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ACT2-(12)


沖田総司を巡る幕末天狼傳の第1部は何事もなく終了を迎えた。

第2部のライブは20分の休憩を挟む形で行われることになり、
観客達はトイレ休憩に行ったり、飲み物を買って時間を潰していた。


芳樹達はペンライトの電池を確認し、赤色にセレクトした。

「……皆、考えることは一緒なのね。」
「そりゃもちろん、満月が大好きだからな。」
「あら、私と満月ちゃん、どっちが好きなのかしら?」
「両方に決まっているだろ……まったく、究極の二者択一は止めないか。」
「綾人兄ちゃん、顔が赤いよ。」
「抓るぞ、幸人。」
「もう抓っているじゃんかー!」

綾人と幸人のやり取りに芳樹と智久は腹を抱えて笑った。


………そして、場内アナウンスが流れ、会場は暗くなった。

「………よし、来るぞ………。」


イントロが流れ出し、曲に合わせてライブ衣裳に身を包んだ満月達が舞台に登場した。
MCタイム(本日の禊も含み)を挟み、歌い舞い踊る満月達に合わせて観客達はペンライトを振った。



そして客降りの曲が流れ、満月達は舞台から観客席に降りた。


芳樹達の姿を見つけた満月はパァ、と笑顔になりウィンクと投げKISSをした。

「ぐはぁ!!」

「ちょっと、芳樹君。鼻血を出さないの、みっともない………。」

慣れた様子で堀川がティッシュを取り出し、芳樹の鼻にあてた。

「め、面目ない………。」

「綾人も、鼻血出さないの。………この服、誰が洗濯すると思って?」
「す、すまない………。」

ライブの時間はあっという間に終わり、トリの曲まで歌い終わると観客席から拍手が送られた。


続く。
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