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「小波さん、ちょっとここに正座してください」
「なあに? どうして怒ってるの? ニーナ」
「……心当たり、マジでないとか言っちゃう?」
「ふふ、わかってるよ。昨日ルカくんとコウくんといっしょに帰ったのが気に入らないんでしょ?」
「……そう。昨日の下校デートは俺が予約してたはずだったんだけど……?」
「てへ。だってニーナ待ってたら校門のところでふたりに誘われちゃって。お金ないのわかってるけど知らないふりして喫茶店誘うと絶対断らないのが楽しくてつい」
「……小波ちゃん、マジパネエ。アンタ子悪魔っつーかむしろ鬼……」
「やだ、もう照れちゃうな」
「褒めてないから! ぜんぜんコレ褒めてないからね!?」
「それに、ルカくんには修学旅行でどさくさ紛れにただで押し倒されたから、もと取らないとね?」
「小波ちゃん、琉夏さんからどんだけ巻き上げる気なの!?」
「なに言ってるの? 兄からもふんだくるよ?」
「やだこの子怖い」
「ふふ、昨日のおわびにニーナには、ノーブラでハグか、胸枕でお昼寝のどっちか選ばせてあげようか?」
「うっわどっちも魅力的…………いやいやそれ担保に俺からもふんだくるパターンじゃね!?」
「いまどき竹の子族みたいな服買うお金があったらわたしに貢いだほうがいいと思うよ?」
「た……たけのこ……?」
・見かけるとついつい万年金欠の桜井兄弟を喫茶店に誘いたくなってしまう。
・漫画ハイスコアガールがかなり好き。
ひたすら無口で大体無表情のオールマイティお嬢様・大野さんと、バカでゲームのことしか考えてない鈍主人公ハルオのゲーセンの筐体ゲームを通して近づいていく関係がすんごく甘酸っぱい。
1巻で感動の別れをし2巻で再会したわけですが、大野さんのつれなさというか無言の怒りがどうしてなの、もえる。大野さん…(かわいい…ぽっ)
大野がハルオに怒ってる理由として考えられるのは、
@思い出を美化しすぎて、ひさびさにあったら現実にそげぶされた
Aべ、べつにあんたのことなんか…覚えてないし、す、好きなんかじゃないんだからね! というツンデレ
B……ほかの女といちゃいちゃしやがって! という嫉妬
それにしても相変わらずしゃべらねえ大野さん、授業中指されればさすがに口を開くのでしょうか。
もちろんバシバシでてくるレトロゲームネタも楽しいです。ファミ通DXとGCCXファンだから、どれも聞き覚えのあるゲームだけど、知らなくても楽しめるんじゃないかな、どうかな。
当時ゲーセンでストUやってた知人にはあらすじいうだけで、血沸き肉踊る内容だそうな。わたしも3巻がすでに見たい…。
むしろ掲載紙買っちゃいそうだよ。絵柄は最初ホラー…!? と見間違ったけど、いまは好き。
ニューヒロインも2巻のイケメン枠もいい子なんだけど大野さんとハルオは眼中にないんだろうな。
・レイトン教授のおまけRPG ロンドンライフを、主人公イヴァンでやってたら、巨体の金持ち親父に
「けっこんしたい けっこんしたい けっこんしたい けっこんしたい けっこんしたい けっこんしたい」
と迫られるというすごい恐怖をあじわいました。イヴァンといっしょにわたしも震え上がったよ。
後日、タイニーロンドンのイヴァンから「ろんどんこわい…」とかいう報告書が送られてきて、ジャンさんが、「!?」ってなると思う。本編そっちのけでロンドンライフを堪能してるよ、という話。
・PSP版ぼくのなつやすみ2のBESTがでると聞いて、さっそく予約しました。「やったね、ぼくくん!」2も評判いいんですよね、楽しみ。
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雀のさえずりが聞こえる早朝。
