「ジョーカーさん!………ジョーカーさん」
「姉様頑張って!!」
二時間も陣痛で苦しむ妻の手をジョーカーは、握る。
「カムイ大丈夫だ!私がついている。頑張れお母様になるだろう!」
「はわわわ。カムイ様呼吸を楽にふーふーふー」
巫女のサクラが祈祷をし。ヒノカが母になる妹に叱咤を。フェリシアがテンパりながら宥める。
「カムイさん大丈夫です!!」
手袋を外した両手で妻の手を包む。
「うぅぅぅぅ!あああああ!!」
「生まれてきてくれ!カムイさんにも俺にも元気な赤ん坊を守ってくれ!家族にさせてくれ!!」
「頭が出てきました。」
おぎゃー。おぎゃー。おぎゃー。
「元気な男の子です。」
産毛が母譲りのしわしわな生まれたてな赤ちゃんをサクラが抱える。
「ジョーカーのように性格が悪くなるなよ。姉さんよく頑張ったね。」
「おめでとうございますカムイ様。」
「お母様になれたなカムイ。」
白夜の姉妹と弟王子夫婦がカムイを労る。
「元気に育ってくれよ。お前は、お父さんの愛しい王女様から生まれた幸運で愛の証なんだぜ」
「ジョーカーさん面白い顔で言うとプクッ」
タクミのイタズラされたメイクを消す時間もなく生まれたてのわが子を抱き上げるジョーカにクスッと笑みをこぼす。
赤ちゃんの名前はディーアと名付けた。
夜に久しぶりに妻と布団を共にした。
「ジョーカーさんの匂い落ち着けます。ジョーカーさんを恋しがらない日はありませんでしたよ。」
「俺も嬉しいです。安全な秘境で添い寝が出来る日がきてくれたことが幸運です。」
タクミ様にイタズラされる以外は。黒いオーラを引っ込める。
「タクミに得意なことがあるのは、新発見でした。」
クソガキです。年下の男を被った風神弓野郎です。カムイさん。
「爆笑するから少し傷つきましたよカムイさん。」
「うふふ。ディーアもお父さんの面白い顔を覚えたじゃないですか。」
無邪気に眠るディーアを抱き締める。
「ジョーカーさん抱き上げてみますか。」
ディーアを両腕で抱き抱える。
「ふぇぇぇ!」
「わわわっ泣くな。ベロベロバー」
ディーアが上半身を反り返る。
「ディーアお父さんですよー。メイク消したから分かんないのかな?」
「カムイさん。俺世界に一人のディーアの父親になったんですね。」
「はい!私も世界に一人のジョーカーの妻でディーアの一人のお母様になりましたー。」
カムイさんがジョーカーに寄りかかる。
「カムイ様寂しかったです。ギュンター来ていたのにいつの間にいなくなりましたし。」
「えっ!ギュンター来ていたのですか?」
「えぇ。お祝いの一つもかけてくれてもよかったのですが」
「ディーア見せたかったな」
何故ギュンターは、星界の城に来れたのか。何故に消えてしまったのかギュンター。カムイ様に父のように慕われたギュンターの意味深の言葉が気になったが今は、妻の温もりを抱いて眠りについた。
結。白夜をベースにしたジョーカーが初めて家族になれた日のお話でした。ギュンターは、白夜じゃ行方不明で最後まで出なかったものの出しました。初めて父になるジョーカーを叱咤させれた。
おまけ
マイルームでタクミは、掃除をしていた。
酒の匂いとカムイの服をシーツのように敷いたのを片付ける。
「タクミ様。私も手伝います。」
「服を畳んで衣装箱に閉まってくれるか」
「はーぃ。あら。床が冷たい。」
「僕が拭くよ。」
フェリシアが服を畳むと酒の匂いが鼻についた。吐き気がした。
「フェリシア大丈夫か?」
「タクミ様大……うっぷ。」
手のひらで口許を抑えた。
「フェリシアほら桶だ。ゆっくりゆっくり吐いて。大丈夫じゃないよね。」
背中を擦り妻が心配になる。この間からフェリシアは、遭遇戦で立ちくらみを起こし賊に襲われかかれた。妻を防衛をしていたから軽傷で済ませた。
「フェリシア昨日すっぱいもの食べてたよね。」
「はい。ひんやりさせて食べました。タクミ様は、服を見立てるのがうまそうでしたね。私にも服を見立ててもいいですか。なるだけ緩くて暖かいのが着たいのですが」
「フェリシアそれは、妊娠したじゃないか。」
「えぇぇぇー。」
サクラの元へ診てもらったら。
「おめでとうございますフェリシアさん。妊娠三ヶ月です。」
フェリシアの近くで吹雪が吹いた。
「冷たい!」
タクミがフェリシアの後ろを抱き締めた。すると吹雪が激しくなった。
「寒い寒いです!」
「すいません。少し感情が高ぶりすぎですよね。少し離れます。」
「仕方ないな君一人で行かせないよ。僕も一緒に行くよ」
医務室から離れ人のいない森へ着くと吹雪が吹き荒れる。
「タクミ様凍えてしまいますよ。お父さんになる前に雪だるまになってしまいます。いった。」
フェリシアにデコピンする。
「大丈夫だよ。僕もフェリシアと喜ぶを共感したい。こうして抱き締めても君の冷たい体温に慣れている」
「私もタクミ様との間に赤ちゃんが出来てうれしいのです。見た目がタクミ様でお父さん大好きな明るい男の子がいいです。」
「フェリシアのように笑顔が多い子供であってもいいよね。お父さんとお母さんどっちが好きになるんだろうね。少し寒くなってきた戻って兄さん達に報せようか。」
「はぁーい。」
吹雪がいつのまに緩みゆっくりと舞い落ちる雪へ変わった。
「父になる2」終わり。