○月5日
タクミさんとお父様が子供に戻ってしまいました。凛々しいタクミさんが子供になったことでカムイさんを見て甘えるのが珍しい光景でした。お父様は、大人しく口数が少ない方でした。お二人とも身体だけじゃなく頭の中も子供に戻っています。なるだけコミュニケーション取りながら記憶が戻ればいいのですか。
○月10日
お父様にトマトを出したら嬉しそうに食べました。子供に戻らなければ見られない表情をしていました。食べてからお父様はすぐに眠りました。軽い身体をしていました。明日も遊んで喜ばせましょ。
○月21日
最近お父様が元気がありません。風邪でもありません。聞いても「何でもない」とだけ言うだけです。ゼロが言うのにはタクミさんが意地悪してきてカムイさんと遊べなくて困っているそうです。
○月23日
タクミさんに気づかれないようにカムイさんと遊んでからお父様が機嫌がよくなりました。笑った顔が気品がありながら可愛らしいです。
○月28日
買い物帰り城の外タクミさんが外で寝ていたのを見つけ帰りました。タクミさんは大人しく人形遊びをしていました。ヒノカさんがタクミさんを見つけると物凄い剣幕で怒っていました。タクミさんは、わーんわーん泣きながら僕に小さく「ごめんなさい」と言っていました。
「意味がわからなかったけど。お父様もう十日間も眠って起きない。」
マークス伯父さんが言うにはブリュンヒルデが急に暴走したそうです。カムイさんにあげようとしたサファイアの首飾りをタクミさんにふざけて壊されたことが暴走したそうです。何とかサファイアの首飾りが直しお父様が泣きつかれ起きなくなりました。
「お父様そろそろ起きないとお腹空きますよ。」
頬を撫でる瞼がゆっくり開いた。
「お父様おはようございます。おかげんどうですか。」
「フォレオ…僕いつの間にベットで寝たの」
「もう十日も眠っています。」
「僕休憩室でタクミと水飲んだところまで覚えている。今何日?」
「お父様記憶が戻っているのですか。」
「あぁ。でも僕身体が子供のままだよ。わぁフォレオ」
「戻ってきてくれてよかったです。」
「フォレオ苦しい……ゆるめて」
子供の身体で抱きつかれて身じろぎをした。