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「初恋のあとさき」日高ショーコ 感想





1ヶ月沈黙してましたゆきおですどうもこんばんは!

こんなに更新しなかったのはもしかしたら初めてなんじゃないでしょうか…ビクビク。

その間に感想書きたい作品が山のように増えてしまいました。

特に2月のBL新刊はやばかったです!

何回 萌え転がったかわからない笑

一般漫画で最近はまっているのは「ドリフターズ」です。

今更読んだんですが、心地いい少年漫画のリズムで、久々に少年漫画脳が取り戻されています。

キャラがいいってああいう漫画をいうんだね。

今はまた長期休載モードですが「HUNTER×HUNTER」も相変わらずの月曜日の楽しみにしてました。

冨樫さん早く続きくれ笑!

……とまぁ、軽い近況でした。

漫画の話しかしてないですね。


では本題。

2月の萌え転がった漫画堂々1位、「初恋のあとさき」の感想です。

もうレビューではない気がしたのでレビューとは言いません。

ああーーー!でもですね!!これ私が感想書く必要全くないの!!

みんな日高さんが神であらせられることは知ってるし、私の感想なんかが及ぶような次元の話じゃあないもの!わかってる!

でも書かずにはいられない!

そのパッションだけで書きなぐる。

先に言います。この感想なんか読まなくていいから早く買って読んでください。

日高さんが大好き!これからもずっとずっと応援してる!

日高さんがBL漫画を描き続けてくれること以上に素晴らしいことはありません。グス(涙)



■あらすじ■

仁科が仕事の打ち合わせに訪れたカフェは、学生時代の親友・美山がオーナーを勤めるカフェだった。
10年ぶりの再会を懐かしむ仁科とは対照的に 美山は自分を覚えていないかのような素っ気無い態度をとる。
あの頃、確かに存在した「友達以上」の関係。
傷つけて、壊したのは自分だった。
でも、今は あの時の選択を後悔している。
今なら、俺はあいつを変えてやれるんだろうか?
なくしてしまった初恋の「先」を探す 再会ストーリー。



■感想■

今作は一応、「嵐の後」という作品では脇役だった美山を主人公にした作品 ということで他作品のスピンオフなのですが「嵐のあと」を読んでいなくても全く問題ないつくりになっています。
表題作品の後に「嵐のあと」の続編の「Double line」が入っていて、その内容がさすがに「嵐のあと」を読んでいないとわかりにくい、という点以外……つまり、「初恋のあとさき」をただ読む分には「嵐のあと」を読んでいなくてもなんの問題もないと思います。
ので、今作から日高さんを読んでみたい という方もなんら恐れることはない、というわけですね。一応、マジメに本の構成のことを書いてみました。

さて、肝心の内容についてですが 「嵐のあと」では榊と「お互い冷めたカラダだけの関係」というのを結んでいた美山が彼の「薄情な性格」を形成する元になったトラウマで初恋の相手の仁科に再会するところからお話は始まります。

けれど、あらすじにも書きましたが美山は仁科を「知らないフリ」する。

「正しい道」を進んで、一流企業に入って すすめられるままに結婚をしたけど、結局 仕事に命をかけるような情熱を持っているわけでもないし、結婚も失敗した仁科にとって、高校時代に話していた「カフェのオーナーになりたい」という最初の夢をきちんと叶えた美山はどこか眩しく映っていたような そんな印象を個人的に受けました。
仁科はいつも美山に憧れていたんじゃないかな、と。
誰かの言葉に従って、マジメに正しく歩いて……でも結局 何も掴み取れない自分とは対照的に、自分の望む道に近づくために何をしたらいいのかそれを自分で考えて、確実に進んだ結果 きちんと自分の望みを叶えた美山に。
だからこそ、自分を忘れた美山がせつなくて 仁科には苦しかったのかな と。
もう自分なんて美山にはどうでもいいのかもしれない、と思うと仁科は苦しくてせつなくて、何度も美山に会いに店に行くようになった気がします。

けれど、1話ラストで 休みの店にノコノコやってきた仁科に最後のタガが外れた美山は仁科に自分がずっと仁科を忘れていなかったことを明かす。

そこから2話は美山視点に移るのですが、そこで描かれている美山の心情のせつなさったらなかった!!

