうもこんにちは!た、大変なくらいお久しぶりです。
どもども。ゆきおです。

毎日、創作にかまけていたら最後にまともな記事を更新したのが約半年前になっていて慌てました。

また、たまにしょうもないことを呟く感じでブログしていこうと思ってますので、お暇なときにでもお付き合いくださると嬉しいです。

で、なんでこのたび戻ってきたかといいますと。

久しぶりに商業作家さんのことちょう語りたい!と思ったからです。

覚えてらっしゃる方はいらっしゃるでしょうか?
はるか昔、太古のカンブリア紀にわたしが「それぞれの雑誌の看板作家さん」の話をしたのを。

あの話をしてから結構な時間が経ち、その間もカンブリア紀まっさかりの商業BL界はさまざまな地殻変動、新種の生物の大発生が起こっておりました。

そんな中で、語り足りなかった作家さんとか、新たな注目作家さんとかを今再び語りたいぜ、勝手に!と思ったので語ります。なにこの自己満足臭。

いや、でもですね 個人のブログなんてマスター○ーションみたいなもんでどんなお題目を口にしようと結局は自己満足じゃない?(下品)ということで。


はじまりはじまり!今日のテーマは最近個人的にイチオシ!の作家さん「SHOOWA」さんいっきます。



■SHOOWA

TLコミック(ちょっとえっちな方向性の少女マンガです。基本読みきり)、NAR○T○の同人、電子書籍などでの活動ののち芹文社の花音を中心に、大洋図書のHertzや海王社のGUSHにも作品を発表している作家さん。

看板作家さん、という感じで表紙にデッカク名前を掲載するような多作な方ではないのですが、いまのところ出ているコミックスの出版元は芹文社が多いので、芹文社さんがいちばん強いコネクションを持っている作家さんなのかなぁ?という感じです(コレ結構意外なんですよね。SHOOWAさんはどっちかっていうと大洋あたりが好きそうな雰囲気の作家さんなので。個人的には花音での西田東さんみたいな立ち位置の個性派枠なのかな?と予想)

作品の特徴は、「独特のサブカル風味(オシャレさ)漂うガサっとした絵柄とギャグタッチとシリアスモードのギャップ」でしょうか。

ほんとに、作品によってガラっと表情の変わるお話を描かれる方で、その変貌ぶりは中村明日美子さんレベル(笑)
「ジンと猫は呼ぶと来ない」というコミックスに収録されている短編群を読むとそのあたりかなり堪能できますので興味のある方はぜひ。

「あなたは黒いSHOOWAさんと黄色いSHOOWAさん、どっちがお好きかしら?」と問われたら人によって答えはかわりそうです(白でなくて黄色なのがSHOOWAさんです)

漫画の描き方も結構独特で、わたしがSHOOWAさんのいちばんの特徴だな、と思うのはコマの割り方で、普通 BLの作家さんは横に長いコマと線のみで割ったコマを中心に組み立てつつ、縦の動きで変化をつける感じの方が多いと思うんですが、SHOOWAさんはほとんど正方形に近い形の小さめのコマを基調に、コマとコマとの隙間の効果とカメラアングルやキャラクターの動作を細かく切って、連続して同じシーンを切り取って見せていくことで独特の映画的な見せ方をするのが特徴だと思います。
あ、この説明わかんない?わかんなかったら一冊買ってほかの作家さんのコマ割りと比べたら一発でわかる!気にスンナ!

たぶんSHOOWAさんはフランスとかあっち系の静かな映画がすきなんじゃないかな?と想像しているんですが…どうでしょう。

現在出ているコミックス6冊のうち2冊は絶版なうえにプレミアがついちゃって入手できないので、わたしも歯噛みしているところなんですが、絶版の2冊はなんと新装版になってこの秋に出るらしいので、そっちはそのときの楽しみにしとくことにして、現在も普通に入手可能な「向日性のとびら」「ジンと猫は呼ぶと来ない」「イベリコ豚と恋と椿」「パパ'sアサシン〜龍之介は飛んでいく」の4冊のことをちょっくら紹介。

