話題:萩尾望都
『王妃マルゴ』
8月11日に発売される月刊YOU9月号(集英社)にて、萩尾望都の新連載「王妃マルゴ」がスタートすると、本日7月14日発売の同誌8月号にて告知された。
「王妃マルゴ」は、16世紀フランスに実在した王妃マルゴを描く歴史もの。萩尾にとって紫綬褒章受章後、初の新連載となる。第1話は巻頭カラーで登場する予定だ。
(コミックナタリー記事より抜粋)
王妃マルゴ――
マルグリット・ド・ヴァロワ(1553年 5月14日-1615年 5月27日)は、フランス国王アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシス(メディチ)の娘で、アンリ4世の最初の王妃となった女性
予告カットを見ましたが、肖像画の雰囲気がよく出ているように思えました。
王妃マルゴの時代というと、フランスでは宗教戦争の混沌とした時代。
カトリックとプロテスタントの入り乱れていた時代です。
一つの国が真っ二つになり兼ねない、親子・兄弟姉妹で争うような時代でした。
王妃マルゴの結婚相手であるアンリ4世は、元々プロテスタントでしたが「サン・バルテルミーの虐殺」でカトリックに。
その後 再びプロテスタントに復帰した後、アンリ3世の暗殺後 国王に即位するためにカトリックに改宗した人物。
国王になってからは、カトリックと同等の権利をプロテスタントにも認めるという「ナントの勅令」を出しました。
日本人の宗教感覚からするとどうってことはないような気がしますが、
信じる宗教で生命が掛かっていると考えれば納得できると思います。
「最初は一つの宗教だったんだろうに、何で分かれてしまったんだ
」
「王妃マルゴ」の新連載のことから時代背景を説明していた私に対しての旦那の言ですが、
弟子や後世の人の解釈次第で分かれてしまったのだとしか言えません
アンリ4世と王妃マルゴとは離婚してしまいますが、彼女の母 カトリーヌ・ド・メディシスの遠縁マリー・ド・メディシスと再婚。
その結婚で、ルイ13世が産まれます。
アンリ4世は並外れた色好みで愛人が絶えなかったそうですが、反対にルイ13世にはそれはなかったとか。
なんとも、皮肉なものを感じます。
それにしても、王妃マルゴもその母のカトリーヌ・ド・メディシスも、旦那の愛人で苦労したのは同情に堪えません。
並行した時代的に言うと――
オスマントルコ帝国は、スレイマン大帝(1494年11月6日 - 1566年9月5日
)と彼のヒュッレムの子
セリム2世の時代
(1524年5月28日 - 1574年12月12日)
イギリスには
エリザベス1世
(ユリウス暦1533年9月7日 - 1603年3月24日)
日本では徳川家康の時代
(天文11年(1542年)12月26日-元和2年(1616年)4月17日)
イギリスはヘンリー8世の時代にプロテスタントになってしまったので、ヨーロッパの婚姻関係から外れてしまいました。
カトリックの王家は同じカトリックの王家としか結婚できないので、ヨーロッパのカトリックの王族は近親婚が多くなってしまったのですよね。
メディチ家もスペイン・ハプスブルク家も、近親婚の所為で家系が続かなくなりました。
さて、「王妃マルゴ」の代表的な作品はアレクサンドル・デュマの小説ですが、
私としては、松岡なつきの「華やかな迷宮」を上げたいです。
「華やかな〜」はBL小説ですが、王妃マルゴの苦労は描かれています。
アレクサンドル・デュマはアンリ4世の子 ルイ13世とリシュリュー枢機卿の時代を描いた「ダルタニャン物語」、「三銃士」も書いていますね。
その時代がデュマの頃には、ウケたのでしょうね。