「………じゃあ、次の問題を姫宮さん。解いてくれる?」
「はい、わかりました。」

私立聖ミカエル女学院高等部で満月は物吉と共に授業を受けていた。

授業が終わり、満月はくたっと机に伸びた。

「はぁ………疲れた………。」

「姫宮さん、次の幕末天狼傳も出るんでしょう?私、楽しみにしているね。」

「あ、ありがとう。」

「あ、ずるーい。私も私も!」

キャッキャッと騒ぎ出したクラスメイトに満月は後ろを向くとため息をついた。

「お疲れ様です、お嬢様。」

缶コーヒーを持ってきた物吉にありがとう、と言って満月はそれを飲んだ。

「厚樫山異聞に幕末天狼傳………。はぁ、疲れるものも疲れるよ。」
「でも、こうして楽しみにしてくださっている方がいると励みになりますね。」

「………そうだねー………。」

「そういえば、姫宮さんって6人兄妹なんでしょう?
お兄さんがいっぱい居て、羨ましい!」

「そうかなあ…………。皆シスコンだよ。
芳樹さん以外の男には近寄るなって言われているし。」

「え、嘘ー!?」
「でも男の人との知り合いも多いんでしょう?」
「まーね……。」


その時、満月のスマホに芳樹からのLINEが入った。
「………お、芳樹さんからだ。」
「若旦那様、今、雑誌の撮影中でしたよね………?」

「……えーっと、今日の放課後、デートしようだって。
了解って送っておこう。」

そう言うと満月は芳樹に返事をした。
「姫宮さん、綿貫さんとラブラブね。」

「良い奥さんになるんじゃない?」

「そ、そうかなぁ………?」


続く。