まず花音さんからの二冊「向日性のとびら」と「ジンと猫は呼ぶと来ない」は関連する作品です。

先の話にあたる「向日性のとびら」は欧州の架空の街を舞台にした物語で、主人公のシスは30代前半〜30代半ばくらいの在宅で働く自由人。
シスには彼曰く「電波」な兄がいて、彼とは随分 会っていないが、ある日突然 その兄が死んだことと、兄には養子の少年・カイがいたことを知らされる。
17歳のカイは不思議な少年で、どこか子どものような無邪気さと哀愁が漂っている。
しかも、カイはシスのベッドに夜な夜なもぐりこんでは一緒に眠ってしまうのだ。
その姿を恋人に見られてシスは恋人と破局してしまうのだが、どこか本気で悲しめない。
そんな様子をシスの悪友で街の情報屋のジンは面白おかしそうに見守る。
しかし、そんなカイとの平穏な日々も束の間、シスは自分とカイをめぐる「秘密」を知り、トラブルに巻き込まれていくことになる。

というお話です。
細かい話をするとほんとうにただのネタバレになってしまうので殆ど語れないのですが、BL漫画のたった1冊でこんなドラマチックな話をできるんだ!と わたしの中でひとつBL観を変えてくれた作品。
BLはまりたての結構初期に手にとったんですが、びっくりでした。
お話は1冊で描く内容としては複雑で、長いセリフの文字を読んだり、ミステリっぽい内容に慣れてない方にはちょっとわかりにくい内容かもしれませんが、そこをすっ飛ばして「シスとカイの恋物語」と単純化して読んでも十分楽しめると思います。

なにより、SHOOWAさんのえろってときめくんです!!←重要

そういうシーンが多い、とかではないんですが あると「せつなえろい」です。
キスするときの顔が斜めに傾く感じとか、頬や耳をなでる指、キャラの表情・アングルがとにかくいい。

「ああんらめぇぇ」的な青年誌的えろとは対極の、少女マンガ的な、擬音や汁描写などのエロ記号は極力排除してキャラの表情やカラダの動きを丁寧に見せながら描くタイプのエロスです。これがもう、ほんっとにせつなえろい……!

読みながらキュンッとなるんですよね。このオッサンになりかけのわたしでもなる!イイヨーSHOOWAさんこういうエロもっと描いてくれてイイヨー。

そんな感じの「せつなえろ」がより深化しつつ新たな要素をプラスされているのが「向日性のとびら」でシスの友人で街の情報屋として活躍したジンを中心に据えて街の「裏家業者たち」の愛とも恋とも執着ともつかない微妙な関係性を描く「ジンと猫は呼ぶと来ない」です。

こっちはせつなえろに加えて「痛えろ」が追加されております。
実際 リンチされてる、とか殴られて血みどろ、とかではなくて心が痛くなる感じの「痛えろ」

好きなのか、寂しいのか。恋なのか、執着なのか。

わからなくて、結局どうすることもできない人たちがみんなそれぞれ一方通行のまま片思いしてるみたいな群像劇なので、「BLの基本は笑顔とハッピーエンドとカップル成立」って人にはちょっと合わなさそうですが、「そういうどうしようもない閉塞感漂う不健康な奴らいいよー」な人にはたまらんと思います。わたしはたまらんかった!

でもまぁ、「ジン猫」は好み分かれそうなので、「BLの基本は笑顔とハッピーエンド」派の人にオススメしたいSHOOWA作品デビューに最適・最近ドラマCDにもなっちゃったりしてSHOOWAさんがスターダムに押しあがるキッカケになりそうな一作が「イベリコ豚と恋と椿」です。

さっきの「向日性」シリーズとは違って舞台は普通に日本。
主人公らはちょっと不良の高校生。
町には不良だけど、ゴミ拾い活動をしている「仁義あるワル」たち「イベリコ豚」というのがいる。
近隣でも有名なイカレ野郎のイベリコ豚に、ある日 椿は「道にゴミを捨てた」と勘違いされてしまう。
濡れ衣だ、といくら主張しても引かないイベリコ豚のメンバーと道端で言い争いになっていると、椿の前にイベリコ豚のリーダーで通称・イベリコと呼ばれる男が現れる。
話を聞いたイベリコは椿にあっさり謝ると、イチャモンをつけてしまった詫びにファミレスでおごってくれるという。イベリコの男気に触れるうちにイベリコになついてしまった椿はイベリコの通う高校におしかけて放課後つるむようになっていくのだが…というお話。

