「………じゃあ、次の問題を姫宮さん。解いてくれる?」
「はい、わかりました。」
私立聖ミカエル女学院高等部で満月は物吉と共に授業を受けていた。
授業が終わり、満月はくたっと机に伸びた。
「はぁ………疲れた………。」
「姫宮さん、次の幕末天狼傳も出るんでしょう?私、楽しみにしているね。」
「あ、ありがとう。」
「あ、ずるーい。私も私も!」
キャッキャッと騒ぎ出したクラスメイトに満月は後ろを向くとため息をついた。
「お疲れ様です、お嬢様。」
缶コーヒーを持ってきた物吉にありがとう、と言って満月はそれを飲んだ。
「厚樫山異聞に幕末天狼傳………。はぁ、疲れるものも疲れるよ。」
「でも、こうして楽しみにしてくださっている方がいると励みになりますね。」
「………そうだねー………。」
「そういえば、姫宮さんって6人兄妹なんでしょう?
お兄さんがいっぱい居て、羨ましい!」
「そうかなあ…………。皆シスコンだよ。
芳樹さん以外の男には近寄るなって言われているし。」
「え、嘘ー!?」
「でも男の人との知り合いも多いんでしょう?」
「まーね……。」
その時、満月のスマホに芳樹からのLINEが入った。
「………お、芳樹さんからだ。」
「若旦那様、今、雑誌の撮影中でしたよね………?」
「……えーっと、今日の放課後、デートしようだって。
了解って送っておこう。」
そう言うと満月は芳樹に返事をした。
「姫宮さん、綿貫さんとラブラブね。」
「良い奥さんになるんじゃない?」
「そ、そうかなぁ………?」
続く。
ヒロキとサトシはシープシティにある沼地にやってきた。
釣り屋さんで釣り竿を借りて、2人は釣りをすることにした。
「どんなポケモンが現れるかなぁ……。」
「すげぇ、楽しみだな。釣りは。」
釣り糸を垂らすこと10分が経過したが、反応はない。
「………ないね。」
「うーん………場所を変えてみるとか?」
「……おーい、大変だ!」
2人が場所を変えようとした時、別の場所で釣りをしていたトレーナーが走ってきた。
「どうかしたのですか?」
「ヒンバスが大量発生しているぜ、これは驚きだ!!」
「………ヒンバス!?」
「行ってみようか、サトシ!」
「おう!」
トレーナーの案内でヒロキ達はヒンバスが大量発生しているポイントに向かった。
「うわぁ、凄い!」
「ヒンバスが大量だ!」
「これはまた凄いですね………お2人とも、このボールを使ってください。」
そう言うとマリーは2人にダイブボールを渡した。
「あ、みずポケモンが捕まえやすいダイブボールだ!」
「……へー、詳しいんだな、ヒロキ。」
「母さんが持っているミロカロスもダイブボールに入っているんだ。」
「そうなのか。」
「ああ。よーし、じゃあ捕まえようかなぁ……、ピカチュウ、<でんじは>!!」
「ピカチュウ!」
ヒロキの指示でピカチュウはでんじはを使い、ヒンバスをまひ状態にした。
「俺達も行くぜ、ピカチュウ!」
「ピカピカ!」
ぴちぴちと跳ねるヒンバスに狙いを定め、サトシはダイブボールを投げた。
………それから数分後。
「やっと捕まえた…………。
ええっと、確かミロカロスに進化させるためにはきれいなウロコを持たせて通信交換をするんだったな。
………サトシ、交換しないか?」
「ああ、良いぜ。」
「あ、きれいなウロコならちょうど私が持っています。
良かったら使ってください。」
「ありがとうございます!」
「マリー博士、ありがとうございます!」
きれいなウロコを持たせたヒンバスの入ったダイブボールを通信機器に置き、
サトシとヒロキはゲットしたヒンバスを交換した。
「そういえば俺、通信進化は初めてかも。」
「俺もだぜ。通信進化、楽しみだなー。」
通信が始まり、サトシはヒロキの、ヒロキはサトシのヒンバスを手に入れた。
「ありがと、サトシ。」
「こっちも助かったぜ。」
2人がダイブボールからヒンバスを出したのと同時に進化が始まった。
姿が変わり、ミロカロスに進化したのを見届けたマリーはぱちぱちと拍手をした。
続く。