弟王子が幼児に!二人の弟と姉と時々神器

「タクミさーん!何処ですか!返事してくださいー。」

集合場所に集まると手分けして探してるくれていたマークスとリョウマ。天馬と飛竜に乗って上空から探していたヒノカとカミラが降りてきた。

「空から見たが見つからない。」

「森を三手に分かれて探したが隠れていなかったぞ。」

「早くタクミを見つけあげないといけないのに。」

「カムイ泣くな。タクミ見つかったら説教をしなければ。」

「そうだな。子供に戻ってから目に余ることをたくさんしている。ちゃんと何が良くて悪いか教え込まなければ。」

「リョウマ兄さんヒノカ姉さんお尻を叩くところまでは、やらないでくださいよ。小さいうちにやると痛いものですし。」

「カムイそれは、私に対する皮肉でも言っているのか」

マークスが眉間の皺を更に深くした。過去無断で外に出た罰としてカムイの尻を叩くように父に命じられたことがある。カムイが過去をむしり返すものだから不快に思った。

「一度城に戻りましょ。少し疲れたわ」

「でもカミラ姉さん。」

「ほっとけばいいのよ。カムイがこんなに心配しているのに自分勝手なことをする弟わ」

「でもカミラ姉さん。タクミさんが逃げた原因は私なんです。見つけてあげないとタクミさんが…。」

「カムイ先に城戻らないか。私たちがタクミを探す。」

ヒノカに天馬に乗せられてカムイは、有無を言わせず城にもどさせられた。


4時間前のことを。

「お姉ちゃん呼んでくれてありがとう。」

マイルームでタクミを招待しスキンシップを始めた。子供に戻っているタクミは嬉しいそうに姉に頭を撫でてご満喫した。

「お姉ちゃん遊ぼうよー。オロチがね人形くれたんだ。お姉ちゃんがお母さんで僕は」

そこまでは和んでいた。マイルームのドアが開きレオンが入ってくるまでは。

「カムイ姉さーんいる。」

レオンが入ってくるとタクミが嫌な顔で睨んできた。レオンは、タクミがいないこと見計らいながらカムイに会うようになった。ところが招待したタクミと鉢合わせになりレオンが驚いた表情になるけどすぐにいつもの表情に戻った。

「これは、白夜のオウジサマいたんだ。」

「気安く肩書きで呼ぶな泥棒。」

タクミの方は幼いながらツンとした表情でレオンに言いはなった。

「僕は、暗夜王子レオンの名前がある。名前で呼ばないとは、物覚えでも悪いのか」

「うるさい!僕は、知ってるんだ暗夜の王族は、白夜から大切な物を盗ったり人を困らせることも平気でする悪者だってことを!」

「白夜の人は、和を重んじて礼儀正しい者が多いと聞いているよ。でも王族様は、作法も礼儀もなっていない甘えん坊が人の仲を乱そうとしているところを見ると気品がないよ。」

「うるさい!白夜は、暗夜に対して失礼なことをしたのか!父上を死なせてお姉ちゃんを強盗のように暗夜に連れて行かせるようなことを!」

「そうやってわめくなよ。見ているとウザいよ。」

タクミの顔が真っ赤になりレオンを押し倒す。レオンも応戦する。レオンがタクミの髪を引っ張りレオンの頬にタクミが引っ掻く。

「タクミさん!レオンさんやめてください!」

カムイが止めに入る。途中で子供の腕力がカムイの頬を叩いたりしたもののどうにか二人を引き離した。レオンの方は引っ掻き傷が残り。綺麗な髪が乱れたタクミをどうにか止めた。

「タクミさん!どうしてレオンさんのことを毛嫌いするのです!」

「………」

「レオンさんと顔を合わせただけでちょかい出そうするのです。何が気に入らないのです!」

「姉さんは僕よりも強盗のほうが弟に相応しいの。頭の良い子で年上面をした弟の方がいいの!」

タクミが怒鳴った。矢継ぎ早にこうも続けた。

「リョウマ兄さん達の所へ戻ったならどうして白夜王国に帰ってこないの?どうして母上に会わないの!どうして強盗達と一緒にリョウマ兄ちゃんもヒノカ姉ちゃんもアクアもサクラもいるの!分かんないのは、僕だけなのに!!姉さんは、どうして人殺しと家族ごっこしているの!」

