今日の試合、先行入場の整理番号が良くて、最前列を陣取れた。しかも、パパもいたから、ちゃんと座席確保できて、それが、大旗の居る範囲内で。

それが必然か、偶然か、あいつは、2本隣で。
近くだった。

でも、目の前通っても、あからさまにそっぽ向き、避けてた。

それでも、あまりに目の前だから、通ったとき、会釈してみたら、あいつも会釈応えてくれた。
けど、言葉を交わすことはなく。

試合始まり、なりふり構わず、応援。
だって最前列ですから。

前半途中、目の前の大旗さん、体調不良か旗をしまい、いなくなった。

間隔が空いたのを埋めるために一人ずつずれて、さらに近くなった。

それも、偶然か、必然か…

得点したらよかったけど、盛り上がるもスコアレスドロー。
ただ、負けて雰囲気悪くなるわけでもなく、相手が相手だけに、引き分けでもまぁ、頑張ったかなって雰囲気もあり。

試合後のピリピリもなく。

それとなく、お疲れ様ってかけた言葉に、会釈で反応してくれた。
けど、言葉は返らず。

選手が挨拶来た時、何気なく、隣に立ってみたり。
でも、距離感。

明日、仕事ラストなんだよって、伝えたかったから、こんな、すごい近くにいるなら、勇気を出して声かけてみなくちゃって。

パパが、帰るよって先に席を立ったあと、ハイライトを見ながらその場に残り、そのあと、ちょうど、1人でいたあいつに、声かけた。

勝ちたかったね。

軽く反応。言葉なし。

明日で、ラストインなんだよ。
辞めるんだよ。

そう言った後の、顔も見ずに発した言葉に、驚いた。


知ってます。


???
え?知ってる?なんで?


聞きました。


???
え?どういうこと?誰に?


〇〇〇に。


え?
あ、〇〇〇〇?

なんと、職場のとある女子と連絡取ってるようだった。
しかも、仲良かったなんて、知らなかった。
だって、同世代の女子とは交流してない感じだったから。


え?付き合ってるの?


いや、そういうわけじゃないです。


仲が良いだけなのかな…苗字もわからないみたいだった。
でも、私の話題、してくれてたなんてね。

嬉しかった。

そっけない返答ながらも、会話を続けてくれた。
だから、思わず、そんな話し方、しないでよ。って。
普通に話してよ。って。
背中叩いて、突っ込んだら、ずっと無表情で答えてたのが、ちょっとはにかんで、照れ臭そうな笑顔に。

まだ働いてた頃、怒って冷たい態度してきた時や、クールにしてる時に、優しく声を掛けたらふいに見せた、あの時みたいな笑顔。

一年以上ぶり。
私に対しての笑顔。
嫌だったら、はにかむどころか、怒るだろうに。
そうじゃないのかなって。
関わらないでとか、もう繋がりはないとか、本当に嫌でそうしたんじゃなかったのかもって。
その笑顔は少し救いだった。

今、どこに住んでるの?とか、他愛のない質問も、少し答えてくれた。

でもやっぱり喋り方はそっけないから、

だから、そういう喋り方しないでよってまた背中叩いたら、やっぱり、ニヤニヤって。
あの頃、可愛くて大好きだった、その反応と表情。

嬉しかったな。
また、今度ねって別れた。

3週間後のゲームで、また会ったら、前より少し、声かけやすい雰囲気になってるかな。

また、普通に話してくれたらいいな。

やっぱり、忘れることも、嫌いになることも、出来ない。
そして、あいつも私を忘れてはいないから。

こうして、同じチームを近い場所で応援し続けているのだから。

いつか、また、あの頃みたいに…