ここではあらすじ書けなかったんですが、椿とイベリコの話以外にも、イベリコ豚の幹部的二人・吉宗と源治のお話も入って、不良同士で2カプ読める連作になっています。
「向日性」シリーズではちょっと影をひそめていたSHOOWAさん独特のギャグもしっかり利いていて、ちょっと下品なところがありつつも(笑)明るくてスカッとしてて、たまーにSHOOWAさんらしい重たい話があるんですけど、そういう過去があって今が明るく楽しい、という話なので暗いところにおちる感じじゃなく読めるので 多分 このお話がいちばん間口が広くていろんな人が読んで「スキ!」となるお話だと思います。
わたしもこのお話どっちのカップルも大好きです。
椿のまっすぐ可愛いとこもいいし、イベリコの食えないところや不器用なやさしさも好きだ。
吉宗は不幸体質好きには文句なしの男前だし、お相手の源治も大人ぶってる等身大の男子で素敵。
相変わらずえろいとこもときめくえろ。

で、そんな感じでSHOOWA作品にすっかりはまってしまったアナタ様に最後に読んで欲しいのがこれ!
現在も連載中の最新作「パパ'sアサシン」です。

なにこの変なタイトル、と思った方。
……わたしも思った……。でも、読んで思いました。SHOOWAさんのタイトルセンスはパネェ、と。
このタイトルでゴーサイン出したHertzの度量にも感心した。「これじゃ売れない」とわたしが担当だったらもうちょい無難なタイトルにかえさせるところです(笑)
でも、面白いです文句なし!

あらすじはネタバレになるので難しいんですが、ごく普通の高校生の龍之介はモテモテ男前の父・ダニエルと二人暮らし。龍之介は知らされていないが、龍之介は14年前 ダニエルがある女性から託された子どもだった。気の置けない友人もいて、楽しい毎日を送る龍之介だが、実は父のダニエルにはいえない悩みを抱えていて…というお話。

主役はSHOOWAさんお得意の「ビッチなのに一途な受け」です。
わたし、龍之介みたいな子大大大好きです。
心は一途なのに、寂しいからカラダはビッチになっちゃう受け…。
え、苦手だって?……まじか。しかし皆さん!いつも思うんですが、ビッチって言うとちょっと「え…」ってヒキ気味になっちゃうのはわかるんですが、読んだら絶対「この子ええ子やぁ…!」ってなりますからね。
SHOOWAさんの描く少年の哀愁漂う一瞬の表情は本当にすばらしいです。
なんか「無理してる笑顔」とか、「必死に泣くのを我慢して普通の顔してる普通の顔」とかがわかるんです。
こんな微妙な表情描ける作家さんはなかなかいない。
漫画家さんの絵のうまさ、というのはいろんな種類があって、線が綺麗だとか、背景がちゃんと描けてるとか、絵柄が好みだとかいろんなポイントがあるとおもうんですが、わたしは何より「表情を描くのがうまい作家さん」の絵にときめきます。
そのたったひとコマからいろんな気持ちが滲むような「行間を読ませる絵」に惹かれるんですよね。
SHOOWAさんは間違いなくそれができる稀有な作家さんです。大好き!

まだ読んだことのない方、悪いことは言わないので「ちょっと読んでみたい」と思った作品からでいいのでぜひぜひ。








「初恋のあとさき」日高ショーコ 感想





1ヶ月沈黙してましたゆきおですどうもこんばんは!

こんなに更新しなかったのはもしかしたら初めてなんじゃないでしょうか…ビクビク。

その間に感想書きたい作品が山のように増えてしまいました。

特に2月のBL新刊はやばかったです!

何回 萌え転がったかわからない笑

一般漫画で最近はまっているのは「ドリフターズ」です。

今更読んだんですが、心地いい少年漫画のリズムで、久々に少年漫画脳が取り戻されています。

キャラがいいってああいう漫画をいうんだね。

今はまた長期休載モードですが「HUNTER×HUNTER」も相変わらずの月曜日の楽しみにしてました。

冨樫さん早く続きくれ笑!

……とまぁ、軽い近況でした。

漫画の話しかしてないですね。


では本題。

2月の萌え転がった漫画堂々1位、「初恋のあとさき」の感想です。

もうレビューではない気がしたのでレビューとは言いません。

ああーーー!でもですね!!これ私が感想書く必要全くないの!!

みんな日高さんが神であらせられることは知ってるし、私の感想なんかが及ぶような次元の話じゃあないもの!わかってる!

でも書かずにはいられない!

そのパッションだけで書きなぐる。

先に言います。この感想なんか読まなくていいから早く買って読んでください。

日高さんが大好き!これからもずっとずっと応援してる!