まだまばらにしか人のいない通学路をわたしは弾丸のように駆け抜けていた。
学生鞄といっしょにお弁当の入った巾着が右へ左へ振り回されている。中身がシェイクされてお昼ご飯が悲しいことになってしまうかもしれないけど、どうしても逸る気持ちをおさえられなかった。
陸上部の脚力をいかんなく発揮しているとほどなくして学び舎が視界に大きくなって入ってくる。ラストスパートだ。生徒会役員も先生も立っていない校門をくぐり抜け、靴を履き替えると真っ先に化学準備室に向かった。
「おはよう貴文くん!」
朝日のまぶしい窓のまえに立ち、ビーカーに入ったコーヒーを手にした貴文くんが穏やかな笑みを浮かべながら振り返った。
「おはよう、小波さん。はい、これは君の分」
男性もののハンカチにつつまれたコーヒー入りビーカーが差し出された。
「わあ、ありがとうございます……」
ハンカチというクッションのためだけじゃなく、ビーカーはほんのりぬるめだった。のどが渇いていたこともあって、わたしはそれを一気に半分ほど飲ん でしまう。
「貴文くんが入れてくれたコーヒーおいしいです」
「それはよかった。でも小波さん、ここは学校ですよ?」
「あ……」
わたしはいつものくせに気づいて、失態に顔をしかめた。
「ごめんなさい、『先生』」
「よくできました、『小波さん』」
共犯者のような笑みをたがいに浮かべると、わたしはまだ白衣を着ていない貴文くんのワイシャツに頬を寄せた。
「やや? 甘えたくなっちゃった?」
「はい……だって今朝は貴文くん早いからっていってきますのキスもできなかったし……」
わたしは心持ち顎を上向けて、目を閉じながら、青いワイシャツを小さく引っ張った。
「……学校では先生と生徒の約束じゃなかった?」
「まだ始業時間じゃないですよ」
貴文くんがしょうがないなあというように、ふ、と息をもらしたのがわかった。ゆっくりと近づいてくる気配にどきどきと鼓動が高まっていく。
つと唇がやわらかく押しつぶされた。
でも望んでいた感触じゃない。
反射的に目を開くと、貴文くんの人差し指が内緒話のように唇に当てられていた。
「……やっぱり帰ってからにしよう。そうじゃないと僕が我慢できない」
そう言って目を細める貴文くんは、全然先生の顔じゃない。
「はあい、若王子先生」
残念だけど仕方ない。
甘い予感に焦がれながら待つのだって悪くないし。ふたりの帰る家はおなじなんだから。
わたしのなまえは若王子美奈子。
みんなにはないしょだけど、
貴文くんの奥さんです。
・奥様は女子高生ネタ。
●感想。
・前半、FOOOO! ハードボイルドFOOOO!
・ジャンさん、やたらと悪魔呼ばわりされてる…。不穏だなあ。相当恨み買ってるんだろうな。しかし親父なんか死神だもんな、悪魔ぐらいなにさ! と思ったら、タイトルとかけてるのか…
・ジャンさんスタントマンなしのアクションシーン。そしてナゾのおやじである。
・ジャンさんに間違えられた不幸な人にまでなまえが…。
・もうそろそろ登場人物をリストアップしてくれないか……。海外文学だったら、最初の登場人物表と何回も照らし合わせるぐらいの人口密度。
・今回のハイライトはイヴァン派じゃなくても、イヴァンっていうんじゃないかっていうぐらいのイヴァンちゃんマジイヴァンさん。
・ジャンがいないとダメ人間の集まりみたいになってる皆に喝。
・ジャンさんのいない世界で、生き抜いたイヴァンがだぶって、くそう、画面が曇ってまえが見えねえ。
・そしてルキーノ。ルキーノはもう二度と大事な人を失いたくないんだよな…。
・ルキーノとイヴァンが濃くて、あとのふたりがいまいち印象に残らなかったよだって。
>……いや、その――さっきは、すまん。イヴァン
ぶわっ
>……なんのことだよ、クソ。ああ、もう忘れた忘れた!
