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そんなこんなで

今日も話題がないので

昨日とおなじように

詩でも紹介しようかな。




聴く力 (茨木 のり子)


ひとのこころの湖水
その深浅に
立ち止まり耳澄ます
ということがない

風の音に驚いたり
鳥の声に惚けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり

小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀を救い
きれいな娘の病気まで直した民話
「聴耳頭巾」 を持っていた うからやから


その末裔(すえ)は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか

だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受け止める力がなければ

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