桜庭市にあるとあるファミレスにて。
響夾、奏汰、拡樹、桃矢、桃子、桃花、咲耶、咲良の8人はテーブル席に座っていた。
「………じゃあ、今年はこういう感じで行こうか。」
「うむ。……ただしカーネーションについては個人で買える範囲にしような。
後始末のことを考えると、大変だ。」
「でも今時のカタログギフトも、結構便利になったねー。」
「そうだね………だからその分、失敗しやすさもあるし。」
「ママ喜んでくれるかな?」
「あはは、大丈夫だよ。お母様は私達が出してくれたものなら何だって喜んでくれる。」
「さすがに部屋に入ろうとした時は参ったが………。」
「でもなんやかんや言って抵抗しないもんねぇ、3人共。」
「う………。」
「それはそのー………。」
「何と言いましょうか………。」
響夾の言葉に3人は目を逸らした。
「自分の母親に欲情したらダメだよ?パパが拗ねるから。」
「……姉さん、さすがにそれはない!」
「お父様の鉄槌は勘弁してください………。」
「………あのー、ご注文は何にします?」
店員の言葉に拡樹はあ、はいと頷いた。
「お姉さんのオススメ商品を人数分で。」
「え、私のオススメですか?そうですねぇ………。」
「……拡樹兄さん、やるぅ。」
「………こういう店ほど店員さんのオススメが美味いんだよ。失敗しないから。」
「それもそうだね、あ、ドリンクバーも人数分で。
ちなみにお姉さん、母の日ギフトは何か贈りました?」
「え、無難に私を産んでくれてありがとう、の手紙を花束に添えましたけど。
すみません、参考になります?」
「お姉さんの贈り方、凄い素敵!参考になる!」
桃花の言葉に店員はありがとうございます、とにこやかに笑った。
「んー、花束と手紙は確定事項だとして、どうしようかなぁ………。
花はどうする?」
「予算的に考えて、ここまでだな。」
8人の子供達はわきあいあいと話をすすめ、明日の母の日に備えて準備をした。
続く。