泣きながらタクミは、地団場を踏んだ。子供の残酷な言葉にカムイは、答えるのに詰まった。白夜王国に今は、腰を落ち着けることができないくらい暗夜の被害がひどくなっている。それもこれもカムイが暗夜から渡された剣が爆発したことにある。実の母ミコトがカムイを庇い死なせてしまったからと言えるはずがない。身体と精神も子供に戻っているタクミに説明もできない。


「ねぇこれなんだー?」

「それはダメ返して!!」

サファイアの不格好な首飾りがタクミの手に握られていた。レオンは、慌ててタクミから奪いかえそう走るが紙一重でかわされ足払いをレオンにかけ転ばした。タクミは、力任せで不格好なサファイアの首飾りを引きちぎった。サファイアが床に落ちかざりのビーズが床に転がる。

「…あぁぁ」

カムイ姉さんのプレゼントとして作ったサファイアの首飾りがタクミのいたずらで壊された。「泥棒」「強盗」「人殺し」とどんなに罵られようと平気でいたのに。目の前で作ったサファイアの首飾りが壊された。

「うっ。うわぁぁぁぁぁぁ」

滅多に泣くことがなかったレオンが泣き出してしまった。タクミは、そそくさとマイルームから出ようとした。

「フンだ。知らない。」

カムイがタクミの腕を引っ張り頬を叩いた。タクミが驚いてカムイに向こうとしたらもう片方叩かれた。

「タクミさんやりすぎです。レオンさんに謝りなさい。」

タクミは、呆然としたがヤダとそっぽを向いた。

「いやがることをされたからって自分も人にいやがることをしても許されるとおもっているのですか。」

怖くなり顔を反らすタクミ両頬に手を当てられ無理矢理向かせた。

「答えてくださいタクミさん!」

「カムイ大変よ!」

アクアがマイルームに入ってきた。今取り込む中なのにと渋々アクアの続く言葉を待った。

「レオンの自室にいた臣下が大変なの。今すぐに来て頂戴。」

手の力が緩んだところでタクミがアクアを押し退けマイルームから離れた。

「レオンさん泣いていけません。首飾りの材料が残っているならまた作ればいいのです。」

赤ん坊を抱く母のようにレオンを抱き上げるとマイルームを出た。アクアは、床に散ったサファイアとビーズを見て溜め息を漏らした。

「タクミのレオンに対する意地悪はひどいわね。」

首飾り使っていたのを拾い集める。レオンがカムイにあげようとした壊されたプレゼントをそのままにしていいはずはない。不恰好でも愛情があるネックレスを。

「何ですか?これは!!」

レオンが寝泊まりに使っていた家の窓からリンゴの樹がうねりながら覆い尽くしていた。

「カムイ様お助けください!!突然ぐぇ!」

リンゴの幹がゼロの首に巻き付いた。レオンを降ろしてリンゴの樹をどうにかしなければ。

「カムイこれは!どうした。」

「マークス兄さんレオンをお願いします。」

レオンをマークスに預け夜神刀でリンゴの幹に斬りかかる。斬っても斬ってもリンゴの幹が再生してカムイ足を縛り上げる。吊るされたカムイは、腕を竜に変化させリンゴの幹に攻撃する。斬っても突いても治まらない。早くリンゴの樹を倒したいのに倒せないことに焦った。隙が生じてリンゴの幹がカムイ両足を縛り吊し上げた。

「カムイ!!」

さらにレオンが泣き出した。リンゴの幹がさらに大きくなった。

「これは!はっまさかブリュンヒルデが!」

「マークス早くこれを直して!!」

アクアが駆け出し壊れたサファイアをマークスに差し出した。手袋を外し素手でサファイアの首飾りを直していく。

「レオンサファイアの首飾り直った」

レオンに見せるとひくつきながら落ち着きを取り戻した。リンゴの樹が小さくなり始めた。ゼロとオーディンが地面に倒れ伏し。カムイは、何かあったのか分からず地面にペタンと座った。