日高さんがBL漫画を描き続けてくれること以上に素晴らしいことはありません。グス(涙)



■あらすじ■

仁科が仕事の打ち合わせに訪れたカフェは、学生時代の親友・美山がオーナーを勤めるカフェだった。
10年ぶりの再会を懐かしむ仁科とは対照的に 美山は自分を覚えていないかのような素っ気無い態度をとる。
あの頃、確かに存在した「友達以上」の関係。
傷つけて、壊したのは自分だった。
でも、今は あの時の選択を後悔している。
今なら、俺はあいつを変えてやれるんだろうか?
なくしてしまった初恋の「先」を探す 再会ストーリー。



■感想■

今作は一応、「嵐の後」という作品では脇役だった美山を主人公にした作品 ということで他作品のスピンオフなのですが「嵐のあと」を読んでいなくても全く問題ないつくりになっています。
表題作品の後に「嵐のあと」の続編の「Double line」が入っていて、その内容がさすがに「嵐のあと」を読んでいないとわかりにくい、という点以外……つまり、「初恋のあとさき」をただ読む分には「嵐のあと」を読んでいなくてもなんの問題もないと思います。
ので、今作から日高さんを読んでみたい という方もなんら恐れることはない、というわけですね。一応、マジメに本の構成のことを書いてみました。

さて、肝心の内容についてですが 「嵐のあと」では榊と「お互い冷めたカラダだけの関係」というのを結んでいた美山が彼の「薄情な性格」を形成する元になったトラウマで初恋の相手の仁科に再会するところからお話は始まります。

けれど、あらすじにも書きましたが美山は仁科を「知らないフリ」する。

「正しい道」を進んで、一流企業に入って すすめられるままに結婚をしたけど、結局 仕事に命をかけるような情熱を持っているわけでもないし、結婚も失敗した仁科にとって、高校時代に話していた「カフェのオーナーになりたい」という最初の夢をきちんと叶えた美山はどこか眩しく映っていたような そんな印象を個人的に受けました。
仁科はいつも美山に憧れていたんじゃないかな、と。
誰かの言葉に従って、マジメに正しく歩いて……でも結局 何も掴み取れない自分とは対照的に、自分の望む道に近づくために何をしたらいいのかそれを自分で考えて、確実に進んだ結果 きちんと自分の望みを叶えた美山に。
だからこそ、自分を忘れた美山がせつなくて 仁科には苦しかったのかな と。
もう自分なんて美山にはどうでもいいのかもしれない、と思うと仁科は苦しくてせつなくて、何度も美山に会いに店に行くようになった気がします。

けれど、1話ラストで 休みの店にノコノコやってきた仁科に最後のタガが外れた美山は仁科に自分がずっと仁科を忘れていなかったことを明かす。

そこから2話は美山視点に移るのですが、そこで描かれている美山の心情のせつなさったらなかった!!

無視してやってるんだから、後ろめたかったらきっともう来ない。
それでも来るってことは、もうあの時のことなんて仁科にとってはどうでもいい 忘れたことだからだ と思う美山に私、涙目。

「派手でとっつきにくい奴だって思ったけど お前といると話も合うし 楽しいな 俺 お前のこと好きだよ美山」と、仁科に言われた記憶を思い出して 苦しくなる美山には号泣ですよ。

美山にとって仁科の存在は死ぬほど特別で、どこまでいっても 誰も代わりにはならないし 代わりにならないどころか埋め合わせにすらならない存在なんだ ということが痛いくらいに伝わる描写でした。

日高さんの描く「恋心」ってなんでこんなにもときめくのかしら、といつも思うのですが そのキャラにとって 相手がどれだけ特別で、心の深くの自分自身を形成する一部か ってことをこれでもか!ってくらいしっかり描いてくださってるからなのかなーって思います。
何か特別な言葉やエピソードがあるわけじゃないんだけど とにかくその掘り下げがすごい。

エピソード自体は どこかにはきっとある「普通」の恋の物語でも その人にとっては特別な恋である、ということを描くことが オリジナリティでリアリティなんだろうなぁ と思う次第です。

