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ACT1-(10)


シープシティのポケモンセンターに到着したヒロキとサトシは、
マリーにポケモン達を診てもらった。


「サトシ君のピカチュウは良く育っていますね。
1番の相棒ですか?」

「はい!」

「ヒロキのピカチュウも元々はミツキのポケモンなのですよ。
だから経験豊富なんです。」

「へぇ………じゃあ、生まれた時からずっと?」
「そうそう。
ピカチュウのままが良いんだって。
かみなりのいしで進化するの嫌がってさ。」

「俺もピカチュウは進化したくないの一点張りなんだよな。
カントー地方のクチバジム戦は苦労したなぁ………。」

「クチバジムですか。となるとマチスさんですね。
懐かしいなぁ………。」

「マリー博士、今も若いけどもっと若い時はカントー地方を始めとした色んな地方を旅していたんだぜ。」
「へぇ……じゃあ、博士になる前はトレーナーだったんですね?」

「そうですよ。
若いうちから博士をやりたかったのですが、オーキド博士から
若いうちは博士よりもトレーナーを集中してやりなさいと言われましてね。
だから、トレーナーとして旅をして博士になったんです。
元々、大学に行きながら休みになる度に行っていたりしていましたから。」

「はぁ………。ママ、バリちゃんがいると言っても、1人だから大丈夫かな。」
「心配ならこまめに連絡してあげてください。親は大事ですから。」
「はい。そうします。」

「さて、ヒロキ。サトシ君。
まずはシープシティのシープジムに挑戦するわけですが手持ちの方は大丈夫ですか?」

「俺はピカチュウにツタージャ、フォッコ、イーブイの4匹がいるけど
サトシはラティアスとピカチュウだけだね。」
「ああ、でも大丈夫。……だと思う。」
「サトシなら、俺はいつでも大丈夫だー!って言いそうだけどなぁ。」
「こらこら、最初のジム戦だからこそ慎重になる場合もあるんですよ。
それにヒロキと違って、サトシはベテランですから。
ちなみに、シープジムはほのおタイプです。」

「うわぁ、ほのおタイプか………。みずタイプかじめんタイプ、近場にいないかな………。」
「ポケモンをゲットしてから挑戦するのか、それともジム戦をしてからゲットするのかは
貴方達の自由です。」


「サトシ、ポケモンゲットしてからジムに挑戦しよう!?ねぇ!?」
「あ、ああ、いいぜ。この近場に水源とかそういったところってありますか?」
「ありますよ。せっかくですから、私もジム戦を見ていきましょうかね。」

続く。

ACT1-(9)


「イーブイの毛並みいいなぁ………。」

道路を歩きながら、ヒロキはイーブイの毛並みを堪能していた。

天気がいいので、ツタージャとフォッコを出して散歩である。


「まず最初に向かうところはどこなんだ?」


「シープシティだな。………べリエジムがあるとこなんだ。」
「おぉ!?ジム戦!?やっぱあるんだな、ブリテンにも!!」

「他の地方のジムは8つだけどさ、ブリテン地方は12もあるんだ。
組み合わせは自由でさ、8つ以上のバッジをゲットできたら
ポケモンリーグに出場できるんだ。

ちなみに12個バッジを集めるとポケモンリーグをすっ飛ばして、
チャンピオンリーグ直々に挑めるからさ
俺は12個のバッジを集める予定。」


「そうなのか。じゃあ、俺も12個バッジをゲットしようかな!」

「サトシならできるさ、なんせ色んな地方を旅してきているし、
カロス地方なんかじゃ、準優勝もしているから!」

「俺1人の力じゃ、辿り着けなかったんだ。
皆の力があったから、良い結果を残せたんだ。
な、ピカチュウ。」

「ピカピカ。」

シープシティに到着すると、途端に人が多くなった。

「おー、すげぇな。大都市って感じ。」
「俺が住んでいるミランタウンとは偉い違いだなぁ………。」

「………あ、ヒロキにサトシ君。ようやく見つけました。」

「………ってあれ、マリー博士?どうしたんですか?」

「私としたことがヒロキにポケモン図鑑を渡すのを忘れてしまったので、
慌てて追いかけてきたのですよ。
………それから、サトシ君でしたね。初めまして。
私はマルグリットと言います。皆からはマリー、と呼ばれています。」

「はい、初めまして!俺はサトシです。」
「オーキド博士から色々話は聞きました。
物凄い数のポケモンと出会っているそうで。」
「いえ、俺なんかまだまだです。」

「ええ、自重するその精神は立派ですね。
その心を大事にしてください。
はい、ではポケモン図鑑を。」
「マリー博士、ありがとうございます。」
「ありがとうございます!」


ヒロキとサトシはマリーからポケモン図鑑を受け取った。

続く。

ACT1-(8)

昼食を済ませ、ポケモンセンターを後にしたサトシとヒロキは
早速草むらに入った。

「何が出るかな、何が出るかな〜なんて。」

フレンドリィショップでモンスターボールを買い、ヒロキはワクワクしていた。


「ヒロキ、もしかしてポケモンをゲットしたことがないのか?」

「そうだね。ピカチュウは母さんの手持ちだし、
ツタージャとフォッコはマリー博士から貰ったし。
だから、楽しみなんだなぁ。」


「へー。」

草むらを歩いていると、ガサガサという音がした。

「お、もしかしてポケモンか!?」

草むらから飛び出してきたのは、銀色の体を持つイーブイであった。


「あ、イーブイだ!しかも色違い!」

「初っ端から色違いのポケモンが出るなんて、ラッキー!
よし、いけ、ツタージャ!」

「タジャ!」

ヒロキはモンスターボールを投げると、ツタージャを出した。
「<つるのムチ>だ!」

ヒロキの指示でツタージャはつるのムチでイーブイに攻撃をした。

「イ………ブイ!」

イーブイはツタージャに近づくとかみついた。


「ヒロキ、状態異常を起こす技を使った方がいいぜ。」
「うん、わかった。………ツタージャ、<ねむりごな>!」

ヒロキの指示でツタージャはねむりごなを繰り出した。

ねむりごなを受けて、イーブイは眠りについた。

「よし、プレミアボールを投げて………行っけぇ!」

ヒロキはプレミアボールを投げた。ボールにイーブイが収納され、左右に揺れる。


「頼む、入ってくれ…………。」

ヒロキが祈るなか、カチッという音がしてイーブイは無事にゲットできた。

「よっしゃあ、イーブイゲットだぜ!」

「タジャ、タジャ!」
「ピカチュウ!」

「ツタージャ、ありがとうな。」
ヒロキに褒められて、ツタージャはまんざらでもなさそうな顔をした。

「あー、良かった。サトシもアドバイスありがとう。」
「いいって。俺、アドバイスしただけだから。俺もツタージャ持っているし。」


「そうなのか?」
「ああ。気が強くて頼りになるんだぜ。」
「そっか。」

ポケモンセンターにいったん戻り、イーブイを回復させた後、
ヒロキはプレミアボールからイーブイを出した。

「俺はヒロキ。これからよろしくな、イーブイ。」
「ブイ、ブイ。」

ヒロキが挨拶をすると、イーブイは少し照れながらも尻尾をヒロキにくっつけた。


続く。
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