ぶわわわっ
……年月の流れを感じました。連れ立って入ってくるイヴァンとジュリオにもね。あとなにげにイヴァンにボディタッチするベルナルドにも。
ドラクエの主人公風にいうと、こころにきざんだ。
イヴァンの成長記録すぎる。イヴァンのあゆみすぎる。あんなにピリピリして相性の悪いふたりだったのに。
・大集結だな。ロイド→ジャン…なの? ロイドは恋する乙女なの? か、かわいいなこいつ…。やっと耳になじんだFBIになってくれた…BOIいわれてもぽーんでした。
・ルキーノのイケメン部下登場。どっちがどっちだかわかんないけどどっちもイケメンなんだろうな。ロイドに視線で嘗め回されとったしな。
・ヴェスプッチのじじさま……前回、ちゃんとイヴァンのところは読んでたはずなのに、…………誰ですこのおじさん……って思ったわたしっていったい。大活躍でしたね! じじいかっちょいいね!
・愛妻から暴力を受けていたらしい。殺されかけてたのに気づいてなかったんじゃないだろうか。
・「余裕っち!」どうぶつの森ではやりそうな語尾だな。
・そしてアルたんキターーーー! もうかわいいかわいいかわいすぎるよ! ああこの間抜けっぷり守りたい……いやされるわー……。前半のハードボイルドでしんどかった心がアルたんでまあるくなった……。
・幹部が全員交代して、みんなの部下が幹部になったら、間違いなくアルたんはイジラレポジですね……デュフフフ。←うつった。さすがイヴァンの部下って言われてたけど、いろんな意味でまちがいなくイヴァンの部下だよ。ありとあらゆる言動がかわいいよ花丸だよアルたん。好きだ!
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「おかえりなさい設楽先輩、ごはんにします? おふろにします? それともピ・ア・ノ?」
ハイテンションで出迎えたわたしに愛しのだんな様の顔色は優れなかった。
まあ、ここで、ただいまマイハニー! といわれでもしたら偽者確定だけど。
「……おまえ、テンション高いな……」
「えへ、だってひさしぶりのご帰宅ですもん……あれ?」
相変わらず細い聖司さんの胴に抱きつこうとしたら、頭を押し戻された。
「俺が帰ってきたところからちゃんとやり直せ」
「え? な、なんでですか?」
「おまえを選ぶからそのつもりで」
「や……やだ、先輩、大胆……でもどきどきです……」
「それから俺はもうおまえの先輩じゃないだろ。……俺はおまえのなんだ?」
「愛しのだんな様です!」
「よし……じゃあ、始めから」
「あ、はい」
……聖司さんやる気満々だなあ。むふふふふ。
「おかえりなさいあなた、ごはんにします? お風呂にします? それとも……わたし?」
ちら、ちらと上目遣いをしながら、やり直すと、相変わらず聖司さんは涼しい顔をしながら、短く答えた。
「風呂」
「……!?」
期待させて突き落とす……? 聖司さんの……上級者!
そう拗ねるつもりで、顔をあげれば、
「それから、おまえ」
「……えっ」
素敵な笑顔で、わたしの腰に手をかけた聖司さんにお風呂につれてかれちゃいました。
「……もう、聖司さんてばわたしは晩御飯のあとのお楽しみなのにぃ、聖司さんのえっち!」
「期待してたくせに、よく言うなおまえ」
「あっ、聖司さんはわたしが脱がすから自分でヌイじゃだめですよ! ふはあ……相変わらず真っ白できれーなお肌ですねー」
「なんで入るまえからすでにのぼせ気味なんだよ……あっち向いて、少しクールダウンしてろ」
「えー……さみしい……」
「おまえがのぼせたら俺が楽しめないだろ」
「……! 聖司さんだいすき〜!」
・うちのヨメが俺を好きすぎて困る