で、時間軸が1話の後に戻り、美山は10年前の別れ際仁科に言われた言葉をぶつける。

「マトモな人生送りたいから 俺とは二度と会いたくない こんな関係卒業するまでだろ お前もそろそろ目を覚まして マトモになれよ だっけ?」

たぶん、このとき美山が言った言葉は10年前に仁科が言った言葉と一言一句違わなかったんだろうなーと思います。
美山の記憶力がいいのはまぁ、そうなんでしょうが 10年も前に言われた言葉を一言一句忘れずに正確に覚えているのは 仁科とのことが美山にとって それだけ特別な記憶だ ということなんだろうな と思います。
そこがせつなくて、苦しくって もう「美山ぁぁ」ですよ。
なんかこのへんからずっと泣いている記憶が。

自分の感情の動揺具合が怖くなって「帰れ」と美山は言うのですが、仁科は「お前のとこ行く、今のお前が知りたい」と美山の言葉を拒否する。

仁科に押されて、美山は改装中の自分の家に仁科を連れて行くなり「さっきも言ったけど、俺はお前と違ってマトモになれなかった。お前のこともカラダ込みでしか考えられない」とすごむ。

たぶん、美山はここまでしたら仁科はあの時みたいに逃げると思ったんでしょう。
コイツは結局 自分と同じ場所には立とうとしないんだから こっちの本気さみたいなものを見せておどかせばきっと逃げる とそんな風に思っていた気がします。

でも、仁科は美山を拒まないんですよ。

「いいよ。明日は休みだし 泊まれる」と美山の指に自分の唇を触れさせる。

このシーン私だいすき!!!

この美山×仁科 ってなんとなくなんですが指えろが多くてですね そこがすごく好きです。
たぶん 仁科が美山の作るコーヒーが好きで そのコーヒーを作ってるのがこの指だ と思うと指に対して こう、愛おしさというか 特別な高揚があるのかな と思いますが。

えろすにも何かキャラの背景が透けるのってすごくいいなぁ って思うのですよね。
えろすだけなんか浮き上がって「ダレ?」ってなってる話ってわりとありますが日高さんの作品は間逆で、えろいシーンこそ「美山だな」「仁科だな」って実感します。


けれど甘い時間は長く続かなくて、「どうして指輪してないの?」と問うた美山に仁科が「離婚した」と答えたことに 美山は激高してしまう。

寂しいときに たまたま 自分に未練タラタラな俺に出会って、気分よくなったから 埋め合わせにこうなるのか と思った美山は仁科を追い返す。

仁科も美山の言葉が一部 本当だったので、何も言えないまま 家路につくことになる。

"派手で目立つ美山が自分を好きなことが 気分が良くて あの頃みたいに幸せだと思った"

この部分を読んで 仁科の気持ちは確かに美山ほど純粋じゃないと思うのですが、小さな歪みを含んでいてもやっぱり 仁科は美山が好きなんだな、と思わされました。

仁科にとって、自分を満たしてくれた存在 というのは美山だけだったんだな と思うわけです。
別れた奥さんでも、家族でも 誰でもなく。

美山にそれがわからないのも当然なんですが……。
美山はいい意味でも悪い意味でも真っ直ぐすぎるんでしょうね。
感情がとてもストレート。
でも仁科はもう少し複雑で、いろんな打算も含んでいる。
自分を満たしてくれる美山が、自分にはないものを持つ美山が好き。
ただ「仁科が好き」な美山と仁科との間には恋心に僅かな質の差があるんでしょう。
どっちが偉いとかではなくて、単に二人の性格や性質の違いなのですが。

そして物語は佳境に入るのですが まず先に美山を捨てた時の……高校生の仁科の心情が描かれます。

仁科は人前でも気にせず ベタベタする美山に戸惑い、悩む。
けれど そんな仁科の気持ちは置き去りにどこまでも「好きだ」「もっと先に進みたい」と気持ちをぶつける美山。

"美山は露骨で重くて先のことなんて何も考えてなくて 怖い"

仁科の迷いが痛いほど伝わってきて、そうだよなぁ と思わず頷いてました。
美山には簡単に飛び越えられたものでも、仁科にはとても高く恐ろしい壁だったのだな と思うのです。

でも、美山はその迷いを無視した。
自分の感情を優先して 仁科の気持ちを待つことをしなかった。
それが二人が壊れてしまった理由だったんだ、と。
だから、美山にも問題はあったわけですよね。
美山の真っ直ぐさは当時の仁科にとって凶器だったのでしょう。

そして、その刃が自分を壊しそうになったことに怯えた仁科は美山を傷つけて別れるしかなくなってしまった。

10年前の未熟な仁科にはそれが精一杯だったんだよな……と思わず涙でした。

でも、もう今は違う。今は周りなんて気にしない。
今の俺なら…あいつを変えてやれるのかな?と新しい結論を導き出した仁科は再び美山に会いに行く。

こっからは いやぁ 仁科男前でしたね!