マークスの腕にはレオンがすぅーすぅーと寝息をたててサファイアの首飾りを握っていた。

「発生源は、ブリュンヒルデだ。ならなぜレオンが泣いてあのようなことを。」

「分からないわ。でもこうなればレオンの魔力は戻っているじゃないかしら。」

「前向きな考えだ。だかレオンがブリュンヒルデを使えるようになったのは9才の頃だ。」

キサラギがカムイを見つけると駆け寄った。

「カムイさん。父上来てなかった。」

「帰ってないのですか?」

「ううん。父上戻ってないだ。城を隈無く見たけど父上がいないだ。」



「カムイは、ここにいろ。私が城をもう一回見て回る。何か分かったら知らせるいいな。」

ヒノカがカムイに言い残すと城にタクミが戻っていないか回ることにした。

続く。













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弟王子が幼児に!

僕は、レオン。暗夜の王子で七才。兄と姉と少し成長(?)した妹は頼りない姉のカムイを無条件で可愛がる。僕は、女の子みたいな顔をしていることが嫌だ。もっと強くなって頼れる王族になることを目標にブリュンヒルデを学んでいる。

「レオン様お茶です。」

「あぁ……ありがとう」

何時臣下にしたのかゼロがお茶を出してくれた。

「レオン様たまには、外へ出ませんか。お勉強ばっかりだとリラックス出来ませんし」

「僕は、いい。」

「タクミ様が怖いのですか?カムイ様には、会わせませんから」

「なんで白夜の話出すんだよ。僕のお姉ちゃんじゃないから別に会わないでいいよ。」

「いいや。レオン様もう二週間前からカムイ様と会話していませんよ。」

「うるさいなぁ。あっち行って!」

「ご命令とあらば。」

ゼロが離れた。カムイは、レオンからすれば赤の他人だった。薄々気づいていたし外へ出ることがなかった姉がどうゆう経緯で両国をまとめる軍師になったかわからない。カムイの近くで甘えん坊がレオンに意地悪をする。まったく気にしていない赤の他人であるカムイお姉ちゃんのことなんて。部屋から出て散歩することにした温泉の辺りに来た所まで来る。

「レオン。散歩?」

カムイ姉さんがバスタオルを持ち歩いていた。

「姉さ…はっ!たまたま通っただけだよ。」

「そうなんだ。城が広いでしょ」

「うん。これ姉さ…カムイに珊瑚あげる。ポケットに入りきらないから」

「ありがとう。レオンお風呂に入らない」

「恥ずかしくないのカムイ。一人で入りなよ。僕寒くもなんともないし。」

「明るいうちにお風呂入ると気持ちいいよ。行こう。」

「手を引っ張らないで。」

「大丈夫だよ。バスタオルもう一枚あるから行こう」

そうゆう問題じゃないって!ツッコミを入れつつもカムイとお風呂に入ることになった。

「お姉ちゃん嬉しいよ。レオンとお風呂に初めて入れて」

レオンの髪をとかして結局お風呂に一緒に入ってしまった。頭の上をとかすにもびよーんと上に伸びる。

「姉さ…カムイそこはいいよ。カチューシャで挿して。」

「うん。いつもの髪型になりましたねー。」

カムイが頭を撫でた。やめてといってもやめてくれずされるのがままに撫でられた。

「レオンさんは、私と歳が近かったから一緒にお風呂に入ることもありませんでしたものね。子供に戻って一緒にお風呂に入ることが来るとは思えませんでした。」

「姉さ…カムイは、甘えん坊とお風呂に入ったの?」

「えぇ。タクミさん甘えん坊で一緒に眠ったりもします。」

「姉さん甘えん坊のことどう思っているの?」

カムイは、しばらく考え込む。

「正直ギャップが激しいですね。あのタクミさんとも思えないくらい可愛い甘えん坊の小さな弟です。」

満面の笑顔で無邪気なタクミが思い浮かべた。姉は、素直で甘えん坊な弟が可愛いじゃないか。カムイから離れよう。姉さんには、戻る場所は、暗夜じゃなく白夜だ。

「あっレオンさん待って。」

「姉さんは、僕と姉弟ごっこしないで実の弟を構えばいいじゃないか。姉さんごっこに付き合わされるのあきたよ。」

「レオン違う。」

「何が違うの?カムイばっかり可愛いがるマークス兄さんとカミラ姉さんに言われて僕のことを弟と信じたんでしょ。僕は、最初からあんたのこと姉さんとおもっていなかったもの。」