無視してやってるんだから、後ろめたかったらきっともう来ない。
それでも来るってことは、もうあの時のことなんて仁科にとってはどうでもいい 忘れたことだからだ と思う美山に私、涙目。

「派手でとっつきにくい奴だって思ったけど お前といると話も合うし 楽しいな 俺 お前のこと好きだよ美山」と、仁科に言われた記憶を思い出して 苦しくなる美山には号泣ですよ。

美山にとって仁科の存在は死ぬほど特別で、どこまでいっても 誰も代わりにはならないし 代わりにならないどころか埋め合わせにすらならない存在なんだ ということが痛いくらいに伝わる描写でした。

日高さんの描く「恋心」ってなんでこんなにもときめくのかしら、といつも思うのですが そのキャラにとって 相手がどれだけ特別で、心の深くの自分自身を形成する一部か ってことをこれでもか!ってくらいしっかり描いてくださってるからなのかなーって思います。
何か特別な言葉やエピソードがあるわけじゃないんだけど とにかくその掘り下げがすごい。

エピソード自体は どこかにはきっとある「普通」の恋の物語でも その人にとっては特別な恋である、ということを描くことが オリジナリティでリアリティなんだろうなぁ と思う次第です。

で、時間軸が1話の後に戻り、美山は10年前の別れ際仁科に言われた言葉をぶつける。

「マトモな人生送りたいから 俺とは二度と会いたくない こんな関係卒業するまでだろ お前もそろそろ目を覚まして マトモになれよ だっけ?」

たぶん、このとき美山が言った言葉は10年前に仁科が言った言葉と一言一句違わなかったんだろうなーと思います。
美山の記憶力がいいのはまぁ、そうなんでしょうが 10年も前に言われた言葉を一言一句忘れずに正確に覚えているのは 仁科とのことが美山にとって それだけ特別な記憶だ ということなんだろうな と思います。
そこがせつなくて、苦しくって もう「美山ぁぁ」ですよ。
なんかこのへんからずっと泣いている記憶が。

自分の感情の動揺具合が怖くなって「帰れ」と美山は言うのですが、仁科は「お前のとこ行く、今のお前が知りたい」と美山の言葉を拒否する。

仁科に押されて、美山は改装中の自分の家に仁科を連れて行くなり「さっきも言ったけど、俺はお前と違ってマトモになれなかった。お前のこともカラダ込みでしか考えられない」とすごむ。

たぶん、美山はここまでしたら仁科はあの時みたいに逃げると思ったんでしょう。
コイツは結局 自分と同じ場所には立とうとしないんだから こっちの本気さみたいなものを見せておどかせばきっと逃げる とそんな風に思っていた気がします。

でも、仁科は美山を拒まないんですよ。

「いいよ。明日は休みだし 泊まれる」と美山の指に自分の唇を触れさせる。

このシーン私だいすき!!!

この美山×仁科 ってなんとなくなんですが指えろが多くてですね そこがすごく好きです。
たぶん 仁科が美山の作るコーヒーが好きで そのコーヒーを作ってるのがこの指だ と思うと指に対して こう、愛おしさというか 特別な高揚があるのかな と思いますが。

えろすにも何かキャラの背景が透けるのってすごくいいなぁ って思うのですよね。
えろすだけなんか浮き上がって「ダレ?」ってなってる話ってわりとありますが日高さんの作品は間逆で、えろいシーンこそ「美山だな」「仁科だな」って実感します。


けれど甘い時間は長く続かなくて、「どうして指輪してないの?」と問うた美山に仁科が「離婚した」と答えたことに 美山は激高してしまう。

寂しいときに たまたま 自分に未練タラタラな俺に出会って、気分よくなったから 埋め合わせにこうなるのか と思った美山は仁科を追い返す。

仁科も美山の言葉が一部 本当だったので、何も言えないまま 家路につくことになる。

"派手で目立つ美山が自分を好きなことが 気分が良くて あの頃みたいに幸せだと思った"

この部分を読んで 仁科の気持ちは確かに美山ほど純粋じゃないと思うのですが、小さな歪みを含んでいてもやっぱり 仁科は美山が好きなんだな、と思わされました。

仁科にとって、自分を満たしてくれた存在 というのは美山だけだったんだな と思うわけです。
別れた奥さんでも、家族でも 誰でもなく。

美山にそれがわからないのも当然なんですが……。
美山はいい意味でも悪い意味でも真っ直ぐすぎるんでしょうね。
感情がとてもストレート。
でも仁科はもう少し複雑で、いろんな打算も含んでいる。
自分を満たしてくれる美山が、自分にはないものを持つ美山が好き。
ただ「仁科が好き」な美山と仁科との間には恋心に僅かな質の差があるんでしょう。
どっちが偉いとかではなくて、単に二人の性格や性質の違いなのですが。