私、美山の女々しさも好きなんですが女々しく見えて最後の最後 腹をくくったときの仁科の男前具合も大好きです。
「嵐のあと」の二人もそうなんですが、ノンケとゲイのカップルってゲイが先に追っかけてノンケをおっことして始まることが多いんですけど、ノンケの方が本気になったとき 逆にゲイって怯えて怖くなって逃げようとする傾向があると思うんですよ。
美山も言ってますが「どうせ逃げるくせに」「結局女に戻るくせに」とノンケの本気を信じてない。
でも、腹をくくったノンケって強くて一回「お前とやってく」って決めたら迷わないのはノンケの方だと思うんですよ笑
そういう男前さがすごく いいなぁって思います。

この後 無事にくっついた二人のやりとりはもう素敵過ぎて何もいえないです笑
あえて言うと、美山が目を覚ますと、ガタガタと美山の家の窓の寸法を測っている仁科が素敵でした。
美山がボソっと言う「お前って仕事好きね」の一言も含めて。

仁科の気づかないことを美山は気づくんだなーと。
仁科は自分が思うよりずっと、仕事がすきなんでしょうね。

ラストシーンまで全部、ほんとうに良かった!
いやぁ、もう大好きです。

日高さんの作品はどれも大好きで読む前にいっつもものすごい高いハードル設定してるんですけど それをアッサリ越えてね…。
日高さんの作品は決して奇をてらってないし エピソードも設定も 何度も描かれてきた王道なんですが、それが唯一無二の恋物語になっているのが本当に凄い。

仁科も美山も すごく「生きている」感じがする。
それが愛おしくて 素晴らしいんですよね。

……とうことで、また素晴らしい宝物が増えてしまいましたよ。
長々書きましたが まだ読んだことのない皆様 悪いことは言わないので早く買って読んでみてください!
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「きぐるみプラネット」麻々原絵里依 レビュー







■あらすじ■

大学生の大輔はある日 行きつけのゲームショップでピンクのキグルミウサギに出会う。
大輔が買おうとしていたものを欲しがっていたゲームをウサギに譲ったことをキッカケにウサギに一目ぼれされた大輔。
けれど、アリタと名乗ったキグルミウサギは なぜかどこで会ってもキグルミを脱ごうとはしない。
不思議に思った大輔が冗談半分で「もしかすると脱ぐと死んじゃうとか?」と尋ねると、アリタは「はい、僕 このキグルミを地上で脱ぐと死んでしまう地底人なんです」と言って…?


■レビュー■

あらすじ見てもらえればわかると思うんですが、かなり荒唐無稽なお話です笑!
私は表紙を見て、「きぐるみバイトでもしてる子と普通の大学生の恋」とかまぁそんなんだろう、と思って買ったのですが(私は基本 裏表紙のあらすじ読みまないんですよねー)全然違った!「プラネット」が意外と重要な要素でした…笑
お話は地球のどこかにきぐるみ型スーツを着ていないと死んでしまう地底人が住んでいて、その地底人は日本のゲームが大好きで そんなキグルミ地底人のひとりのアリタに一目ぼれされたごく普通の大輔は彼らと関わるうちに彼らをとても好きになるのだが、地底人の存在をかぎつけた政府役人が地底の調査に乗り出して…とラブコメ→ちょっとしたファンタジーと展開していきます。
まぁ、そういうわけで ラブは薄いです 限りなく…笑
アリタと大輔がただの親友的なポジションでも全くおかしくないくらいにラブは 薄い…笑
ので、濃いエロは期待しないほうが無難です。
けれど、それを補ってあまりあるほど 出てくるキグルミが可愛いですし(さすが麻々原さんはキグルミフェチなだけある…!)、個人的に大輔くんとアリタくんのキャラクターはすごく可愛くて 愛すべきひとたちだな!という感じがしています。
また、本編も楽しいですが 1巻2巻ともにオマケがすごく楽しいです笑 ネタバレよくないので内容は言いませんが、コミカルで楽しい書き下ろしになっています。

いろいろ書きましたが、可愛いキャラものが好きな方、一読の価値があると思いますので是非ぜひ。


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