「レオンならどうして私のことを姉さんと呼ぶかけようとするの。」

「あれは、言葉のあやだよ。」

「お風呂に一緒に入るの嫌なら魔法書で叩いてでもいやがるはずだよ。」

「忘れたんだよ。髪とかとかされて悪い気もしなかったんだ。」

優しくて暖かい手のひらを払うことが恐い。自分と同じ幼児に戻ったタクミを甘やかすカムイことが面白くもないから距離を置いたのに。

「レオンは、今も弟だよ。血は繋がりがなくとも過ごした時間をなかったことには出来ない。ダメなお姉ちゃんは生意気でもしっかりものの弟を頼っていることをなかったことにするのは出来ないもの。」


「子供に戻る前の僕は、頼れるの王族になってたの?」

「うん。冷静で頼れる王子さまになっていたよ。」

「姉さんギューしてもらってもいい。」

「タクミさんと負けないくらい甘えん坊ですねー。」

視線を合わせ屈むとレオンが首に両手を回し抱きついてきた。

「甘えん坊のオウジサマと一緒にしないでよカムイ姉さん。」

カムイに呼びたかった言葉をを言えただけでレオンはカムイを姉弟としての距離が近づけた。

「レオンさん浴衣が死人の留め方逆です。」

「えぇー!これでいい?」

「はい!浴衣が似合っていますよ。」

続く。








神器「風神弓」の独自ー。

私の名前は、風神弓。白夜王国か神器の一つで親と子の代から脈々と使い手の手足としている。

先代の話からしよう。先代は、白夜の国王の元へ嫁いだ身元不明の巫女で名前は、ミコト。夫が亡くなると女王として国を守り統治をした。高い魔力と未来を予知することが出来侵略した暗夜兵と間者の戦意を奪う結界を張り白夜を守った。

またある時は、女王自ら祓串で負傷者を癒し風神弓を片手に野性のノスフェラスを退けた。勇ましくも慈しみ深さに倣い巫女が弓を持つようになりやがて「守られる巫女」から「戦える巫女・戦巫女」の呼称が出来上がった。

ミコトは、暗夜に拐われた子供カムイと再会する夢を見るようになったある日次の風神弓使い手を白夜第二王子タクミへと託した。

カムイが白夜に戻った夢が現実になった日国中が喜んだ。ミコトは、それは、もう喜んでいた。どの笑顔よりも輝いていた。ところがその喜ぶは、唐突に終わってしまった。カムイが暗夜の危険物の爆弾を知らずに持ち込んだことが原因でミコトは、子供を庇い死亡したのをタクミとともに目の当たりにした。

そのあとカムイがどこから知ったのか透魔が両国を滅ぼそうと裏で糸を引いていることを知り色々あって白夜と暗夜は、カムイの元へ集まっている。喜ばしことに暗夜の神器の現使い手もいる。片方につかないおかげで神器の使い手が亡くならずに済んでよかった。次の使い手が育つまで簡単でも
ないからだ。

タクミは、とあるメイドと結婚しキサラギが産まれ育ったことで次の風神弓の使い手の息子へと託すことにしたいらしい。キサラギは、嫌いではない。願わくは、前向きさ憎めない人柄を濁らせないことを願う。

話が長い?仕方がないでしょ。だってタクミが最近私を使わないでいるからだ。何故って?

………知らん。だから暇をもって余してこうして親と子の代から使われる神器の一つとして使い手の話をしているんだ。

別に透魔を制圧したから使う必要がなくなったわけじゃない。キサラギが時々私を使えるまで訓練は、している。ただ隣に教えてくれるタクミがいない。そういえば両国の弟王子にそっくりな子供を見かけたような気がする。カムイを初めその子供のことを「タクミ」と「レオン」と呼んでいる。

世の中同じ名前は、三人もいる。タクミは、今どこにいるのだろう。会いにきてくれなければ…じゃなかった使ってくれなきゃ忘れられるじゃないか。
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