そして物語は佳境に入るのですが まず先に美山を捨てた時の……高校生の仁科の心情が描かれます。

仁科は人前でも気にせず ベタベタする美山に戸惑い、悩む。
けれど そんな仁科の気持ちは置き去りにどこまでも「好きだ」「もっと先に進みたい」と気持ちをぶつける美山。

"美山は露骨で重くて先のことなんて何も考えてなくて 怖い"

仁科の迷いが痛いほど伝わってきて、そうだよなぁ と思わず頷いてました。
美山には簡単に飛び越えられたものでも、仁科にはとても高く恐ろしい壁だったのだな と思うのです。

でも、美山はその迷いを無視した。
自分の感情を優先して 仁科の気持ちを待つことをしなかった。
それが二人が壊れてしまった理由だったんだ、と。
だから、美山にも問題はあったわけですよね。
美山の真っ直ぐさは当時の仁科にとって凶器だったのでしょう。

そして、その刃が自分を壊しそうになったことに怯えた仁科は美山を傷つけて別れるしかなくなってしまった。

10年前の未熟な仁科にはそれが精一杯だったんだよな……と思わず涙でした。

でも、もう今は違う。今は周りなんて気にしない。
今の俺なら…あいつを変えてやれるのかな?と新しい結論を導き出した仁科は再び美山に会いに行く。

こっからは いやぁ 仁科男前でしたね!

私、美山の女々しさも好きなんですが女々しく見えて最後の最後 腹をくくったときの仁科の男前具合も大好きです。
「嵐のあと」の二人もそうなんですが、ノンケとゲイのカップルってゲイが先に追っかけてノンケをおっことして始まることが多いんですけど、ノンケの方が本気になったとき 逆にゲイって怯えて怖くなって逃げようとする傾向があると思うんですよ。
美山も言ってますが「どうせ逃げるくせに」「結局女に戻るくせに」とノンケの本気を信じてない。
でも、腹をくくったノンケって強くて一回「お前とやってく」って決めたら迷わないのはノンケの方だと思うんですよ笑
そういう男前さがすごく いいなぁって思います。

この後 無事にくっついた二人のやりとりはもう素敵過ぎて何もいえないです笑
あえて言うと、美山が目を覚ますと、ガタガタと美山の家の窓の寸法を測っている仁科が素敵でした。
美山がボソっと言う「お前って仕事好きね」の一言も含めて。

仁科の気づかないことを美山は気づくんだなーと。
仁科は自分が思うよりずっと、仕事がすきなんでしょうね。

ラストシーンまで全部、ほんとうに良かった!
いやぁ、もう大好きです。

日高さんの作品はどれも大好きで読む前にいっつもものすごい高いハードル設定してるんですけど それをアッサリ越えてね…。
日高さんの作品は決して奇をてらってないし エピソードも設定も 何度も描かれてきた王道なんですが、それが唯一無二の恋物語になっているのが本当に凄い。

仁科も美山も すごく「生きている」感じがする。
それが愛おしくて 素晴らしいんですよね。

……とうことで、また素晴らしい宝物が増えてしまいましたよ。
長々書きましたが まだ読んだことのない皆様 悪いことは言わないので早く買って読んでみてください!
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3月20日にいただいた拍手コメントへのお返事



泉さんへ


うわぁ、気づくの遅れちゃってすみません!!

しつこくなんてないですよ!!ものすごく嬉しいです…!
「あふれそうなプール」から石原さん祭りだった…わかります!!
私も最初にはまった石原さんの作品が「あふれそうなプール」だったんですが、もうそれ読んだ後 著作を全部あさって買いました笑
ふとした瞬間に感じる男の色気、という言葉に私も床を叩いてます。
ものすごくわかりますその通り…!
女の子とじゃ絶対出せない空気感がありますよね。
受けでも攻めでも、一人の人間として相手と対峙してる あの独特の強さや張り詰めた空気が とにかくエロス ですよね…!
そういう関係性が私も大好きです。

そして今月号のディアプラス私も読みました…!
まさかまた阿沙利と彰伊を見られるとは思わなかったので思わず「ヤッター!!」って叫んじゃいました笑
ホントか嘘かわからないけど 衝撃的な阿沙利さまの発言には思わずときめきましたね!
私は本当だと信じています笑
そしてビックニュースってあれですよね!二冊の「ほん」…!
私も今からものすごく楽しみです…!
ドラマCDについてたらしい書きおろしのプチコミックスの作品も収録されないかなーとか思っているんですが、それはさすがに難しいんでしょうかね。

なんにせよ楽しみです!

また泉さんとお話できてとても嬉しいです。
また、ぜひ話しかけてやってください。
メッセージに気づくのが遅れてしまってすみませんでしたorz
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