弟組が幼くなります。


「レオンも休憩中?」

「まぁね。喉が乾いてね。」

「ほらこっちに水筒があるよ。飲もう。」

瓶の水をカップに注ぎレオンに渡す。

「冷たくて美味しいじゃないか。」

「あぁ喉も潤おう……」

視界が遠くなる。眠気がして目を閉じた。


オロチが休憩室から忘れ物を取りに部屋に入る。眠っている弟王子に笑いがこぼれた。何故なら弟王子が子供に戻り。着ていた服が子供に大きすぎてぶかぶかになっていた。

「ププッ若返りの水を飲んでしまうとは、滑稽じゃ。」

次にフォレオとキサラギとカムイが入ってきた。子供になった弟王子の姿を見て驚いてしまった。

「えっ?レオンとタクミさんどうして子供に。起きてください。」

ゆっくり目を開ける。

「おねえちゃんだれ?」

「カムイおねえちゃん外に出られたんだよかったね。」

「白夜の王女でタクミの姉のカムイよ。」

「カムイお姉ちゃん戻ってきてくれたの。じゃ母上の所へ行こうよ。くしゅん。あっ」

鼻水がカムイの腕にかかった。カムイは、拭き取る。キサラギとフォレオは、まじまじと父親を見た。鏡でみるようによく自分似たタクミ父。レオンの方は、カムイの足にしがみつき隠れた。

「お姉ちゃんここ何処?」

「ムッ!僕のお姉ちゃんだ。だれだよ
お前はお姉ちゃんから離れろよ!」

タクミが押したことでレオンがしりもちをついた。

「レオン大丈夫。」

「うん。立ってる。」

立ち上がるとレオンがカムイにしがみつく。

「離れろって言うのがわからないの。この!この!」

「なに?この長髪」

「僕は、白夜王国王子タクミ!お前なんだよ僕のお姉ちゃんをお姉ちゃんって呼ぶなよ!」

「暗夜王国王子レオン。ねぇカムイお姉ちゃん長髪の言うこと本当?」

「うん。私は、本当は、白夜王国の王女なの。」

「わかったらお姉ちゃんから離れろ!」

レオン目掛けて空の水筒を投げようとする。

「待って!待って!タクミ様落ち着くのじゃ水筒は、返して。」


「オロチさんが犯人ですか。なら二人の呪いを解いて」

「わらわの不注意じゃ。お二人とも若返りの水を飲んで頭が子供になっておる。」

「物語しか出ないものだと思ったのがあったんだ。」

「うむ。だか安心せぃ。魔力を高めておけ
ば元に戻るぞ。」

「即効性で戻る水は、ないのですか。」

「うむ。ない。」

「ちちうえー僕がわかる?」

「おにいちゃんだーれ?どうして僕のことをちちうえって呼ぶの?」

「本当に僕のことがわからないだ。僕は、キサラギ。父上の子供姿を見るなんて思ってなかったけどかわいいなー。」

キサラギが子供になったタクミをだきしめた。タクミは、驚きつつもキサラギの首にしがみついた。

「お父様僕は、レオンの息子のフォレオです。分かりますか?」

レオンがフォレオの胸の辺りを触った。

「僕は、男の子です。」

「オカマ?」

「いいえ。ちゃんと男らしく鍛えてますならここで」

「フォレオ様脱いだらいかん!それより子供用の服ないか。そのままお二人とも動きにくいぞ。」

「あっ。それなら僕の部屋に子供服があります。」

「フォレオ子供の服あるのさすがー」

タクミとレオンのサイズのあう服と靴に着替えさせる。子供に戻った父に手作りの服をプレゼントする日が来ると夢に思えなかったもののフォレオの胸で嬉しさがこみあげてきた。


「オロチさん兄達を呼んでくれませんか。弟のことを話しておきたい。」

「うむっ。わらわも同席するぞ。」


「という理由でレオンとタクミが幼くなりました。」

「頭の中も子供になったぞ。」

「あの魔力を高めてあげる以外元に戻らないですか。」

「うむっ。わらわも試しに飲んで若返ったものの魔力が一定あれば元に戻ったことは体験済みじゃ。」

「オロチは、いくつに戻れたの?」

「エリーゼ様女の年齢は、秘密じゃ。弟王子様は、十は、届いておらん子供と推測する」

「えぇ。当時の姿だわ。レオンなら早く戻れるじゃないのかしら。レオンブリュンヒルデを使ってみて」

「えぃ。」

床に双葉しか生えてこなかった。魔力も子供そのものなってる。レオンは、うつむいた。その可愛さにレオンを抱きしめたカミラは、髪を撫でた。

「今は、子供でもあるから焦らなくても大丈夫よ。元に戻るまでお姉ちゃんが可愛がってあげるわ。」

レオンは、顔を埋めて無言でカミラの袖を掴んでいた。口数が少なくあまり言葉にしないで身振りで甘える子であることをマークスは、眺めていた。

タクミは、ずっとカムイの足に隠れながらまじまじと暗夜の兄姉妹と自分の兄姉妹を見ていた。

「タクミ大丈夫よ。暗夜は、今は、休戦しているからおそってこないわ。」

「うそだ。信じないよ。泥棒の国とどうして一緒にならなきゃいけないの?」

「今は、目的が同じになっているからだ。こうしてカムイを信頼しているから暗夜も白夜も集まった。」

「そうなのカムイお姉ちゃん?」

「そうだよ。話したことは、あるけどタクミとレオンは、子供になっている今は、気にしないでいいんだよ。」

「まずは、子供から元に戻ることだが時間があればあそんでやろう。」

三人の姉の話しの事情は、突っ込まないでタクミは、素直にうなずくしかなかった。


かくして若返りの水を飲んで子供に戻った弟王子を元に戻すことに暗夜と白夜の兄姉妹と弟の王子の息子は、半分使命感とノリノリであることを心に秘めたのであった。

続く。







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